PENTAX(ペンタックス)LX/旭光学のすべてが結集したプロ用一眼レフ[限定モデル各部画像あり]
PENTAX LX(ペンタックスLX)。
PENTAXの歴史上唯一のフラッグシップ。
名実ともに最高峰であり、プロ用のクオリティを追求したカメラです。
PENTAXが持てる技術をすべて注ぎ込んだカメラ、それがLX。
開発期間に5年をかけ、操作性、システム性、堅牢性、信頼性……すべてにおいて完璧なカメラが生まれたのです。
もちろんPENTAXならではの小型軽量さも健在です。
今でもPENTAX LXはPENTAXファン(ペンタ党)の全員が憧れ、愛用する35mm一眼レフカメラ。
あなたがもしペンタックスユーザーなら、ぜひ中古で手に入れることをおすすめします。
唯一無二のカメラ、PENTAX LXは、小型軽量なカメラに魅力を感じるあなたに最高の魅力を届けてくれるでしょう。
今回は、ぜひ中古で手にしてみたいカメラ、PENTAX LXの魅力をペンタ党の筆者が紹介します。
PENTAX LX(ペンタックスLX)
PENTAX LX(ペンタックスLX)はPENTAXのフラッグシップとして開発された唯一無二のカメラ。
PENTAX(旭光学)の技術力を結集した存在です。
まずはPENTAX LXの性能・スペック面について見てみましょう。
PENTAX LXの性能とスペック
形式 | 35mmフィルム一眼レフカメラ |
シャッター | B、4秒〜1/2000秒 チタン幕横走りフォーカルプレーンシャッター ハイブリッド式:1/2000秒〜1/75秒は機械式、それ以下は電子式 AE時はすべて電子制御 シンクロ速度 1/75秒 |
レンズマウント | ペンタックスKマウント |
露出計 | TTL中央重点 ダイレクト測光 |
AE | 絞り優先AE |
ファインダー | 交換式 視野率横98%、縦98%、0.9倍(FA-1装着時) |
電池 | LR44(Amazon)x2もしくはSR44(Amazon)x2 |
発売年 | 1980年 |
PENTAX LXの製造期間は長く、1980年から2001年まで20年以上に渡って作り続けられてきました。
そのためフラッグシップ機ながら中古でも比較的入手しやすいです。
シャッターは機械式と電子式のハイブリッドシャッター。
スローは4秒から、最高速は1/2000秒。
ストロボ同調速度は1/75秒。
1/60以下では電子式シャッターに切り替わります。
シャッター幕はチタン製の横走りです。
絞り優先AEを搭載しており、絞りリングのあるKマウントのレンズで絞り優先AEが可能。
AE時は高速側も含めてすべて電子制御となります。
ファインダーにはシャッター速度がLEDで表示され、絞り値は光学的に直読み可能です。
M42マウントレンズの使用時も、実絞りでAE可能です。
巻き上げは分割巻き上げ可能で、モータードライブとワインダーも取り付けることができます。
測光方式はシャッター幕で光量を計測する方式の中央重点測光。
測光素子はSPD(シリコンフォトダイオード)です。
もちろんPENTAX純正のM42マウントアダプターで、Super Takumarを始めとするM42レンズも絞り込み測光で使用可能です。
ファインダー交換可能
↑ファインダーを取り外したところ
また、プロ機らしくファインダーも交換可能。
ファインダーの取り付け部はレールになっていて、後ろに引き抜く構造です。
デフォルトでは四角い頭にホットシューの付いたFA-1が装着されていますが、とくに三角頭のFA-2は中古人気が高くコレクターズアイテムとなっています。
↑FA-2つきのペンタックスLX
そのほかにもウエストレベルファインダーほか、数多くの交換ファインダーが用意されました。
↑ウエストレベルファインダーFF-1を付けたPENTAX LX
↑ウエストレベルファインダーFE-1
PENTAXならではの小型軽量
フルサイズデジタル一眼レフのPENTAX K-1でも他社のフルサイズ機に比べて小型軽量であることも話題になったPENTAX。
PENTAXは、PENTAX SPなどのSシリーズの時代から、他社に比べ小型軽量であることを信条としてきました。
PENTAX LXもそのサイズと軽量さで、PENTAXの面目を躍如しています。
同時代なにかと比較されることの多かったNikon F3やCanon NewF-1といったプロ機と比較しても、そのボディサイズはとても小さいもの。
それでいて機能は他社のプロ機と同レベルで、安心して使うことができますよ。
全技術を結集したハイクオリティの仕上げ
PENTAX LXについて語られるときにつねに話題となるのが、ボディの各部に施された手間のかかる仕上げ。
とくにそのことを象徴しているのが、文字が浮き彫りされたシャッターダイヤルです。
通常のカメラではシャッターダイヤルは文字を凹に彫り込んでいます。
それに対してPENTAX LXでは文字のほうが出っ張っているのです。
この手間のかかる仕上げは、おそらくはPENTAX LXでしか採用されなかったもの。
いまでは中古でしか手に入らない貴重な職人技です。
ほかにも非常にスムースに取り付け・取外し可能なファインダー基部や、持った瞬間剛性感が伝わるホールディング感など、すべてにおいて上質な仕上げです。
防塵防滴ボディの先駆者
PENTAX LXの信頼性をさらに高めているのが、ボディ全体に施された防塵防滴仕上げ。
ボディ外装の隙間すべてにシーリングを流し込むことで、多少の雨や雪はものともしない耐候性を獲得したのです。
実際筆者も、既に発売から20年以上経った、前期型のPENTAX LXを中古で手に入れて雨や雪の中で酷使しましたが、動作はまったく問題ありませんでした。
経年こそあれど、おそらく中古でもシーリングはそれなりに機能してくれるようです。
ただしあくまでも中古カメラなので、あまりにもハードな使用は故障の原因になるので気をつけて。
現在では多くのカメラが備えている防塵防滴性ですが、1980年代はやっと他社のカメラも対策を行い始めた時代。
PENTAX LXは、まさにそんな防塵防滴カメラの先駆者なのです。
メーカー純正のカスタマイズもできた
PENTAX LXにはメーカー純正のカスタマイズも用意されていました。
下の画像はそんなカスタマイズを受けているもの。
貼り革がトカゲ革になっているほか、シャッターダイヤル、露出補正・感度ダイヤルが色付きのものに交換。
また巻き上げレバーもスリムなものに取り換えられています。
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PENTAX最高の一眼レフ、LXの逸話
PENTAXのファンにとって夢の一眼レフ、それがLX。
このカメラが世に出たとき、PENTAXファンは諸手を挙げて喜んだといいます。
ペンタ党なら中古でいいから一度はLXを手にしたほうがいい理由とは?
大衆機メーカーが生み出したプロ用一眼レフ
1960年代以降、全世界で普及していった日本製一眼レフ。
しかしながらメーカーのブランドイメージには大きな差がありました。
プロ用のイメージが強かったのはNikonとCanon。
それに対してPENTAXやminoltaは少し格の落ちる大衆機メーカーとされていたのです。
しかしPENTAXは打って出ました。
開発が開始されたのは、ちょうどM42マウントからKマウントに移行しようとする1975年頃。
それから、のちにLXとともに「3X」と呼ばれるPENTAX KXやPENTAX MXを送り出しつつ、PENTAXならではのプロ用一眼レフを仕上げていったのです。
そして1980年に送り出されたLXは、プロ機のNikon F3やCanon New F-1と肩を並べるカメラとなりました。
PENTAXのカメラが、NikonやCanonに追いついたのです。
中古カメラとなった現在も、人気はその両者にひけをとりません。
LXというネーミングも、製造元の旭光学の60周年に合わせ、ローマ数字のLX=60に由来しています。
旭光学、そしてPENTAXを象徴するカメラ。
それこそがLXなのです。
PENTAXの名機「3X」
そんなペンタックスのフィルム一眼レフカメラには、LXとセットで語られる機種があります。
それが、KXとMXです。
LX同様機種名に「X」がつく機種。
どちらも堅実な機械式で、フィルムカメラ愛好家に人気が高いカメラです。
LX・MX・KXの3台は「3X」と呼ばれ、ペンタックスKマウントを象徴するカメラとしてペンタ党に親しまれています。
ペンタックスLX 中古購入のポイント
中古購入の際にはいくつかのポイントがあります。
PENTAX LX 前期型と後期型
1980年から2001年まで長きに渡り作り続けられたPENTAX LX(ペンタックスLX)。
実は大きく分けて初期型と前期型、そして後期型が存在しており、中古を探すときは注意が必要です。
ただしほとんどの中古カメラ店では、初期・前期・後期を明記して販売しているのが普通です。
機構上、信頼性が高いのは後期型。
メーカー修理の受付末期には後期型のみ可能な期間があったことなどから、中身も大きく変更されているようです。
前期型と後期型を見分けるもっともわかりやすいポイントは、シャッターボタンの周囲にガードがあるかどうか、ということです。
前期型はシャッターボタンが全周むき出しとなっていましたが、後期型では新たにガードが取り付けられています。
↑前期型
↑後期型 シャッターボタン周囲が異なる
また、後期型では前期型に比べてシャッター幕のドットパターンが細かくなっているということも、わかりやすい判別ポイントのひとつです。
初期型の特徴
初期型については、裏蓋を開けてチェックすることで容易に判別可能です。
初期型にはフィルム押さえの脇にローラーがついていないのが特徴です。
※ただし裏蓋は取り外せるため、交換されている可能性もあります。
↑初期型の裏蓋:ローラーがない
↑初期型以外の裏蓋:ローラーがある(画像は後期型のもの)
性能が安定しているのは後期型
中古で購入するならば、やはり改良された後期型のほうがよいともっぱらの噂です。
中古価格もかなり異なり、後期型は前期型より倍以上することも。
とくに状態のよい後期型は、ペンタックスファンの間で中古が珍重されています。
動作確認時の注意
ペンタックスLXの動作をチェックするときに、気をつけたいことがあります。
それが、
「フィルムを入れていないとAEが正常に動作しない」
ということ。
ペンタックスLXの露出計はフィルム面を直接測光するので、フィルムが入っていない状態でAEを動かすと、シャッター速度がずれることがあります。
これは正常な動作で、故障ではありません。
グリップBの横吊り改造
ペンタックスLXは、右手で握る部分にグリップを取り付けることが可能です。
木製で自分で削って使うグリップAと、プラスチック製のグリップBが存在。
中古で多く見られるのはグリップBです。
さて、このグリップBなのですが、そのままではストラップ金具を隠してしまうので、カメラが縦吊りしかできなくなってしまいます。
そこで、ペンタックスのサポートセンターでは、純正でグリップに金具を追加する改造を施していました。
筆者も2000年代に改造してもらったことがありましたが、当時は約1,000円で可能でした。
↑金具のないグリップB
↑金具付きのグリップB
これからグリップを探すなら、金具付きのものがおすすめです。
グリップA
木製のグリップAについては、加工前提なこともあり大き目に作られていました。
下の画像は加工済みのグリップAです(ボディはLXチタン)。
ペンタックスLXで使いたいレンズ
ペンタックスLXはKマウントレンズをフィルムで使うのに最適な機種!
AF用のレンズも、絞り環があるものは使用可能です。
詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。
PENTAX LXの限定モデル
製造期間の長いPENTAX LXにはいくつかの限定モデルがあります。
どれも希少性の高い、コレクター価値が中古市場で認められているモデルです。
ペンタックスLXチタン
まず限定モデルの代表が、PENTAX LXチタン。
当時流行していたチタンボディを採用し、ペンタックス75周年記念として1994年に発売されたモデルです。
1,000台限定。
PENTAX LXチタン 各部画像
ペンタックスLX LIMITED
そして、そのチタンボディをブラックペイントにしたのがPENTAX LX LIMITED。
通常のLXとは違うマットな黒塗装が魅力のモデルです。
300台限定。
PENTAX LX LIMITED 各部画像
ペンタックスLX 2000
LX2000は西暦2000年を記念して発売されたモデル。
外観はシルバーで貼り革は茶色。
肩部には2000の刻印も施されています。
1,000台限定。
ここまでの機種は実用性も高く、中古価格は通常モデルよりもかなり高いですが、一味違うLXとしてぜひ使ってみたいモデルです。
PENTAX LX 2000 各部画像
ペンタックスLX ゴールド
それに対しLXゴールドは、希少性ゆえ中古価格は非常に高いものの、実用には向かないモデル。
セットのSMC PENTAX A 50mm F1.4レンズとともに金メッキされたモデルで、PENTAXの一眼レフ製造台数が1,000万台を突破した記念に製造されたコレクターズアイテムです。
300台限定。
レンズマウントまでメッキされているので、怖くてレンズを取り付けられません。
PENTAX 最高の一眼レフを味わおう
このようにPENTAX LXは旭光学(PENTAX)が全精力を傾けて開発した一眼レフ。
すべてにおいて丁寧に、完璧に作られたカメラは、使い心地も信頼性も最高です。
もしペンタックスのカメラが好きだったら、ぜひ中古で手に入れてみませんか?
本気のカメラ・PENTAX LXで、フィルム時代の最高峰を味わいましょう!
2023年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ、迷ったらこの一台!
価格と性能のバランスが取れた名機です!
どこでも持ち歩ける相棒です。
更新履歴
2020年10月16日
ペンタックスLXチタンの画像を追加。文章を微修正。
20220年8月2日
画像を大幅に追加。カスタムモデル、交換ファインダー、限定モデルの各部画像等。
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