こんにちは、雨樹一期（あまきいちご）です。オールドレンズ探訪記と題しまして、さまざまなレンズのミラーレス一眼カメラでの作例をご紹介していくコーナー。

今回はこれまでと趣向を変えて、Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHです。
「オールドレンズ」と銘打った当コーナーですが、今回のSUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHは現行品として販売されているレンズです。

オールドレンズ探訪記では、これまでにライカMマウントの中古レンズとしてLeica ELMAR-M 50mm F2.8もご紹介したことがあります。
結論からいうと、以前のELMAR-M 50mm F2.8よりも、今回のLeica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHの方が好きでした。

ものすごいレンズです。

今回も作例は盛りだくさんとなっています。

【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】

使い勝手のいい標準レンズ！Nikon Ai AF NIKKOR 35-70mm F2.8D（作例あり）【オールドレンズ探訪記】

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Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHについて

 

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHは、焦点距離が28mmと、ちょっと中途半端。
いまとなっては広角レンズのなかでもそこまで広くない印象の焦点距離ですね。

でも、このちょい広角は意外と使いやすいんですよね。歪みも少なく、たいていのものは写し込めます。
個人的には標準の50mmって、スナップだと意外と使いづらいシーンはあるので40mmくらいが好き。35mmにするくらいなら、28mmの広角感をもっと楽しみたいです。

 

 

ミラーレス一眼カメラに取り付けるためのマウントアダプターはLeica Mマウント用です。

描写がキレッキレのキレキレ！ライカを愛するユーザーが数多くいるのも頷けますね。
次回、連載予定の「TAMRON  SP 90mm F2.5 MACRO」と、「Leica SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH（ズミクロン）」を持って撮影に出かけたのですが、TAMRONからLeicaにレンズを変えた途端にそのキレの歴然たる差に唸っちゃいました。

「なんだこれは？」と。

オールドレンズとか、中古レンズとか、デジタル専用のレンズだとか、そういう世界ではないんですね。

これまでに使った他の中古オールドレンズと比べて、明らかに別次元の描写。
そして検索して中古価格を知って（50万円以上の価格で販売されているショップがズラリ！！）、手が震えました（笑）。
こちらでの連載コラム用にお借りしているものなので、生卵を扱うように大切に大切に、ドキドキしながら白目をむきながら撮影しました（白目はあかんやろ）。

とにかく、その破壊力をご覧ください！！

 

Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHの作例

それでは、SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH＋ミラーレス一眼カメラの作例、いってみましょう。
今回もミラーレス一眼カメラのボディは、中古価格がこなれていることも魅力のSONY α7を使用しました。

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHは描写がすさまじいレンズ

 

開放のF2で撮影した作例です。

同じ日に撮影していたTamronの90mm F2.5（52BB）からレンズを変えた1枚目の写真です。

とりあえず、なんとなく撮ってみたのですが、「え？」って感じでした。
もちろん驚きの方のです。

 

 

で、そのまま近くにいた汚いパンダを撮りまくりましたが（笑）、この描写すごくないですか？

 

 

開放のF2からキレキレの描写力。焦点距離が28mmなのでボケ感は強くありませんが、被写体の引き締まり方が半端じゃないです。

 

 

 

最短撮影距離が70cmと、あまり寄れないのが残念ではありますが、ギリギリまで寄って撮るとまずまずのボケですね。

 

 

汚いパンダに娘を乗せて（笑）。

 

 

コントラストの強さや、鮮やかさ。そして締まりの良さが凄いんですよね。
被写体を掴んで離さない。

絞り値別の描写

絞りを変えたときの描写もみてみましょう。

F2で撮影した作例↓

 

F5.6で撮影した作例↓

 

F11で撮影した作例↓

 

絞り値をF2、F5.6、F11と変えて撮影しました。
手前の草が絞る程にハッキリ写り込んでくるのが分かりますね。
一枚目の開放F2の作例、背景はボケていますが、シャープな描写です。

 

 

タンポポにピントを合わせています。細やかな描写力もあり、緑が鮮やかですね。

背景にはパンダ。パンダでどんだけ撮るねんってね（笑）。

 

 

明暗差の強い場所で撮影した作例です。
ハイライト部分はやや飛んでいますが雰囲気はありますね。黒が画像をグッと引き締めています。

 

 

 

少し高い位置から、絞ってF8で撮影。
周辺光量は少し落ちて暗くなって、左下と右下は画像もやや流れ気味。湾曲が強いとは感じません。

（現行品なので当然ですが）オールドレンズって感じはないけど、どことなくノスタルジックですね。

 

 

警戒心が強くて近寄れない猫ちゃん。これに関しては、広角28mmだとちょっと難しいですね。
同時に作例を撮影した、中望遠のTAMRON（タムロン）SP 90mm F2.5 MACROが役に立ちました。

 

 

ネギ坊主。はい、それだけですが。立派すぎて撮っちゃいました。

 

 

この作例なんて、28mmの広角レンズならではの撮り方ですね。

ただ、ライカMマウントということもあり最短撮影距離が70cmというのは使いにくいです。
Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHの唯一の残念な点ですね。

 

撮影Tips「夜景撮影との相性が抜群」

とにかく性能がよいSUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH。
性能を活かすなら、直接入ってくる光の多い夜景撮影が最適なんです。
まずは作例を見てください！
すごいですよ。

工場夜景の作例

 

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHの描写は黒の締まりの良さに強シャープ、キレキレ描写なので、夜景の撮影にも最適です。
てことで、工場夜景の撮影にも使ってみました。絞り値はF8〜16の間で変えています。

 

 

 

 

光源の部分はゴーストが出ていますが、嫌な感じはありませんね。
むしろカッコ良いです。

 

 

車が通り過ぎる瞬間も狙って数枚撮りました。

 

 

こちらの写真。左の煙突をアップで見てみましょう。

 

 

あー、もうカリカリ。凄い。

 

 

同じくこちらの作例も一部分を拡大してみました。

 

 

すんごいなー、ここまで表現されるとは。

 

 

写真だけを並べてばかりですが、もうあれこれ言うよりも写真を見て頂くと分かるかと思います。
とにかくキレ味が凄まじいレンズです。

 

 

モノクロで撮っても格好良いです。

 

 

 

上の2枚の作例は、編集で少し青系にしてみました。この日は曇り空だったので、また違う天気の日にも撮ってみたいです。

 

工場夜景の撮り方

 

工場夜景の撮り方ですが、三脚は必須です。風が強かったり、レンズが重たいと揺れてブレる可能性もあります。

ミラーレス一眼カメラのSONY(ソニー) α7＋Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHの組み合わせだと、そこまで重たくないので問題なかったです。
もちろん、純正のライカMマウントボディとの組み合わせも問題ないでしょう。

今回使用している初代のSONY α7にはボディ側の手ブレ補正はないですが、ミラーレス一眼カメラのボディなら、α7II以降にはボディ側手ブレ補正がついているので、より向いているといえます。

絞り値はF8〜16。感度設定はISO 100〜400。かなり暗い場所なので、F16でISO100だと、シャッタースピードが20秒以上になります。
工場夜景は人気があるので、スポットによっては、人が前を通ることもあるので、シャッタースピードは遅過ぎない方がいいかなという感じ。

もし手持ちの場合は、開放がF2と明るいのを生かしてミラーレス一眼カメラの感度をもっと上げてもよいかもしれません。

とにかく設定のみで、誰でも格好良く撮れます。
あとはレンズの違いですね。望遠レンズでアップで撮るもいいのですが、広角レンズもおすすめ。
Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHは相性が抜群で、格好良い工場夜景写真が撮れました。

 

Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHを使用してみた感想

 

まずは一言「あー、もうえげつないキレ味」

ほんとに、1枚目撮った時に「 えっ!!!」ってなりました。これまで数多くのオールドレンズを使ってきましたが、Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHが1番のキレ味でした。

シャープさ、黒の締まりや、色のノリ、解像度、全てがこのキレ味を演出しています。

 

 

ボケ味に関しては、強くはありません。撮影最短距離の70cmで撮ったとしても、背景になにがあるか分かる程度。
だけど、ボケに滑らかさもあります。地面の部分も見ても分かる通り、少しずつボケていってます。
ボケの段がないんですね。

他のオールドレンズだと、いきなりボケる段があったりします。変な言い方していますが。
これも僕にとってはプラスポイントでした。

 

 

何を撮っても、引き締まった描写。

ライカをこよなく愛する方がいるのはこういうことかと。
今回はSONYのミラーレス一眼カメラで使いましたが、デジタルM型ライカのボディも中古でほしくなりますね（こちらも驚きの価格ですが……）。

本当にすごいレンズでした。
この驚き、作例できっと伝わったかと思います。

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SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH 簡単な解説

ここからは、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが簡単にSUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHについて解説します。

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH

マウント	ライカMマウント
構成	6群9枚
メーカー	ライカカメラAG
新品価格	583,000円

参考：ライカカメラAG公式Webサイトより、ズミクロン M f2.0/28mm ASPH. ブラック

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHはライカ純正の広角レンズ。
ASPHとついていることからもわかるように、構成は6群9枚で、最後部の1枚が非球面レンズとなっています。

近年のライカレンズの例に違わず、描写は非常に良好。
今回の作例からも、そのことは十分に伝わったかと思います。

とくに、雨樹さんがすぐ上に書いたコメント、
「地面の部分も見ても分かる通り、少しずつボケていってます。ボケの段がないんですね。」
ここがポイントです。

なだらかなボケ味というのはよいボケの条件。
このレンズは広角28mmのF2ながら、それを満たしているのです。
広角なのでボケを活かすには難しさもあるですが、ぜひ開放の描写も堪能していただきたいレンズです。

しかもフィルター径は46mmでとてもコンパクト。
新品時の価格こそ高いですが、28mmを愛する方には間違いなくおすすめできるレンズだといえるでしょう。

上掲の新品時価格は現行品のものですが、同じレンズ構成で、2000年登場の前代のものもあります。
中古価格は当然そちらのほうが安い（だいたい10万円くらい価格差があります）ので、中古で買うのもおすすめです。

※ただし、現行品は前代に比べて、デジタルM型ライカやミラーレス一眼カメラなど、デジタルカメラのイメージセンサーを意識したマイナーチェンジが行われているようです。

オールドレンズを楽しむためのミラーレスボディ選び

このシリーズでは基本的にSONYのEマウント機を使用しています。

Eマウントのフルサイズ機でオールドレンズを使うなら――

中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。 新品でより高性能なフルサイズミラーレス機が欲しい方にはSONY α7 IIIやα7 IVがおすすめです。

SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPH まとめ（雨樹）

 

てことで、最後はパンダでお別れ。

単純な描写力が圧倒的。無理やり褒めなくても大丈夫なレンズです。

って、いつも無理やり褒めてるわけではないのですが（笑）、オールドレンズってそれぞれ味があって、マニアックな部分が面白いのですが、Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2.0 ASPHそういう選ぶ方をするレンズでありません。

そもそもが現行品ですし、オールドレンズとして分類されるものではないのですけどね。

とにかくいい。とても素敵なレンズです。てことで、テンションも高めな記事でした。

オールドレンズ探訪記 次回の記事はこちら

次回のオールドレンズ探訪記は、ポートレート用レンズのド定番、Tamronの90mm F2.5！
そのなかからTAMRON（タムロン） SP 90mm F2.5 MACRO 52BB＋ミラーレス一眼カメラの作例をお届けします。

ポートレートマクロというジャンルを築いたタムロンのレンズ、その魅力をいま再び評価します。
タムロンの90mmは中古も豊富、価格も安いので、焦点距離を揃えるのにおすすめの一本です。
人物撮影が大好きな方必見の記事、ぜひご覧ください。

【オールドレンズ探訪記】TAMRON（タムロン）SP 90mm F2.5 MACRO 52BBはゆるふわ系の写真が撮れるレンズ

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