Nikon(ニコン)F5/最後のプロ用35mmフィルム一眼レフを今使うこと
Nikon F5。
言わずと知れた、ニコンF一桁のオートフォーカス、フラッグシップ一眼レフです。
デジタル一眼レフの時代になっても、プロ用カメラのシェア争いを繰り広げているNikonとCanon。
フィルムの時代もデジタルの時代も、つねに最新の技術を投入し、プロの期待に応えてきました。
1996年に送り出されたNikon F5は、まさにそのような、Nikonが持てるフィルムカメラの技術をすべて注ぎ込んだカメラ。
そして、実質的にはNikon最後の35mmフィルムフラッグシップ機といって差し支えありません。
重厚長大、プロユースに耐える堅牢さと、数多くのニッコールレンズに対応する拡張性。
デジタルの時代であるいま、中古で安価に手に入れられるNikon F5。
どんな魅力が満ちているのでしょうか。
そして、F5を中古で手に入れることのメリットとは?
目次
Nikon F5とは
NikonのF一桁にして、35mmフィルム一眼レフの決定版であるNikon F5。
まず、このカメラはどんな設計思想で作られているのでしょうか。
Nikon F5の性能・スペック
形式 | 35mmフィルム一眼レフカメラ |
シャッター | B、30秒〜1/8000秒 電子式 縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター |
露出計 | 3D-RGBマルチパターン測光 中央重点測光 スポット測光 |
AE | 絞り優先AE シャッター優先AE プログラムAE |
ファインダー | 交換式 アイレベルファインダー(マルチフォトミックファインダー)装着時: 視野率約100% 倍率約0.75倍 |
レンズマウント | ニコンFマウント(AF接点付き) |
対応レンズ | AFレンズ(D・Gタイプ):全機能使用可能 AFレンズ(D・Gタイプ以外):3D-RGBマルチパターン測光・3D-マルチBL調光以外の機能使用可能 Ai-Pレンズ:3D-RGBマルチパターン測光・3D-マルチBL調光・オートフォーカス以外の機能使用可能 Ai-S、Aiレンズ:Aモード、Mモード使用可能(MF)、露出計は中央重点測光・スポット測光のみ、開放値F5.6以上でフォーカスエイド作動 F3AF用レンズ:Ai-Sレンズに準じる(MF) 非Aiレンズ:サービスセンターにてAi連動爪を可倒式に改造することで絞り込み測光で使用可能 |
連射速度 | CHモード:8駒/秒 CLモード:3駒/秒 CSモード:1駒/秒 |
電池 | 単3アルカリ・リチウム乾電池8本 または専用ニッケル水素電池MN-30 |
発売年 | 1996年 |
プロのための最後のNikon
Nikon Fから現在のD一桁シリーズまで受け継がれている、プロ専用カメラというニコンの血筋。
F一桁シリーズは一眼レフの王様として、いまでも中古フィルムカメラファンに愛し続けられているカメラです。
Nikon F5は、まさにそんなフィルムニコンの血筋を極限まで突き詰めたようなカメラだといえるでしょう。
シャッター速度は当然のように1/8000対応。
プロユースに求められる堅牢性も、15万カットのシャッター耐久性などまさに折り紙つき。
非常に高い耐久性により、中古でも使用に心配はありません。
現在では中古でしか手に入らないNikon F5ですが、動作については基本的に安心して使用することができるでしょう。
このNikon F5は、実質的に最後の35mmフィルムフラッグシップ機だといえます。
その理由は、次代のNikon F6が登場する2004年頃にはすでに、プロ用機材のデジタル化の流れが明らかとなっていたため。
Canonはスポーツを得意とし、Nikonは報道を得意とするといわれていますが、とくに迅速さが要求される新聞社などの報道の現場では、デジタル一眼レフは歓迎をもって一挙に普及していったのです。
そのため、Nikon F6にはデジタル一眼レフのフラッグシップ機と共通設計部分があるといわれています。
フィルムのために独自に、爛熟した技術を惜しげもなく注ぎ込んだカメラ。
Nikon F5はまさに、プロ専用のフィルム一眼レフそのものなのです。
デジタル一眼レフと同様に使える操作性
現在のデジタル一眼レフでは当たり前になっている前後のコマンドダイヤル。
Nikon F5は、基本的に現行のNikonデジタル一眼レフと操作体系が同じため、デジタルに慣れたユーザーの方でも違和感なく使うことが可能です。
初めてフィルムカメラを中古で手に入れたという方でも、使用に困ることはないでしょう。
電子化されたAFカメラの黎明期、各カメラメーカーは電子カメラならではの操作性をもとめて、さまざまな試行錯誤を行っていました。
プッシュボタンを採用したり、機械式一眼レフと同じ位置にダイヤルを置いたりと、いくつもの方法を試した末に普及したのが、ボディの前後にあるコマンドダイヤル。
そう、Nikon F5の操作体系は1990年代にしてすでに完成されたものだったのです。
電子カメラではありますが、信頼性が非常に高いため中古でもコマンドダイヤルの状態には心配はありません。
使いやすさの面でも、中古フィルムカメラを選ぶときの有力な選択肢たりうるといえるでしょう。
Nikon F5でフィルムを便利に使う
Nikon F5はフィルムカメラが完全に成熟した時期のカメラだけあって、3D-RGBマルチパターン測光を用いた露出の正確さ、フィルムの平面性など、最高の画像を得るための技術のすべてを満たしています。
それだけに留まらず、撮影したあとの利便性に気を配っているのもNikon F5の魅力。
具体的には、コマ間への撮影データ写し込み機能で、デジタル一眼レフにひけをとらない一覧性を実現します。
それ以前の時代の中古カメラにはない、90年代後半のカメラならではの便利な機能だといえるでしょう。
また、コマ送りは電子的に行っているため、古い機械式中古カメラにありがちな、コマ間のばらつきなどは、当然ながら一切ありえません。
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いま、Nikon F5を使うなら
では、デジタル一眼レフ全盛の時代に中古のNikon F5を使う意味とは。
そして、デジタルとは一味違うおすすめの撮影方法とはどんなものなのでしょうか。
プロの仕事道具という愉悦
Nikon F5をいま中古で手に入れる最大の理由。
それは、プロが使ったのと同じ道具を扱うことの愉悦です。
報道、オリンピック、ネイチャー……。
さまざまな現場で使われたカメラを自身で操る高揚感。
Nikon F100やNikon F6でも同じような楽しみを得ることはできますが、プロという一点において、Nikon F5に比類するものはありません。
そんなカメラでありながら、中古市場での入手性は良好で、中古価格もとても安価になっています。
最高の35mmフィルム一眼レフであなたの身体を拡張する。
電子機器とフィルムのハイブリッドであるNikon F5ならではの体験です。
Nikon F5で手にするカラーポジという宝石
デジタルカメラから写真を始めた方にぜひおすすめしたいのが、カラーポジフィルムで写真を撮ること。
カラーポジとは、スライドプロジェクターで投影して使うためのカラーフィルムのこと。
ネガフィルムでは色彩が反転するのに対して、反転しないカラーポジフィルムでは、現像が終わった状態でそのまま画像を楽しむことが可能です。
もしも初めてポジフィルムを目にしたとしたら、色彩と色の宝石に心を奪われるはず。
空の青、植物の緑、
自然の光が36mm×24mmに閉じ込められたような、手のひらサイズの世界を生み出すことができるのです。
そんなポジフィルムでの撮影をしたいとき、中古のNikon F5はとても力強い武器になってくれるでしょう。
カラーポジでの撮影にNikon F5が最適なのには理由があります。
それは、カラーポジフィルムでは撮影時に完璧な露出が求められること。
カラーポジはラティチュード(露出の許容性)が極度に狭いため、カメラ本体の露出精度は高ければ高いほどよいのです。
その点、プロ用の完璧な露出機能を持ったNikon F5なら不足はまったくないのです。
それ以前の時代の中古カメラに比べ、Nikon F5はフィルムカメラ爛熟期のカメラ。
露出計やAEの信頼性は抜群です。
同様の信頼性があるNikon F6に比べてもF5は中古価格が安いのもポイントです。
ぜひあなたもNikon F5を中古で手に入れて自然の鉛筆が描いた宝石を手に入れてくださいね。
おすすめのポジフィルム
2022年現在手に入るポジフィルム(リバーサルフィルム)としては、以下のものがおすすめです!
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プロの道具をあなたの側に
ぜひ中古で手に入れて使ってみたいプロ用カメラ。
それがNikon F5です。
Nikonならではの堅牢性、そしてプロが生んだ伝説。
フィルムカメラが完成した時代に送り出されたNikon F5は、完璧といって間違いのないカメラです。
電子と機械と化学のハイブリッドを愛でることも、35mmフィルムでの作品制作の第一線で扱うことも自由自在。
中古の玉数も多く、いまなら状態がよい個体がすぐに手に入ります。
プロのためのカメラ、Nikon F5を、ぜひあなたの側に置いてみませんか?
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