Konica(コニカ)C35/中古でおすすめの端正なコンパクトフィルムカメラ
コニカC35(Konica C35)は、コンパクトカメラを探しているあなたにぜひおすすめしたい1台。
中古でフィルムカメラを買うときに「カメラらしいカメラ」がほしいなら、コニカC35を選べばきっと満足できるに違いありません。
コニカC35の「C」とは、コンパクト(Compact)のC。
その名の通り、それまでの35mmフィルムカメラにくらべ、ぐっと小型化を実現。
さらに、レンジファインダー内蔵、コニカご自慢のHexanonレンズのキレのある描写と、この1台だけでも中古フィルムカメラの魅力を存分に味わうことができるでしょう。
明るいマットシルバーのボディの質感はとても上質。
モダンで端正なデザインは、1960年代のフィルムカメラのなかでも、もっとも完成度が高い部類に入ります。
お手頃価格のレンジファインダー内蔵コンパクトカメラで、とびっきりの写真を撮ってみませんか?
今回は、中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフがコニカC35シリーズ、とくにフラッシュ内蔵以前の機種について解説します。
目次
2023年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
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写真・動画どちらもハイクオリティ、迷ったらこの一台!
価格と性能のバランスが取れた名機です!
どこでも持ち歩ける相棒です。
コニカC35
まず最初に、コニカC35(Konica C35)の特徴について見ていきましょう。
中古のコンパクトカメラのなかでもとくに評価が高い名機は、いったいどんなフィルムカメラなのでしょうか?
コニカC35の特徴・スペック
形式 | 35mmコンパクトカメラ |
シャッター | レンズシャッター B、1/30秒〜1/650秒 |
レンズ | Hexanon 38mm F2.8(3群4枚) |
露出計 | 外部測光 |
AE | プログラムAE (バルブ撮影のみマニュアル可) |
ファインダー | 採光式ブライトフレーム |
フォーカス | レンジファインダー |
電池 | MR44水銀電池x1 ※LR44(Amazon)・SR44(Amazon)で代替可能ですが露出補正が必要 |
発売年 | 1968年 |
コニカC35は、1960〜1970年代に一世を風靡した、レンジファインダー内蔵のコンパクトフィルムカメラのなかでも、名機中の名機であるといえるでしょう。
愛称は「ジャーニーコニカ」。
ジャーニー(Journy)という言葉からもわかるように、旅行に気軽に持っていけるコンパクトカメラ、をコンセプトとしていました。
それまでの国産35mmフィルムカメラに比べて大幅な小型化を実現。
Compactを表すカメラ名の「C」と合わせて、取り回しのよい、軽くて小さいカメラへのコニカの自信のほどがうかがえます。
実際、このコニカC35の登場を境に、日本国内の他のカメラメーカーも、同様のコンセプトのコンパクトカメラを送り出すようになりました。
そのようなC35フォロワーのフィルムカメラのなかでも、C35の完成度は抜群。
端正な見た目もあいまって、この年代のコンパクトフィルムカメラのなかでも、中古でフィルムカメラを手に入れたい方への人気もとても高いです。
小さくてもレンジファインダー搭載
コニカC35は、レンジファインダー(連動距離計)を内蔵したカメラ。
38mm F2.8のレンズには必要十分な基線長をもつレンジファインダーで、ぴったりとピントの合った写真を撮ることができますよ。
筆者も初代C35を使っていたことがありますが、ファインダーはとても見やすく、距離計の二重像(ピントをあわせるために使う、ファインダー内の着色された部分)の見えもとても良好。
ライカやCanonといったレンズ交換式レンジファインダーカメラは中古でそれなりの値段がしてしまうので、手軽にレンジファインダー内蔵のフィルムカメラがほしい場合にもおすすめできます。
本格的な採光式ファインダー
また、コニカC35はファインダーも本格的。
レンズの上に白いスリガラスの部分がありますが、ここから光を取り込んで、ファインダー内の枠を明るく照らしているのです。
この「採光式ブライトフレーム」の見えの良さも、快適な撮影に寄与しています。
シャッターはプログラムAE
露出の制御はプログラムAEです。
シャッター速度と絞りの知識がなくても撮影できるので、初めて中古フィルムカメラを使うという方にも最適。
日中の撮影なら、基本的に最適な露出(写真の明るさ)で写真を撮ることができますよ。
なお、レンズにあるリングを「B」に合わせることで、バルブ(シャッターを開放する)も可能。
慣れてきたら、三脚に取り付けて暗い場所を撮影することも可能です。
コニカが誇るヘキサノンレンズ
コニカC35が装着しているレンズは、ヘキサノン(Hexanon)の38mm F2.8。
レンズ構成自体は3群4枚というとてもオーソドックスなものですが、名玉のほまれ高いヘキサノンだけあって、C35の写りは抜群です。
本来は家族写真や旅行の記念写真向けだったコニカC35が、中古フィルムカメラ愛好家にも定評があるのは、このヘキサノンレンズの描写力あってこそ。
筆者がC35を使っていたときにも、その鮮やかな色乗りには息をのみました。
コンパクトフィルムカメラの名玉の代表格、Hexanon 38mm F2.8。
デジタルカメラでは実現できない、詩情あふれる写真を撮ることが可能です。
デザインは「カメラらしいカメラ」
コニカC35は、その見た目もとても魅力的。
白っぽい梨地仕上げの金属製の外装も、他に似たカメラのないとても上質なものです。
外観はとてもシンプル。
余計な装飾的部品がいっさいなく、モダニズムの極地とでもいえるもの。
もしかすると、見た目だけならローライ35をも凌駕する、デザインセンスあふれたものといえるかもしれません。
四角いボディに丸いレンズという、カメラに最低限必要なデザインだけをブラッシュアップしていったからこそ生まれたボディライン。
直線的なのに、どこかあたたかみを感じる、1960年代カメラデザインの傑作です。
小さなカメラ コニカC35の誕生
それまでの35mm(フルサイズ)フィルムカメラに比べ、大幅なコンパクト化を実現したコニカC35。
背景には、ドイツで生まれた小型カメラの銘機の存在がありました。
35mmフィルムカメラの高機能化とハーフサイズカメラ
1960年代、レンズ固定式の普及カメラには2つの流れがありました。
35mmカメラの巨大化
まず、35mmフルフレーム(フルサイズ)のコンパクトカメラ。
こちらは、露出計の内蔵と、自動露出(AE、当時はEE:Electric Eyeとも呼ばれた)の進歩により、どんどん高機能になっていきました。
コニカC35が登場する直前に売れに売れていた普及カメラの代表格として、ヤシカ エレクトロ35(Yashica Electro 35)が挙げられます。
ヤシカ エレクトロ35はとても頑丈なカメラですが、サイズはとても大きく、当時の一眼レフカメラと大差ないくらいまで肥大化していました。
小型のハーフサイズカメラ
いっぽう、1960年代に流行していたハーフサイズカメラは、それまでのフィルムカメラに比べ、すでに小型化を実現していました。
代表格はやはりオリンパスのペン(PEN)シリーズ。
とくにペンEEシリーズは、セレン光電池による自動露出も内蔵し、簡便かつコンパクトなカメラとして一定の水準を実現していました。
当のコニカ自身も、コニカEYE(Konica EYE)で小さく軽いハーフサイズカメラに一定の成果をみています。
しかし、ハーフサイズカメラが小型化できたのは、画面サイズが35mmフルフレームのフィルムカメラの半分で、内部に余裕があったため。
1960年代中盤まで、35mmフルフレームのカメラは、サイズより機能を重視していたといって、大筋では間違いではないでしょう。
ローライ35の衝撃
そんな中、ドイツから衝撃のカメラが上陸してきました。
中古カメラの名機として名高い、ローライ35(Rollei 35)です。
(1966年発表、1967年発売)
その品質もさることながら、ローライ35が驚きをもって迎えられたのは、「ハーフサイズカメラ並に小さいのに、35mmフルフレーム」ということでした。
この黒船来襲に、日本のカメラメーカーも正面から向き合うこととなります。
ハーフサイズカメラ並に小さいAEコンパクトカメラ
ローライ35の登場に対して、コニカは明確なコンセプトを持って新機種の開発に臨みました。
それが、自社のハーフサイズカメラ、コニカEYEのサイズを目標に35mmフルフレームのコンパクトカメラを作るということ。
生まれたC35は大幅な小型化を実現。
さらに、マニュアル機のローライ35に対し、こちらは初心者でも使いやすいプログラムAE機として大ヒットしたのです。
結果としてその目論見は大成功。
他社にも影響を与え、ミノルタハイマチックシリーズやNew Canonetといった、類似機種が続々と登場するまでに至ったのです。
コンパクトカメラについては、こちらの記事で解説しています。
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コニカC35各機種解説
いわゆる「コニカC35」といわれる機種にはいくつかの種類があります。
ここでは、初代コニカC35と同様の外観を持った初期の機種について解説します。
1.コニカC35(1968年)
この記事で解説した初代機種。
レンズは38mm F2.8です。
2.コニカC35 Flashmatic(1971年)
初代C35に、フラッシュの着脱だけで簡便にフラッシュ撮影ができるFlashmatic機構を組み込んだ機種。
現在使用するうえでは初代と大差ないので、中古購入時にはどちらを選んでも差し支えありません。
3.コニカC35E&L(1971年)
初代C35から連動距離計とセルフタイマーを除いた廉価機種。
ピントは目測となります。
4.コニカC35FD(1973年)
コニカC35シリーズの最上位機種。
レンズはHexanon 38mm F1.8と高級レンズをおごり、露出もシャッター優先AEとなっています。
中古では初代やFlashmaticより高価ですが、レンズの性能は価格差を補ってあまりあるものです。
コニカC35を中古で手に入れたら気をつけたいこと
さて、そんなコニカC35には、中古で購入して使うときに気をつけたいことがあります。
露出計の補正が必要
問題となるのが電池です。
コニカC35に使われているのは、MR44という水銀電池。
水銀電池は環境問題への対応のため、現在では製造が中止されています。
幸い、MR44はサイズが現行品のSR44銀電池やLR44アルカリ電池と同一なので、そのまま使用することが可能。
ただし、MR44は電圧が1.35V、SR44とLR44は1.55Vのため、露出計の精度に誤差が出て、そのままだと露出がアンダーになってしまいます。
このことに対応するため、露出の感度設定を少し低めにする、ということが広く行われています。
具体的には、ISO100のフィルムのときはISO80に設定すると適正となります。
サイズが一回り小さいSR41を変換するアダプターもあり、そちらの場合は電圧が変換されるのでそのまま使用可能です。
その後も続いたC35シリーズ
C35シリーズは1980年代前半まで続き、フィルムカメラの歴史を変えたエポックメイキングな機種も生み出しました。
C35EF(1975年)
C35EFは、世界初のストロボ内蔵カメラ。
愛称はピッカリコニカ。
これにより、誰でも夜間の撮影ができるようになりました。
C35AF(1977年)
画像は2代目のC35AF2
C35AFは、世界初のオートフォーカスカメラ。
愛称はジャスピンコニカ。
これ以降、コンパクトカメラのオートフォーカス化が進んでいくことになります。
KONICA C35の作例
雨樹一期さんの記事から、KONICA C35の作例を一部紹介します!
KONICA C35の作例
KONICA C35 関連記事
こちらの記事でKONICA C35の作例を紹介しています。
ぜひ併せてご覧ください。
コンパクトカメラのなかでも一番のおすすめ機種、コニカC35
端正な見た目のコニカC35シリーズは、これから中古でフィルムカメラを使ってみようという方にも非常におすすめの機種。
絞りやシャッタースピードといった難しい露出はカメラ任せでOK。
そのうえで、レンジファインダーを使ったピント合わせを、見やすいファインダーで楽しむことができますよ。
ヘキサノンレンズの切れ味も抜群。
ぜひ、コニカC35でフィルムカメラを楽しんでみませんか?
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