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Konica(コニカ)BiG miniシリーズ/ シンプルな薄型AFコンパクトの革命児

初代BiG mini

今回は一世を風靡したオートフォーカスコンパクトカメラ、Konica BiG miniシリーズについて解説します。

フィルムカメラの時代、フィルムからカメラ本体までトータルに写真をサポートしたメーカー、Konica(コニカ)。
ミノルタとの合併を経て、いまではカメラ事業から撤退してしまいましたが、数多くの名機を送り出してきました。

なかでも1980年代末〜1990年代にかけて一世を風靡したコンパクトカメラがBiG miniシリーズ。

いま人気の中古カメラのなかでも、初心者が使うことの多いコンパクトカメラ。
その多くは、このBiG miniのコンセプトの影響下にあると言っても過言ではありません。

BiG miniの構造上の特徴、それが「沈胴式」レンズを採用したこと。
電源を切っているときはレンズが引っ込んで、厚みが一気にコンパクトになる。
この機構は、1990年代のコンパクトカメラでは標準的に採用されるものとなったのです。

さらにBiG miniが人気を集めたのは、コンパクトさだけが理由ではありません。
搭載された単焦点広角レンズの描写が素性の良いものだったことも理由のひとつ。
写真家にも愛用されたように、いつでも気軽に使える相棒にも最適だったのです。

では具体的に、Konica BiG miniについて見ていきましょう。

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Konica BiG mini

Konica(コニカ)が1980年代末から1990年代にかけて展開したコンパクトカメラのシリーズ、それがBiG mini(ビッグミニ)です。

じつはこのBiG mini、1990年代のコンパクトに欠かせない、とあるコンセプトを具現化した機種でもあったのです。

Konica BiG miniとは

初代BiG mini

1989年の初代機種にはじまるコンパクトカメラのシリーズ。
Konica BiG miniは、いま人気の中古コンパクトカメラのなかでも代表的な存在です。

Konica BiG miniがエポックメイキングだった点。
それが、全自動・沈胴式レンズ搭載のコンパクトカメラというジャンルが隆盛する決め手となったことです。

押せば写るカメラの到達点

初代BiG mini

Konica BiG miniシリーズがベストセラーとなったのは、なによりも、安定して「普通に写る」ということでした。

押すだけで写真が写るというカメラは、すでに1980年代前半のCanon Autoboyなどのコンパクトカメラで一応の機能的完成をみていました。
しかし、コンセプトが設計通りに動くかということは別。
1980年代も後半になり、やっと高いレベルで安定して、失敗なく写真を写すことができるようになったのでした。

1990年代に入ると同様の全自動コンパクトカメラはコモディティ化し、各社ともに疑似パノラマや高倍率ズーム搭載などの、本質的に無理のある新機能の搭載へと走っていくことになります。

電動の沈胴式レンズ

初代BiG mini

BiG miniシリーズの採用した新基軸に、電動式の沈胴レンズというものがあります。

これは、電源を入れるとレンズがせり出して、電源を切るとレンズが沈んでフラットに収納される、というもの。
これにより、カメラがぐっと薄くなり、持ち運びがとても便利になりました

じつは沈胴機構そのものは、戦前のバルナックライカをはじめ多くの機種で採用されてきたものでした。
ただしそれらは手動式です。

バルナックライカ
手動の沈胴式レンズ

またレンズをフラットにするコンセプトは、オリンパスXAシリーズなどの「カプセルカメラ」でも採用されています。

オリンパスXA2
カプセルカメラ:オリンパスXA2

しかしこちらには、スペースが制限されることによりレンズの設計に制約がつくという難点がありました。

BiG miniの電動の沈胴機構は、レンズの設計と使いやすさの双方を両立させた、1990年代のコンパクトカメラに欠かせない機構となっていくのです。
実際、同様の機構は1990年代の機種には普遍的に採用されており、むしろ、この機構がない中古コンパクトカメラを探すほうが難しいくらいです。

高級コンパクトカメラでも、リコーGR1コンタックスT2コンタックスT3ニコン35Tiや28Tiなどほとんどの機種が用いています。

CONTAX T2
コンタックスT2のレンズ

電動式沈胴機構の功罪

ただし、この電動式の沈胴機構には弱点もありました。

それが壊れやすいということ。

それまでのレンズ鏡筒が固定された構造のカメラなら、レンズ部分に多少の衝撃が加わっても、そこまで致命的な故障にはなりませんでした。
ところが、電動の沈胴機構は少しでも大きな力が加わるとすぐに内部が破損してしまい、すぐにジャンク品になってしまうのです。

実際、中古カメラ店のジャンク箱に入っているコンパクトカメラを見ても、実用できそうなものは1980年代以前のレンズ固定式のものばかり。
BiG miniの影響下の沈胴式のものは、エンジニアリングプラスチックが鏡筒に多用されているということもあり、修理不能な完全ジャンクの割合が有意に大きいのです。

もしいま、健全に動作する電動の沈胴式コンパクトカメラを持っていたら、壊さないように注意して使いましょう。

写真家も使ったカメラ

初代BiG mini

このKonica BiG miniは、写真家にも愛用されたカメラとして知られています。

BiG miniユーザーとして取り沙汰されがちなのは、アラーキーこと荒木経惟と、ガーリーフォトの写真家HIROMIX

さまざまなカメラを使ったアラーキーはともかくとして、HIROMIXがBiG miniを選んだのには明確な理由があったといえます。
前述したようにBiG miniは、ほんとうの意味で全自動の写真が実現された最初の世代のカメラ。
そして、コンパクトでいつでも持ち運ぶことができるカメラでもあります。

ガーリーフォトと1990年代

HIROMIX(そして蜷川実花、長島有里枝)らが牽引した1990年代の写真ムーブメント、「ガーリーフォト」。
これは、現代のInstagramをはじめとする写真文化のさきがけとなった、女の子が撮った写真という潮流です。

2000年代のケータイ、2010年代のスマホで誰もが写真を撮ることが当たり前になっている現代からは想像がつきませんが、1990年代以前、フィルムカメラの時代には、写真は誰もが撮るものではありませんでした

(だからこそ「誰でも撮れるカメラ」というコンセプトが売り文句として成立したのです。ということは、究極超人あ〜るのような漫画に女性写真部員が当たり前にいるのは、多分にフィクショナルなことだったのかもしれません)

そんななか、当時の10代後半の女性たちが、自然発生的に「自分たちの撮りたい写真」を取り始める流れが生まれます。
その背景にあったのは、このBiG miniのような誰でも撮れるコンパクトカメラや、写ルンですのようなレンズ付きフィルムの存在

デジタルカメラ、そして携帯電話、スマートフォンがどんどん写真を革新する前夜。
その道筋を整えまっすぐにしたのは、まさにコンパクトカメラなのでした。

もしかすると、カメラ愛好家が注目しがちなオートフォーカス一眼レフやデジタル一眼レフよりも、後年の歴史家はコンパクトカメラ、写ルンです、ケータイ、スマホを重要視するのかもしれません。

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では続いて、BiG mini各機種について見ていきましょう。

Konica BiG mini 各機種解説(単焦点機種編)

それではKonica BiG miniの各機種について、具体的に特徴を解説します。

BiG miniシリーズの機種は大きく、単焦点レンズ搭載のものとズームレンズ搭載のものに分けられます。
まずは評判のよい、単焦点の機種から。

参考文献:以下、発売年、スペックはケンコー・トキナーWebサイトの以下のページと使用説明書pdfによりました。
「K-miniシリーズ | コニカミノルタ製品アフターサービス – 株式会社ケンコー・トキナー」(2022年9月26日閲覧)

BiG mini(1989年)

初代BiG mini

レンズ Konica Lens 35mm F3.5(4群4枚)
最短撮影距離 0.6m
マクロ撮影時0.35m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.6秒〜1/500秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
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1989年に登場した初代BiG mini

シンプルモダンなボディに沈胴レンズというデザインコンセプトは、この初代機種ですでに定まっています。
外観がツートンカラーであることが最大の特徴。

レンズは4群4枚のKonica Lens
ヘキサノン(Hexanon)の流れをくむレンズの素性は悪くなく、このカメラ本来のコンセプトである普段遣いの記念写真・スナップ用カメラとしては十分でしょう。

機能面では、接写したいときにボディ上面のクローズアップボタンを押して切り替えなければならないことが、後の機種とは異なります。
(後継機はシームレスに切り替わります)

初代BiG mini

経年劣化により、後述するフレキ折れが発生していることがほとんどなので気をつけましょう。

BiG mini BM-201(1990年)

BiG mini BM-201

レンズ Konica Lens 35mm F3.5(4群4枚)
最短撮影距離 0.35m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.6秒〜1/500秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

1990年登場の2代目機種です。

同じ4群4枚構成のKonica Lensですが設計が見直され、多少ですが写りがよくなっています。

コンパクトカメラ用とはいえ単焦点のためどれも素性はよいのですが、それでもBiG miniのレンズについては新しい機種ほどどんどん写りはよくなっているようです。
フィルムを作っていたコニカだからこその、自社製フィルムの性能を存分に引き出すための改良といえるでしょう。

機能面では、接写時にクローズアップモードに切り替える必要がなく、特別な操作をしなくてもシームレスに接写へと移り変わるようになりました

外装デザインは1990年代初頭の家電製品を彷彿とさせるような、シンプルかつメタリックなイメージのものに変わりました。

BiG mini BM-301(1992年)

BiG mini BM-301

レンズ Konica Lens 35mm F3.5(4群4枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 0.35m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 7.5秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

3代目となり完成度がさらに向上。
外観は同じくシンプルなまま、ユーザーの使い勝手を考えた機能が追加されました。

もっとも大きな改良が、遠景モードの搭載
ピントを無限遠に固定することができるようになり、風景撮影のとき、近くにピントが合ってしまうという失敗を防ぐことができるようになりました。

レンズもさらに写りがよくなっています。

完成度の高いこのモデルは写真家にも愛用され、アラーキーこと荒木経惟や、ガーリーフォトの旗手HIROMIXが使ったのもこのモデルです。

BiG mini F(1997年)

BiG mini F

レンズ Konica Lens 35mm F2.8(3群4枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 0.35m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 4秒〜1/450秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

単焦点系BiG miniの最終形態。
それがBiG mini Fです。

これから中古で実用品のBiG miniを買いたい場合、もっともおすすめできる機種だといえるでしょう。

外観は、沈胴式レンズのフラットなボディというコンセプトこそ同じものの趣が変わり、右手側にグリップがつきました。

スペック上目立つのがレンズの変更。
それまでの単焦点BiG miniの35mm F3.5(4群4枚)のレンズから変更され、35mm F2.8(3群4枚)の典型的なテッサータイプになったのです。

BiG mini F

テッサーだからよい、ということは必ずしもないですが、ことコニカBiG miniどうしで比べた場合、写りの良さは最終機であるこのBiG miniが傑出しています。

他の単焦点機種に比べてシンプルモダンなデザインという面では一歩後退しているかもしれませんが、レンズの写りの良さでは、Fujifilm ClasseやNaturaといった2000年代の中古コンパクトカメラに伍して活躍してくれることでしょう。

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ズーム系・その他BiG mini 各機種解説

では続いて、ズームレンズ搭載モデルや防水モデルについて見ていきましょう。

BiG mini ZOOM BM-310Z(1991年)

noimage

※画像なし、ズーム系BiG miniの外観については下記のBM-510Zの画像を参考にしてください。

レンズ Konica Lens 35mm F3.6 – 70mm F6.8(7群7枚)
マルチコートフィルター内蔵
最短撮影距離 1m
マクロモードでは0.6m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.3秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR-P2リチウム電池 x1

1990年代という時代を象徴する、ズームレンズ内臓のコンパクトカメラです。
望遠側のF6.8は少々暗いですが、広角側F3.5は悪くはない明るさです。

ズームレンズということもあり、マクロ撮影は切替式。
電池は単焦点モデルの3V電池ではなく、6Vのリチウム電池になっています。

中古フィルムカメラならではの1990年代ふうのクラシカルな描写を、存分に楽しむことができるでしょう。

Ai BiG mini ZOOM BM-410Z(1992年)

レンズ Konica Lens 35mm F3.6 – 70mm F6.8(7群7枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 1m
マクロモードでは0.6m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.3秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR-P2リチウム電池 x1

ズーム系BiG miniの2機種目。
特筆すべきことのない、至って普通のズームコンパクトです。

唯一、フラッシュの連射ができる「チャイルドフラッシュモード」が搭載されていることだけが違います。
(子供を撮影するときにシャッターチャンスを逃さないための機能)

特徴がないことが特徴。
1990年代の普段着の写真文化を楽しめる機種だといえるかもしれません。

BiG mini ZOOM BM-510Z

BiG mini ZOOM BM-510Z

ズーム系BiG miniのひとつ。

ズームレンズを生かした1990年代風のクラシカルな写真を楽しめる一台です。

BiG mini NEO(1993年)

BiG mini NEO

レンズ Konica Lens 35mm F3.9 – 70mm F7.4(5群6枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 0.6m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 4.5秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

ズームレンズ搭載ながら、単焦点モデル同様のシンプルなデザインに回帰したモデルです。

各部に技術の進歩が感じられる内容となっており、電源がそれまでの6V電池から3VのCR123A(単焦点モデルと同様)に変更
接写もとくにモード変更なしにできるようになりました

レンズの構成枚数が変更されており描写も異なります。

BiG mini NEO

Konica MERMAID / WATERPROOF BiG mini(1993年)

noimage

レンズ Konica Lens 35mm F3.5(6群6枚)
最短撮影距離 0.35m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 7.5秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

水深5mまでの使用に対応した防水モデル。
裏蓋が二重の防水構造となった本格派です。

水中では水中撮影モードに切り替え、AFは作動せず固定焦点(フォーカスフリー)となります。

もちろん地上では通常のコンパクトカメラとして使用可能。

Konica BIG MINI STANDA(1995年)

noimage

レンズ Konica Lens 28mm F3.5 – 70mm F8.4(5群6枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 0.6m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.5秒〜1/360秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
電池 CR123Aリチウム電池(Amazon)x1

他のBiG miniとはうってかわって、前方に開くカバーを採用したモデル。

CONTAX TやCONTAX TVS III、リコーFF-1などマニアに人気の機種を彷彿とさせる構造には、じつは採用した意図がありました。

それが「三脚内蔵」というコンセプト。
名称のSTANDAにも表れています。

前面のカバーを下部まで下げて、底部に内蔵されている脚を引き出すことで、3本の脚で自立するのです。
コンパクトカメラがコモディティ化する1990年代、アイデアをひねり出した苦労がしのばれる機種だといえます。

性能面では広角側が28mmになったのがうれしいところ。
ただし望遠側はF8.4と、相当暗いレンズになってしまっています。

BiG mini NOU(1995年)

noimage

レンズ Konica Lens 38mm F3.6 – 135mm F9.8(9群10枚)
スカイライトフィルター内蔵
最短撮影距離 0.8m
AF方式 赤外線アクティブ方式
シャッター 3.2秒〜1/280秒(絞り羽根兼用)
撮影モード プログラムAEのみ
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異形のBiG mini。
高機能コンパクトで有名な「コニカ アイボーグ」のコンセプトを受け継いだ機種です。
BiG miniを名乗っていますが外観デザインは別物。

スペック上は望遠側135mmのレンズが目を引きますが、開放F値はなんとF9.8
当時、カメラについて詳しくないユーザー向けに、コンパクトカメラに望遠レンズを搭載することが流行しましたが、内実はこのような実用上厳しいスペックのものでしかありませんでした。

広角側は実用的ですが、もし望遠を使いたい場合には、高感度フィルムを入れて、手ブレには気をつけましょう。

一応、望遠時にもフラッシュが届くようフラッシュを大光量とするなどの配慮は行われています。

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(番外)Konica K-miniシリーズ

BiG miniシリーズではありませんが、関連機種としてKonica K-miniというフィルムカメラもありました。

K-mini(1995年)

K-miniは、自動巻き上げ・巻き戻しながらオートフォーカスではなく固定焦点の機種。
発売は1995年[1]「K-miniシリーズ | コニカミノルタ製品アフターサービス – 株式会社ケンコー・トキナー」(2022年9月26日閲覧)

外観はBiG miniシリーズにかなり寄せられていますが、機能面では簡略化されています。

ただし固定焦点といっても28mm F6.7、3群3枚のレンズを備えている[2]「Konica K-mini 使用説明書」 ケンコー・トキナー公式Webサイトに掲載のpdfファイルよりため、写ルンですや撮りっきりコニカのようなレンズ付きフィルムよりもずっと良好な写真を撮ることが可能です。

K-mini SUPER(2002年)

K-miniの後継機が2002年発売[3]「K-miniシリーズ | コニカミノルタ製品アフターサービス – 株式会社ケンコー・トキナー」(2022年9月26日閲覧)K-mini SUPERです。

外観が角張ったものとなり、スライド式のレンズバリアを備えるようになりました。
ただ、レンズは28mm F8.0 2群2枚とスペックダウンされてしまいました[4]「Konica K-mini SUPER 使用説明書」 ケンコー・トキナー公式Webサイトに掲載のpdfファイルより

APS系BiG miniシリーズについて

Konica BiG miniシリーズには35mmフィルムだけでなく、APSフィルムを使用する機種もありました。

1999年4月時点のコニカ公式Webサイトのアーカイブを見ると、以下の2機種が掲載されています。

この節の参考文献:「コニカのご案内」(Wayback Machineによる1999年4月30日時点のアーカイブ)

Konic SUPER Big Mini BM-S100

28mmレンズを搭載、金属外装を採用したオートフォーカス機。

Konica SUPER Big mini ZOOM BM-S630Z

単焦点レンズの上記機種に対し、こちらはズームレンズを搭載。
30mm – 60mmの2倍ズームを内蔵しています。

(番外)Konica S mini

BiG miniの下位機種にあたる固定焦点機です。

解説文には「3種類のプリントタイプの選択も可能」とあるため、廉価機種ながらAPSフィルムの焼き込み時、APS-H、APS-C、APS-Pのサイズ切り替えには対応しているようです。
(ただし、APSフィルムは基本的にAPS-Hで焼き込まれプリント時にサイズを選択する仕様のため、特別な機構が入っているかどうかは不明)

※それぞれ外観については上記参考Webサイトをご覧ください。

Konica BiG mini 中古購入時の注意点

中古自体は潤沢にあるBiG miniですが、有名な「持病」が発生してジャンクになっているものが非常に多いので注意しましょう。

裏蓋フレキケーブルの断線

中古のKonica BiG miniの持病。
それが、裏蓋と本体を結ぶ、オレンジ色のフレキケーブルの断線です。

BiG miniの裏蓋ヒンジ部分をよく見ると、オレンジ色の平べったいケーブルが通っています。

このケーブルは裏蓋を開閉するのに追従して曲がるようになっているのですが、なんども開閉を繰り返していると、なんと、折れて断線してしまうのです。

BiG miniのフレキ折れ

BiG miniは裏蓋に操作スイッチがあるので、こうなると撮影はできても、ストロボのON-OFFをはじめとする操作が不能となってしまいます。

初代BiG mini
フレキが切れると背面の液晶が表示されなくなる

構造上、修理も困難です。

これからBiG miniを中古で買う場合、フレキの断線を真っ先に確認しましょう。
また、いま持っているBiG miniのフレキが健在なのはとても幸運なこと。
大切に使いましょう。

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シンプルでよく写る中古コンパクトカメラ

このように、Konica BiG miniは、当たり前の機能を当たり前に搭載したコンパクトカメラです。

とくに単焦点レンズ搭載のモデルは、フィルムならではの豊穣な描写で、軽快に景色を切り取ってくれますよ。

フレキの持病が残念ではありますが、まだまだ実用できる個体は残っています。
ぜひあなたの気軽な相棒に探してみてはいかがでしょうか?

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更新履歴

2022年9月26日

K-miniシリーズ、APS系BiG miniシリーズについて追記。
参考文献を明記。

著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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