[フィルムカメラぶらり撮影散歩10] MINOLTA TC-1はあなたをスナップ写真の世界に導いてくれる1台になる
こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。今回は久しぶりのフィルムカメラ紹介です。
僕はフィルム愛好家です。だけど、ミラーレス一眼にオールドレンズを装着しての撮影が便利だからか、このご時世のせいなのか、フィルムカメラでの撮影が減っていました。
でも、撮ってみるとフィルムカメラはやっぱり面白い。描写が別物ですよね。現像を待つ時間もドキドキ。
フィルムの楽しさをすっかり堪能しました。
前置きはそれくらいで。今回作例をご紹介する中古フィルムカメラはMINOLTA(ミノルタ)TC-1です。
結論は、「めっちゃいぃーーコンパクトカメラです!」。
ほら。なんかこの雰囲気。めっちゃ良くないですか?
デジタルでは撮れない味が出まくっています。
フィルムカメラにはそれなりに精通しているつもりなんですが、まだこんな欲しくなる子がいたとは。
目次
2023年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ、迷ったらこの一台!
価格と性能のバランスが取れた名機です!
どこでも持ち歩ける相棒です。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1の魅力
まずはMINOLTA(ミノルタ)TC-1の簡単な紹介です。
MINOLTA(ミノルタ)TC-1とは
MINOLTA(ミノルタ)TC-1は日本のミノルタの高級コンパクトカメラ。
まず、何より驚きなのはコンパクトさ。そして軽さです。これまで使った35mm使用のフィルムカメラの中で一番!
横幅は119mm、高さは66mm、奥行きは33mm。
さらに驚きなのがこのサイズでオートフォーカスであること。さらにさらに、精度も良くて解像度も素晴らしいのです。
廃盤後も人気なNATURA CLASSICA(ナチュラクラシカ)より優れてる気も。そこはレンズの違いもありますが、NATURA CLASSICA(ナチュラクラシカ)はもっと柔らかい描写でしたね。
NATURAシリーズも価格が上昇しているので、相対的にTC-1のような高級コンパクトカメラはお買い得になっているともいえるかもしれません。
最小の絞り値は、F3.5。最速のシャッタースピードは1/750。絞り優先モードでの撮影なので、使い勝手に困ることはありませんね。
気ままに、思いつくままにシャッターを切ることができるコンパクトフィルムカメラです。
スペックの詳細はこちら
MINOLTA(ミノルタ) TC-1作例
それでは、MINOLTA(ミノルタ)TC-1で撮影した作例の紹介です。
今回は2種類のカラーネガフィルムで作例を撮影しました。
Lomography Color Negative 400で撮影した作例
まずはLomographyのカラーネガフィルムで撮影した作例です。
発色が個性的なフィルム。少しザラつきは目立つものの、赤や黄色の色かぶりも少なく描写は柔らかいです。
安定感には欠けるものの、価格が安くてフィルムらしさもあるので初心者の方にもおすすめ。
まずは絞ってF8の描写から。この作例、手前から奥までなかなかのカリカリ感ではないでしょうか?
バス停に娘を座らせて撮影(笑)。フィルムらしさも損なわれず、描写力が高いのが分かりますね。
レンズは、G-ROKKOR 28mm F3.5です。ロッコールといえば、オールドレンズ探訪記でも使ったことがあります。
その時は、癖が強くて安定感がないと思いましたが、そちらは製造が70年前。とうことで名前はロッコールでもまた今回のレンズとは別物ですね。
F5.6で撮影した作例。焦点距離が28mmなのでやや広角。写真に奥行きが出ますね。
だけどボケ具合でいうと、物足りないかもしれません。むしろ、そこを期待して使うレンズではなく、スナップ向きなカメラになりますね。
この作例もお気に入りの一枚。最近、登山を趣味にしている方が増えた気がしますが、軽量で描写力が高く、広角レンズ搭載のMINOLTA(ミノルタ) TC-1なんて打って付けではないでしょうか。
F3.5の開放で撮影の作例。かなり羊に寄って撮影しましたが、背景の子供もしっかり写っていますね。
ボケ具合でいうとこんな感じ。28mmということもあり、少し暗い時間帯、光が足りないなって時に使う程度で、背景をボカす為のF3.5ではないですね。
ということで、今回の作例は基本的にスナップ的な撮り方をしていました。
使い方は人それぞれではありますが、カバンやポケットにいれておける軽さとサイズなので、いつも持ち歩いて、ステキ探しをして、感性を養うのにもオススメですね。
コントラストも高く、明暗差もハッキリします。ゆるゆるの眠たい写真にはなりませんが、使うフィルムによっては黒つぶれや白飛びはするかもしれません。
「MINOLTA TC-1」はオートフォーカスの精度も高いので、フィルムカメラを使ったことがない方にもオススメのカメラです。
現代のデジタルの描写のような繊細さこそありませんが、どことなく物語チックにもなります。
見た瞬間に、心が「あぁーー」ってなるんです(笑)。
FUJIFILM SUPERIA X-TRA 400で撮影した作例
続いてはFUJIFILM(富士フイルム)のカラーネガフィルムで撮影した作例です。
癖がないので使いやすいド定番フィルムですね。粒子も細かく、どのフィルム買えばがいいだろーと迷った時にも最適です。って、すでに生産終了品なので、実際に使ったのは少し期限が切れた状態です。
※新品のISO400では以下のものがおすすめです。
富士フィルムは2,3年の期限切れくらいなら、遜色なく使えますけどね。
こちらの作例はF3.5で撮影していますが、まー何度も言うようにボケボケ写真を撮ることはできませんね。これでいいんですが。
ちなみに、同じ場所から、「SONY α7(ミラーレス一眼)」+「CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ」で撮った一枚がこちら。
描写力とボケはかなり増しますが、写真自体は薄味になったような印象です。
どっちが好き?と聞かれるとどっちも好き(笑)。ってことで、理想はどっちでも撮る、ですね。
車の中から撮影。
この作例が最短撮影距離の45cmです。
このような細かい雨の水滴だとオートフォーカスの精度はやや落ちますが、マニュアルモードに切り替えることもできます。
何度かオートフォーカスで試してみてダメなら、マニュアルを使う方が良いでしょう。
*ファインダーを覗くとピントの合っている距離が確認できます(ファインダーの下部分)。左が最短距離で、右が∞(無限大)になっています。
色も鮮やかですね。これといった欠点は見つからないフィルムカメラでした。
気が向くまま、カバンやポケットから取り出してサッと撮れるのは魅力ですね。
周辺光量落ちはありますが、広角なわりには控えめといった感じ。
桜の作例はなんだか懐かしい雰囲気。
それにしても、フィルムと桜の相性は抜群ですね。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1は素晴らしい描写とコンパクトさを兼ね備えたフィルムカメラ
これまでのコラムの作例でもコンパクトカメラは使ってきましたが、持ち運びも含めた使いやすさは一番です。
露出補正の機能はありませんが、感度設定ができるのでISO400のフィルムで明るく撮りたい時は、ISO200やISO100に設定して撮っていました。
電源をONにすると、レンズが出てくるので、レンズ部分にある絞り値を設定して撮影するだけ。
スナップ的に撮るなら、F5.6やF8。僕は絞り値はあまり変えずに撮っていたので、本当に電源ONしてパシャでした。
このシンプルさはやっぱりいいですね!
価格は10万円前後と、全然かわいくないですが。。
そしてやっぱりこの描写力。ピントを外すこともありませんでした。
フィルムの装填から巻き戻しまで自動なので、気軽にフィルムカメラを楽しんで頂けることは間違いありませんね。
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MINOLTA(ミノルタ) TC-1 簡単な解説
ここからは、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフがMINOLTA(ミノルタ) TC-1について簡単に解説します。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1
形式 | 高級コンパクトカメラ |
シャッター | 8秒〜1/750秒 電子式 レンズシャッター |
レンズ | 固定式 G-ROKKOR 28mm F3.5 |
露出計 | 中央重点測光 スポット測光 |
AE | 絞り優先AE |
使用電池 | CR123Aリチウム電池x1 |
発売年 | 1996年 |
新品時価格 | 約148,000円 |
中古価格 | 約100,000円 |
参考資料:ミノルタ公式Webサイトより「製品一覧/カメラ光学機器」Waybach Machineより2000年11月9日時点のアーカイブ
MINOLTA(ミノルタ) TC-1は、日本のミノルタが発売した高級コンパクトカメラ。
1996年発売と、いわゆる高級コンパクトカメラのなかでは比較的後発です。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1の大きな特徴は2つ。
小さいことと、レンズの性能が良いことです。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1はとても小さいカメラ
雨樹さんも触れているように、MINOLTA(ミノルタ) TC-1はとても小さいフィルムカメラです。
というより、さまざまなコンパクトカメラの中でも最小の部類です。
外装はチタンですが、単に高級感だけを狙ってチタン外装にしたわけではありません。
たとえば裏蓋などは、折れてしまうのではと心配になるくらいの薄さ。
チタンを採用したカメラならではの、徹底した小型化のための設計です。
秀逸な描写のG-ROKKORレンズ
そして、MINOLTA(ミノルタ) TC-1には非常に高性能なレンズが搭載されています。
それがG-ROKKOR 28mm F3.5。
今回の作例でもその描写を余すところなくお伝えできたかと思いますが、フィルムカメラ、コンパクトカメラというものが爛熟を迎えた1990年代にあって、とくに写りの良さから評価の高いレンズなのです。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1では四角い鏡筒の沈胴レンズ、かつ絞り優先AEでの使用となりましたが、このレンズはL39マウント(ライカスクリューマウント)の単体レンズとしても限定で販売されました。
その評価のほどがうかがえます。
ミノルタのこだわりが伝わってくるカメラ
そのほかにも、設定に合わせてファインダー内で指針が機械的に動いたり、レンズが飛び出たり沈んだりするのに合わせてフィルム室の植毛紙が貼られた板が動いたりと、とにかくギミック満載です。
高級コンパクトカメラの例に違わず、中古価格は比較的高めで推移しています。
ですが価格に違わない描写を堪能できるのは間違いありません。
電気で動く、かつとても複雑な構造のカメラなので、少し価格が高くても保証つき、かつ状態がしっかりとチェックされた中古を購入したいのはもちろんです。
高級コンパクトカメラというとCONTAX T2やT3といったツァイスレンズつきのものが取り沙汰されますが、ツァイスだけが高級コンパクトではありません。
日本にかつて存在した、ロッコールという名前の名レンズ。
フィルムカメラを熟知したミノルタのこだわりが生み出した伝説の名機。
ぜひあなたもMINOLTA(ミノルタ) TC-1を中古で手に入れて使ってみませんか?
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MINOLTA(ミノルタ) TC-1 まとめ
今回はMINOLTA(ミノルタ) TC-1で撮影した作例と、簡単な解説をお届けしました。
この部分を加筆しているサンライズカメラ スタッフの私見としては、TC-1、CONTAX T2やT3よりも好きです。
同じ価格の中古ならCONTAX T2よりMINOLTA TC-1が欲しくなります。
とにかく写りもいいし、なによりカメラ全体の、電気とメカが組み合わさったギミックが触っていてたまりません。
1990年代のフィルムカメラがどれくらいのレベルに達していたのかを体感できる。
MINOLTA(ミノルタ) TC-1は、そんな中古フィルムカメラかもしれません。
フィルムカメラぶらり撮影散歩 次回の記事はこちら
フィルムカメラぶらり撮影散歩、次回はうってかわって大きな中古カメラ。
PENTAX 67と交換レンズの作例をご紹介します。
2010年代後半からとくに人気が高まった中判一眼レフ。
中古価格もうなぎのぼりですが、なかでもとくに人気の高いPENTAX 67は、いったいどんな写りを見せてくれるのでしょうか?
ぜひご覧ください。
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