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コシナ・フォクトレンダーのおすすめ中古レンズ13選 手軽に味わうL・Mマウント

ノクトン50mm F1.5

これからレンジファインダー用レンズを中古で手に入れるなら、ぜひおすすめしたいのが、コシナ・フォクトレンダー(voigtlander)のレンズたち。

ドイツの名門メーカー、フォクトレンダーの名前を受け継いで、日本のカメラメーカー、コシナが製造・販売しているレンズ。
1999年から製造が始まる比較的新しいもののため、描写も非常に現代的。
それでいて、中古カメラファンの「好み」を熟知した設計が行われているため、レンズの味わい深さも抜群です。

LマウントやMマウントのレンズとしては中古価格が安めなものが多いので、レンジファインダーのフィルムカメラを気軽に始めたいというときにもおすすめ。
MFの使用感が良好であることから、ミラーレス一眼にマウントアダプターで取り付けるのも楽しいですよ。

さらに、コシナ・フォクトレンダーのレンズには、レンジファインダー用だけでなく、フィルム一眼レフ用やミラーレス一眼用のラインナップも用意されています。

フィルムカメラからデジタルカメラまで、幅広く楽しむことができる、コシナ・フォクトレンダーのレンズ。

いったい、どのような特徴があるのでしょうか?
中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが徹底解説します!

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コシナ・フォクトレンダーのおすすめ中古レンズ

ドイツの伝統と日本の技術力が融合した、コシナ・フォクトレンダーのレンズたち。

レンジファインダー、一眼レフ、ミラーレスと、ぜひ中古で手に入れて使ってみたいレンズがよりどりみどりです。
まず、コシナ・フォクトレンダーのレンズとはどんなものか解説したいと思います。

コシナ・フォクトレンダーとは

BESSA R

コシナ・フォクトレンダーのレンズは、長野県中野市に本拠を置く光学機器メーカー、コシナが、ドイツの名門ブランド、フォクトレンダー(voigtlander)のブランド名で製造・販売しているレンズのこと。

特徴が、NikonやCanonといった大手メーカーには不可能な、趣味性が非常に高い、味わい深い描写のレンズを生産しているということ。

ライカMマウントやLマウントのレンズ。
フィルム一眼レフカメラ用のオールドレンズを復刻したレンズ。
世界一の明るさを誇るミラーレスカメラ用レンズ。

などなど、このコシナにしか不可能な小回りのきく生産体制で、フィルムカメラファン垂涎の名レンズたちを次々と送り出しているのです。

コシナ・フォクトレンダーレンズ小史

ヘリアー50mm F3.5

なぜ日本のカメラメーカー、コシナがフォクトレンダーと組んでレンズを作ることになったのでしょうか?

コシナはそもそも、日本国内のカメラメーカーの下請けとしてフィルムカメラのボディやレンズを製造していたメーカー
自社でも一眼レフカメラを中心にカメラを製造していましたが、その多くはOEMとして、他のカメラメーカーや商社のブランド名がつけられて販売されていました。

そんな、裏方に徹していたコシナが打って出たのが1999年。
1999年発売のBESSA L、そして2000年のBESSA Rを皮切りに、フィルム一眼レフカメラで培った技術を活かし、レンジファインダーカメラの生産に乗り出したのです。

このときにタッグを組んだのがフォクトレンダー
もともとフォクトレンダーは、18世紀から続くドイツを代表する光学機器メーカーだったのですが、1960年代後半以降、ブランドとしては宙に浮いた状態になってしまっていました。

そこで、確かな技術力を持ち、また伝統のブランドに相応しいレンジファインダーカメラを作ることができるコシナとタッグを組むことを選び、名機であるBESSAシリーズの登場に至ったのです。

BESSA R2

1999年、BESSA Lと前後して、スナップショットスコパー25mm F4、ウルトロン35mm F1.7、スーパーワイドヘリアー15mm F4.5、カラーヘリアー75mm F2.5といったレンズを発売。
それ以降、コシナはフォクトレンダー(voigtlander)ブランドで、LマウントやMマウント、そして一眼レフ用など、各種のマニアックなレンズを製品化していくこととなります。

スナップショットスコパー25mm F4

また、この記事で紹介するフォクトレンダー以外にも、ツァイス銘やトプコン銘といったブランドのレンズも製造・販売されました。

この記事を書いている2017年時点でも、レンジファインダー、一眼レフ用レンズのほか、SONY Eマウントやマイクロフォーサーズマウントといったミラーレス一眼用レンズも加わり、コシナの快進撃は続いています!

コシナ・フォクトレンダーのカメラボディについては以下の記事で紹介しているので、ぜひ合わせて御覧ください。

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コシナ・フォクトレンダーのレンズの種類

さて、それでは具体的に、コシナ・フォクトレンダーが製造・販売しているレンズにはどのような種類があるのでしょうか?

ライカマウントのレンジファインダーカメラ用レンズ

ノクトンクラシック 35mm F1.4

まず、コシナ・フォクトレンダーのレンズのなかでももっとも幅広いラインナップが用意されているのが、レンジファインダーのフィルムカメラ用レンズ

voigtlander BESSAシリーズと組み合わせるのはもちろんのこと、M型ライカやヘキサーRF、ミノルタCLEといったカメラに取り付けても非常に似合います。

採用しているマウントは、Lマウント(L39スクリューマウント)とMマウント(コシナではVMマウントと呼称)が主。
初期はLマウントのレンズが多かったのですが、Mマウント採用のBESSA R2の登場前後から、Mマウントレンズがラインナップの中心となりました。

カラースコパー 35mm F2.5
Lマウント

ノクトンクラシック 35mm F1.4
VMマウント

コシナ・フォクトレンダーではLマウントレンズをMマウントカメラに取り付けるためのマウントアダプターも製造・販売しており、ライカ純正のアダプターよりずっと安価なので、ひとつ持っていると非常に便利ですよ。
(L-Mマウントアダプター購入時にはファインダー枠の対応にだけは気をつけましょう)

また、同様の鏡筒を利用して、ローライ銘やツァイス銘のMマウントレンズも製造されています。

クラシックな雰囲気かつ現代の高品質設計で、物としての魅力と実用性を兼ね備えている逸品だといえるでしょう。

L39マウント・Mマウントのマウントアダプターはこちら

ニコン・コンタックスレンジファインダー用レンズ

カラースコパー35mm F2.5(ニコンS・コンタックス用)
カラースコパー35mm F2.5(ニコンS・コンタックス用)

コシナ・フォクトレンダーでは、ニコンSマウント(Nikon S)のBESSA R2Sとコンタックスマウント(Contax)のBESSA R2Cの発売にともない、それぞれに対応するレンズも販売しました。

ニコンSマウントとコンタックスマウントは形状は似通っているものの微妙に設計数値が異なります。
ただし、広角側は被写界深度に収まるので共用として販売しています。

カラースコパー35mm F2.5(ニコンS・コンタックス用)
ニコンSマウントを採用(このレンズは35mmのためコンタックスマウントでも使用可)

21mm〜35mmまでのレンズは、ニコンS・コンタックス共用としてレンズ名に「SC」が付けられました。

いっぽう、50mmより長い焦点距離のレンズはニコンSのみ対応となり、コンタックス製レンジファインダーでは使用できません。
こちらは名称に「S」がついています。

各種一眼レフカメラ用レンズ

ノクトン 58mm F1.4

コシナ・フォクトレンダーでは、レンジファインダーカメラ用レンズに続き、一眼レフカメラ用のレンズも送り出しました。

フィルムカメラはもちろんのこと、デジタル一眼レフカメラにも対応
基本的にマニュアルフォーカスとなります。

コシナ・フォクトレンダーの一眼レフ用レンズには、SLレンズとSL-IIレンズがあり、前者はCPU非内蔵、後者はCPU内蔵。
SL-IIレンズは近年の各社AFレンズ同様、フラッグシップからエントリー機まで無制限で使用が可能です。

SLレンズはニコンFマウント、キヤノンFDマウント、ペンタックスKマウント、M42スクリューマウント、ミノルタMDマウント、ヤシカ・コンタックスマウント、オリンパスOMマウントと、主なMFのレンズマウントを網羅。

いっぽうでSL-IIレンズは、ニコンFマウント、キヤノンEFマウント、ペンタックスKマウントのみとなりました。

ただし中古で手に入れる場合基本的には、玉数の多い、ニコンFマウント、ペンタックスKマウント、M42スクリューマウントあたりを中心に探すことになるでしょう。

ミラーレス一眼カメラ用レンズ

ノクトン25mm F0.95

2010年代に入り、コシナはミラーレス一眼専用のレンズも送り出すようになりました。

いわゆる中古レンズやオールドレンズとは異なり、基本的に現行品となりますが、レンズ自体の設計は非常に趣味性の高い、味わいを重視したものとなっており、古いレンズさながらの印象深い描写を楽しむことができますよ。

ミラーレス一眼カメラ用レンズは、SONY Eマウント用とマイクロフォーサーズ用を用意。
それぞれにラインナップがまったく異なります。

Eマウント用レンズは、ラインナップ的にはレンジファインダー用のレンズのマウントを変更した色が強いもの。
しかしながら設計は刷新されており、とくに広角レンズで顕著だった、光の入射角の問題で周辺部で画質が低下する問題が解決されています。
フルサイズのミラーレス、すなわちα-7やα-9シリーズでの使用を前提としています。

いっぽう、マイクロフォーサーズマウント用レンズは、「撮像素子の面積が小さい」というマイクロフォーサーズ規格のメリットを最大限に活かしたもの

フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用レンズのラインナップには、なんと開放F値がF0.95のものが存在
いうまでもなく、民生用市販レンズで最高の明るさです。

これまで楽しむのが難しかったF1.0クラスのレンズを手軽に味わえる、貴重な製品であるといえます。

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コシナ・フォクトレンダーのおすすめレンズ紹介

それではここから、コシナ・フォクトレンダー(voigtlander)のぜひ中古で手に入れて使ってみたいおすすめレンズを紹介します!

レンジファインダー、一眼レフ。
そしてミラーレス用。

現代の技術で「味」を追求した趣味性が高いフォクトレンダーの名玉たちなら、手軽に高性能かつ魅力的な描写を楽しむことができますよ。

1:ノクトンクラシック 35mm F1.4(VMマウント)

ノクトンクラシック 35mm F1.4

ノクトンクラシック(Nokton Classic)35mm F1.4は、スペックだけ見れば明るい準広角レンズ。

ですが実は、とある伝説のオールドレンズの設計を強く意識した、中古カメラファンの目を強く意識した製品なのです。

そのレンズとは、ライカMマウントレンズのなかでも伝説の一本として知られる、ズミクロン(Summicron)35mm F2。
6群8枚の、「8枚玉」と通称されるレンズです。

ズミクロン35mm F2 「伝説」のライカMマウントレンズの魅力とは?

このノクトンクラシック 35mm F1.4のレンズ構成を見ると、こちらもまた6群8枚
開放値こそ異なりますが、コシナ自身、意図してこのような設計を行ったことは間違いありません。

事実、コシナ公式サイトでは「クラシックレンズの味わいを最新の光学技術で磨き上げ、現代に蘇らせた」と自称しているのです。

ノクトンクラシック 35mm F1.4

描写についてはクラシックカメラ、中古カメラファンの目を強く意識したもの。
現代レンズは開放からパキッとした描写であることが普通ですが、このレンズは開放のときと絞り込んだときでは「あえて」描写を変えて、オールドレンズさながらの絵作りを楽しめるようになっているのです。

コシナ・フォクトレンダーの趣味的レンズの代表格。
フォクトレンダーのレンズにはこうした「元ネタ」があるのも魅力です。

ノクトンクラシック 35mm F1.4

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2:カラースコパー 35mm F2.5(Lマウント・VMマウント)

カラースコパー 35mm F2.5

カラースコパー(Color-Skopar)35mm F2.5

1999年、コシナがフォクトレンダーと組んでレンジファインダーカメラをラインナップしはじめたときに発売したレンズです。

最初に発売したのはL39スクリューマウントのレンズでしたが、その後Mマウントのレンズも追加。

Lマウントのものは途中でディスコンになってしまいましたが、2017年現在ではマイナーチェンジを重ねながら現行品として販売もされています。

これから中古で手に入れるにあたってのおすすめポイント。
それが、このカラースコパー35mm F2.5は、各種のLマウントやMマウントレンズのなかで最も安価な部類のレンズだということ。

カラースコパー 35mm F2.5

安価なレンジファインダー用レンズとしてはCanon Lマウントの50mm F1.8なども存在しますが、性能面では「現代レンズ」のカラースコパーのほうがずっと上
しかも、鏡筒の設計なども手間がかかっており、物としての魅力も抜群です。

開放値がF2.5と無理がないゆえに、破綻のない描写を味わえます。
35mmという焦点距離が好きな方でしたら、ぜひ一本持っておきたいレンズでしょう。

普段着のレンズ。
それがカラースコパー 35mm F2.5なのです。

カラースコパー 35mm F2.5

3:ノクトン50mm F1.5(Lマウント・VMマウント)

ノクトン50mm F1.5

ノクトン(Nokton)の50mm F1.5、こちらも「元ネタ」のあるレンズです。

このレンズの設計のモデルとなったのが、ドイツの旧フォクトレンダーが1951年に発売した、Lマウントのレンズ。
そのものずばり、ノクトン50mm F1.5です。

旧フォクトレンダーは基本的にはLマウント交換レンズは作らなかったのですが、唯一、このノクトン50mm F1.5だけは少量を生産しました。

そんなレンズをコシナが現代の技術で復刻。
設計については現代の味付けを加え、非常に高性能かつ味わい深いものとなりました。

ノクトン50mm F1.5

ボケ味も色乗りも良い、まさにオールドレンズ的現代レンズです。

このノクトン50mm F1.5は、1999年のLマウント版と2013年のVMマウント版が存在。
前者はコシナ・フォクトレンダーのレンズに共通するデザイン。

ノクトン50mm F1.5
Lマウント版

いっぽう後者のVMマウント版は、外見も旧フォクトレンダーのレンズをそのまま再現したものとなりました。
見た目はオールドレンズそのものなので、M型ライカを始めとする古いレンジファインダーに取り付けても、最高に似合うレンズです!

4:ヘリアー50mm F3.5(Lマウント・VMマウント)

ヘリアー50mm F3.5

ヘリアー(Heliar)50mm F3.5は、旧フォクトレンダーが1900年に生み出した、3群5枚の「ヘリアー」を再現したレンズ。

特徴が、非常にクラシカルな見た目を実現しているということ。

このヘリアー50mm F3.5が最初に送り出されたのは、2001年。
ベッサTと専用外付けファインダーとのセットで、そのものずばり「ヘリアー101周年記念セット」としてでした。

その際のデザインは、まるでライカのエルマーを彷彿とさせる沈胴レンズ
よく見ると現代的デザインで、エルマーとは異なり絞りの操作も上面から見える便利なものに改良されています。

ヘリアー50mm F3.5

こちらはLマウントのレンズです。

その後2016年になり、固定鏡筒に改められた「HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」にリニューアルされます。
こちらのデザインは、クラシカルではありますがコシナのオリジナルのものです。
またマウントもVMマウントとなっています。
デザイン変更は、ミラーレス一眼に取り付けた際に沈胴機構が使えないことを考慮してのことのようです。

もしこれから手に入れるのなら、魅力的なのはやはりエルマーのそっくりさんであるLマウント版のほう。
元々が限定モデルのため中古でしか手に入りませんが、現代的な銀色沈胴レンズとして、非常に貴重な選択肢であるといえます。

同じくシンプルなレンズ構成のテッサーやエルマーと、ぜひ味わいを比較してみませんか?

ヘリアー50mm F3.5

5:カラースコパー 21mm F4(Lマウント・VMマウント)

カラースコパー 21mm F4

カラースコパー(Color Skopar)21mm F4は、このクラスの超広角としては非常に安価に中古で入手できることが魅力のレンズ。

このレンズの特徴は、対称光学系だということ。

カラースコパー 21mm F4

レンズ構成は6群8枚。
レンジファインダーカメラならではの対称光学系の設計を活かして、歪曲収差のない「直線が直線に写る」レンズを実現しました。

いまどきのレンズなら、一眼レフ用のレトロフォーカス用レンズでも歪曲収差くらいは良好に補正されているもの、であるともいえます。

しかしながらこのレンズは、「無理のない設計」で良好な収差補正を実現しているため、サイズも小型で、かつ値段も一眼レフ用高級レンズよりずっと安いのです。

レトロフォーカスレンズのように力技で収差を押さえ込んだのではない、自然な描写の広角レンズ。
カラースコパーで超広角の世界に踏み入れてみませんか?

カラースコパー 21mm F4

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6:スナップショットスコパー25mm F4(Lマウント・VMマウント)

スナップショットスコパー25mm F4

スナップショットスコパー(Snapshot-Skopar)25mm F4は、その名の通り、絞り込んでパンフォーカスとしたストリートスナップを主眼に開発されたレンズ。

上質な描写を実現したうえで、レンズ鏡筒の設計をスナップショットに特化。
「見なくても操作できる」レンズを生み出しました。

ピントリングには1m・1.5m・3mにクリックがあり、被写界深度指標も見やすく配置。
F8に絞り込めばほぼパンフォーカスになるので、ノーファインダーのストリートスナップも自由自在です。

スナップショットスコパー25mm F4

さらに、このレンズは設計を潔く割り切っており、Lマウント版は距離系非連動。
あくまで目測に特化しています。
(VMマウント版は距離系連動します)

スナップショットスコパー25mm F4

もちろんミラーレス一眼にマウントアダプターに取り付けた際には、距離系連動の有無は関係なくなります。

このレンズの25mm F4というスペックは、CanonのLマウントレンズ、25mm F3.5を意識しているのではないでしょうか。

L Canon 25/3.5

Canonのオールドレンズ16選 FDマウント・Lマウントの中古レンズを味わいませんか?

こちらも1950〜60年代にスナップショットに愛用されたレンズです。

7:ウルトラワイドヘリアー12mm F5.6(Lマウント・VMマウント)

ウルトラワイドヘリアー12mm F5.6

ウルトラワイドヘリアー(Ultra Wide-Heliar)12mm F5.6は、フィルムカメラでの使用を前提に開発されたコシナ・フォクトレンダーのレンズのうち、もっとも広いレンズ。

(VMマウントにはヘリアーハイパーワイド10mm F5.6もありますが、こちらは発売が2016年と新しく、ミラーレス一眼での使用を前提にしています)

とにかく最大の特徴が、12mmの超々広角ということ。
異次元の世界を楽しめるレンズです。
ここまで画角が広くなると、肉眼とはまったく異なった、光学機器でしか生み出すことのできない絵が得ることができるようになります。

非球面レンズを使用し、この画角ながらF5.6という明るさを実現しているのもポイントが高いです。

ウルトラワイドヘリアー12mm F5.6

このレンズにはLマウントのI型、VMマウントのII型、そしてミラーレス一眼での使用を前提にテレセントリック性を増したIII型があり、その順に中古価格も高くなっていきます。

とくにLマウント版は、このような超広角レンズとしては値段が非常にリーズナブル。
ここまでの超広角レンズを楽しむ上で、有力な選択肢のひとつとなるでしょう。

ウルトラワイドヘリアー12mm F5.6

8:スーパーワイドヘリアー 15mm F4.5(Lマウント・VMマウント)

スーパーワイドヘリアー 15mm F4.5

12mmのウルトラワイドヘリアーを見てしまうと、このスーパーワイドヘリアー(Super Wide-Heliar)15mm F4.5の存在が霞んでしまう気がしますが、騙されてはいけません。

そもそも、このスーパーワイドヘリアー15mm F4.5だって、充分過ぎる以上の超々広角レンズなのです。

こちらもウルトラワイドヘリアー同様、肉眼を超えた超広角の描写を楽しむことが可能。
さらに、一眼レフよりも広角の設計に自由度が高いレンジファインダーカメラでの使用を前提としているため、レンズ自体も小型かつ、描写はとても自然なものです。

スーパーワイドヘリアー 15mm F4.5

焦点距離の近いレンズとしては、CONTAX G用のホロゴン16mm F8も人気ですが、こちらのスーパーワイドヘリアーのほうが実用的であるといえるでしょう。
Gホロゴンの中古価格は10万円以上が普通。
いっぽうこちらのスーパーワイドヘリアーは、なんと5万円でお釣りが来るのです。

しかもこちらのほうが一段以上明るいのです。

安価に楽しむ超々広角の世界。
「ツァイスではない」以外は完璧過ぎるレンズです。

スーパーワイドヘリアー 15mm F4.5

9:アポランター90mm F3.5(Lマウント)

アポランター90mm F3.5

コシナ・フォクトレンダーの中古レンズのなかでも、望遠系から選ぶならこのレンズは絶対に外せません。

アポランター(APO-LANTHAR)90mm F3.5は、おそらく90mmという焦点距離では世界一と呼べるかもしれない銘レンズ。

その超高画質の描写は、名称にも現れています。
アポランターの「アポ」とは、アポクロマートの略。
アポクロマートとは、色収差をすべて補正したレンズのこと。
このアポランターは、異常分散ガラスを使うことで、完璧な色収差補正を成し遂げたのです。

アポランター90mm F3.5

90mmのポートレートレンズとして、クリアかつボケも非常に美しいという、求められる描写を完璧に満たしているこのレンズ。
類似した焦点距離のレンズの中でも、他のコシナ・フォクトレンダーレンズ同様にとても安価な部類に入るので、高性能レンズを手軽にレンズラインナップに加えることができますよ。

なおこのレンズには、ニコンFマウント、ペンタックスKマウントなどの一眼レフ用も存在しています。

ただ、もしミラーレス一眼で使うならサイズのコンパクトさから、レンジファインダー用を選ぶのがよいでしょう。

アポランター90mm F3.5

10:ノクトン 58mm F1.4(一眼レフ用)

ノクトン 58mm F1.4
初代ノクトン58mm F1.4

コシナ・フォクトレンダーの一眼レフ用レンズ。

なかでもおすすめの逸品が、このノクトン(Nokton)58mm F1.4です。

同じノクトンという名前のレンズはレンジファインダー用にも異なる焦点距離が存在しますが、この58mmという焦点距離は一眼レフ特有のもの。

そう、この58mmというのがまた、オールドレンズファンにとって感涙モノの設定なのです
58mmの標準域レンズというのは、一眼レフカメラの普及初期に、明るい50mmの設計が難しいがゆえに「仕方なく」選ばれた焦点距離
ニッコールやロッコールなど各社に存在しますが、それぞれに、初期の一眼レフ用レンズならではの味のある描写をみせてくれます。

ノクトン 58mm F1.4

このノクトン58mmが意識したのも、そんな初期の一眼レフ用レンズ。
オリジナルの当時物58mmは、ともすれば設計に無理がある描写に難のあるレンズになる危険性をはらんでいましたが、こちらの58mmは、味の面では当時のレンズを連想させる深みをもちつつも、性能面ではしっかり解像し収差も少ないものに仕上げてきています。

実はこのレンズ、登場時はフォクトレンダーのノクトンではありませんでした。
最初に登場したのが、東京光学(トプコン)のオートトプコール(Auto-Topcor)58mm F1.4の復刻版として。
オートトプコールには、FマウントとM42マウント版が存在しました。

オートトプコール 58mm F1.4
オートトプコール 58mm F1.4

その外装とコーティングを変更したのが、初代ノクトン58mm F1.4。
こちらはゴム巻きの、ドイツ製を彷彿とさせる外装です。
Fマウント、キヤノンEFマウント、ペンタックスKマウント用があります。

そしてモデルチェンジにより、オートニッコールそっくりの金属製ピントリングを備えた2代目となりました。
こちらはFマウント用です。

ノクトン58mm F1.4
二代目ノクトン58mm F1.4

しかしこれらのレンズは光学系は全て同一。
コシナの一眼レフ用レンズのなかでも名玉として名高いので、ぜひデジタルで、フィルムで味わい尽くしてみませんか?

ノクトン58mm F1.4

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こちらの記事でNOKTON 58mm F1.4 SL II Nの作例を紹介しています。

【オールドレンズ探訪記】初心者にオススメ!Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL II Nは優等生レンズ

11:ウルトロン40mm F2(一眼レフ用)

ウルトロン40mm F2

ウルトロン(Ultron)40mm F2 アスフェリカルは、フォクトレンダーの一眼レフ用レンズのなかでも小型で扱いやすいもののひとつ。

パンケーキレンズとしては少し厚めですが、コンパクトで取り回しが非常に良好です。

明るさはF2と控えめで、その分描写は無理のないもの。

レンズ構成も5群6枚の変形ガウスタイプと非常にオーソドックス。
それでいて、非球面レンズを使用しており収差は非常に補正されています

ウルトロン40mm F2

それぞれに際立った特徴のあるコシナ・フォクトレンダーのレンズの中で、ともすれば見過ごされてしまいそうなこのレンズ。
一見すると何の変哲もないのに、実はプレミアムな存在なのです。

SLタイプとSL IIタイプがあり、前者は非常に多くのマウントに対応しています。
ぜひ中古で探してみましょう。

ウルトロン40mm F2

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12:カラースコパー20mm F3.5(一眼レフ用)

カラースコパー20mm F3.5

カラースコパー(Color-Skopar)20mm F3.5 アスフェリカルは、コシナ・フォクトレンダーの一眼レフ用超広角レンズ。

特色がなんといっても、超広角にもかかわらず小型のパンケーキレンズであるということです。

明るさはF3.5と控えめですが、画角を考えれば必要十分。
そして、解像力も収差も、このクラスのレンズとしてはとても良好なもの。

カラースコパー20mm F3.5

趣味性とともに、実用の面でもとても有用なレンズだといえるでしょう。

マニュアルフォーカスとはいえ、このクラスの現代的設計の超広角レンズとしてはとても安価に中古で入手可能。
ニコン・キヤノン・ペンタックスのフルサイズ一眼レフで超広角を使うなら、ぜひ検討したい逸品です。

カラースコパー20mm F3.5

13:ノクトン25mm F0.95(マイクロフォーサーズ用)

ノクトン25mm F0.95

さて、うってかわって最後に紹介するのは、マイクロフォーサーズ用のミラーレスレンズです。

オリンパスPENやOM-D、Panasonic製カメラで使用可能なこのレンズ。
ノクトン(Nokton)25mm F0.95は、そのレンズ名が特徴をすべて表しています。

F0.95。
そう、世界一明るい開放値を持ったレンズなのです。

ノクトン25mm F0.95

F0.95というレンズは、民生用としてはCanonがCanon 7とCanon 7s専用に作った50mmが初めての存在となります。

Canon 50mm F0.95
Canon 50mm F0.95

いっぽう近年、ライカもノクチルックス50mm F0.95をラインナップ。

ノクチルックス50mm F0.95
Noctilux 50mm F0.95

しかしそのどちらも中古価格は非常に高く(ライカはとくに高価)、現実的には手に入れるのが難しい、あこがれの存在、まさに高嶺の花でした。

(ちなみに映画用レンズとしては、更に明るいカール・ツァイス プラナー50mm F0.7の存在が知られており、スタンリー・キューブリックが映画「バリー・リンドン」で使ったことで有名です)

ところがコシナは、そんな夢のスペック、開放F0.95を、ミラーレス一眼が出始めの時期、2010年にいきなりラインナップに追加。
なんと新品でも10万円以下、中古なら更に安く入手可能なのです。

ノクトン25mm F0.95

秘密はこのレンズがマイクロフォーサーズ専用ということ。
撮像素子の小さいマイクロフォーサーズゆえに、小さいイメージサークルで設計可能。
そのため35mmフルサイズよりも容易にこの数値を実現できました。

焦点距離は25mmで、35mmフルサイズ換算の場合50mmの標準となります。

極度に明るいレンズということで気になるのがボケ。
焦点距離自体が短いため、35mmの標準ほどには被写界深度が浅くはならず、50mm F2前後のレンズと同等となります。
しかしながら、レンズの明るさが尋常ではないため、普通のレンズでは不可能な、ISOを挙げない開放撮影も可能なのはもちろんです。

開放F0.95、それは中古カメラファンの夢、そしてロマン。
ぜひ一度は使いたいレンズ、「使うことができる」レンズです。

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コシナ・フォクトレンダーの独創的レンズを使ってみませんか?

このように、コシナ・フォクトレンダーのレンズ製品は非常にバリエーション豊か。

とくに、レンジファインダーカメラに強みをもっているため、広角域の充実度はずば抜けています。
また、過去の銘レンズを受け継いだ設計や、焦点距離に対して非常に明るいレンズなど、「面白い」「独特の」製品も数知れません。

レンジファインダー用レンズとしては比較的安価なレンズが多いのもコシナ・フォクトレンダーの魅力。

フィルムカメラのレンジファインダーカメラで入門する方にも。
ミラーレス一眼カメラでマウントアダプターを楽しむ方にも。

写真の楽しみを大きく広げてくれるコシナ・フォクトレンダーのレンズは、ぜひ中古で手に入れて使ってみたい存在です!

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著者紹介: サンライズカメラ

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