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【2021年版】カメラ用フィルムの選び方とおすすめカラーネガフィルムまとめ

おすすめフィルム

フィルムカメラで撮影するために必要なのが「フィルム」です。
この記事では初心者の方にもおすすめのフィルムの種類と選び方について解説します。

売っている商品や値段など、刻々と移り変わるフィルム事情
ぜひあなたのフィルム選びの参考にしてくださいね!

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初心者の方のためのおすすめフィルムの選び方 2021年版

まず最初に、初心者の方におすすめのフィルムを紹介します!

初心者の方には「カラーネガフィルム」がおすすめ

カラーネガフィルム

はじめてフィルムカメラを使う方におすすめなのは「カラーネガフィルム」です。

カメラ店で「フィルムがほしい」と質問したら、ほぼ間違いなくカラーネガフィルムを勧められるはず。
「フィルム」として売られているものは、とくに意識して探さなければカラーネガフィルムであることが多いので、とくに心配はいりません。

カラーネガフィルムの値段の目安

2021年初頭の現在、カラーネガフィルムの値段の目安は、

「1本 600~1000円」くらいです。

(35mmフィルム、36枚撮りの場合)

数年前までは富士フイルムのフィルムのほうが手頃な値段の印象がありましたが、
最近ではKODAKのフィルムの並行輸入品のほうが安いことが多いです。

では順番におすすめのカラーネガフィルムを見ていきましょう!

Kodak Color Plus 200

Kodak Color Plus 200

値段約700円(36枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

Kodak(コダック)のColor Plus 200は、ISO200という中くらいの感度のカラーネガフィルム。

次に紹介するGOLD200の後継フィルムで、日本国内では並行輸入品がさまざまな場所で購入可能です。

2021年はじめの段階で、もっとも安く購入できるカラーネガフィルムのひとつであることがポイント。
描写ですが、性能的に不足を感じるところはなく、良い意味で「フィルムらしい写り」が味わえますよ。

Kodakのカラーネガフィルムは、そのパッケージの色の通り富士フイルムよりも黄色、オレンジ色といった暖色系に強みがある印象。

2021年、フィルムでたくさん写真を撮りたいとき一番頼りになるカラーネガといえるでしょう!

KODAK GOLD 200

KODAK GOLD 200

値段約700円(36枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

Kodak(コダック)の比較的安い価格帯のカラーネガフィルムです。
日本国内では並行輸入品が安価に購入可能です。

こちらも、どこか懐かしみのあるフィルムらしい写真が撮れますよ。

このGOLD 200は、上で紹介したColor Plus 200へ次第に置き換えられていくようです。
実用する上ではどちらも同じくらいおすすめなので、安く購入できる場合こちらを選ぶのも全然アリだと思います。

【2022年追記】

2022年時点、35mmフィルムもまだ店頭では見かけます。
上記のColorPlus 200と併売されている印象です。

また、下の商品リンクのように120フィルム(中判)でも発売されました。

KODAK ULTRA-MAX 400

値段約900円(24枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

フィルムとしては比較的感度が高めの、ISO400のカラーネガフィルムです。

こちらも描写はKodakらしいもの。
ISO400ということで、もっと低感度のフィルムに比べれば多少粒子が荒い感じがなくはないですが、あくまでも「強いていえば」という程度のもの。
むしろその感じもフィルムらしさにつながるといえるでしょう。

感度が高いので値段も少し高めにつけられていることが多いですが、お店によっては上で紹介したISO200のフィルムとほとんど変わらない値付けのこともあります。

KODAK PORTRAシリーズ(ISO160・400・800)

値段(35mm)ISO160:約9,000円/5本セット
ISO400:約10,500円/5本セット
ISO800:約2,500円/1本
※2021年1月価格改定後の目安
対応カメラISO160:35mm・中判(120)・4×5・8×10
ISO400:35mm・中判(120)・4×5
ISO800:35mm

Kodak(コダック)のPORTRA(ポートラ)は、上で紹介してきたフィルムとは立ち位置が大きく違う「プロ用」カラーネガフィルムです。
多くのプロが愛してきた豊かな階調と色は、あなたの写真にさらに深みを与えてくれるかと思います。

PORTRAシリーズは多くの感度を取り揃えていることもポイント。
高感度で美しい写真を撮りたいときにも、少し値段は高めですが最高の選択肢になるでしょう。

FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400

FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400

値段約950円(27枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400(スペリアプレミアム)は、FUJIFILM(富士フイルム)のカラーネガフィルムです。
並行輸入ではないフィルムとしてはもっとも入手が容易なものかつ、ロングセラーの定評あるフィルムでもあります。
並行輸入品と比べれば1本あたりの値段は少し高いですが、どこでも手に入るという点で初心者にもおすすめできる製品です。

性能についても、(他のフィルムについてもいえることですが)カラーネガフィルムという製品ジャンルが成熟したあとのものなのでまったく不足はありません。

感度が高めで手ブレやピンぼけといったミスを防ぎやすいので、その点でも初心者の方に向いているといえるでしょう。

FUJIFILM FUJICOLOR 100

FUJIFILM FUJICOLOR 100

値段約750円(24枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

FUJIFILM(富士フイルム)のカラーネガフィルムとしては、上で紹介したSUPERIA PREMIUM 400と並んで一般的なものです。
こちらも並行輸入ではない一般流通品で、入手は非常に容易。

他のFUJIFILM製品にもいえますが性能は安定しており、使用にあたってとくに心配する点はありません。

ISO100と、感度が少し低めですが、クラシックなフィルムカメラにはシャッターの最高速度があまり速くないものも多いため、レンズの絞りを開いて背景のボケた写真を撮るときなど非常に有用です。

そのかわり、暗い場所の手ブレには注意が必要です。

FUJIFILM 業務用100(廃版)

FUJIFILM 業務用100

値段約600円(24枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

業務用フィルムとは、本来は写真屋さんが業務で使うための製品。
ですが以前から、小売店で一般のユーザー向けにも広く販売されるようになっていました。

業務用ということで、パッケージは白地のシンプルなものですが、上で紹介したFUJICOLOR 100などに劣らない十分な性能を持っています。

ここ数年、フィルムカメラ愛好家に重宝されたカラーネガフィルムだったのですが、2020年中に出荷が終了しており、2021年初の時点では市場在庫のみとなります。

FUJIFILM C200(廃版)

FUJIFILM C200

値段約600~700円(36枚撮り)
対応カメラ35mmのみ

FUJIFILM(富士フイルム)のC200は、上で紹介したKodakのColor Plus 200やGOLD 200のような並行輸入品のカラーネガフィルム。
こちらも値段が廉価で、FUJIFILM 業務用100と並んでここ数年のフィルムカメラ愛好家を支えてくれた製品です。

業務用100同様、性能面ではまったく不足はありませんが、業務用100同様、こちらも市場在庫のみとなるようです。

FUJIFILM PRO400H(廃版)

PRO400Hは、FUJIFILM(富士フイルム)のプロ用高級カラーネガフィルムです。
同じプロ用カラーネガフィルムでも、KodakのPORTRA(ポートラ)に比べると値段は安め。

昔からフィルムの箱の色は撮れる写真の色を象徴しているといわれますが、PRO400Hはまさに、寒色系の発色に強みを持つフィルム。
どちらかといえば暖色系のイメージの強いKodak PORTRA(ポートラ)と使い分けも可能です。

中判(120)も存在しているので、二眼レフやスプリングカメラ、ハッセルブラッドなどの中判カメラを使う方にとっては重要な存在といえます。

FUJIFILM PRO160NS(廃版)

値段約1800円(36枚撮り)
約5,500円/5本セット(120)
対応カメラ35mm・中判(120)
値段(120)約4,500円/5本セット(120)
対応カメラ中判(120)

FUJIFILM(富士フイルム)のPRO160NSは、2021年時点で中判(120)のみが販売されているカラーネガフィルムです。

中判カメラで比較的低感度のカラーネガフィルムが使いたい場合にはベストな選択といえるでしょう。
性能面ではPRO400Hとならんで精緻な描写をみせてくれます。

新商品のフィルムってどうなの?

カメラメーカーの名前がついたフィルムや、それまで聞いたことがなかったメーカーのフィルムなど、近年カラーネガフィルムの新製品が多く登場しています。

そういった製品は、品質は千差万別。
おすすめフィルムとして紹介した定番品と品質的にはほとんど変わらないものも多いです。

ですが、当店スタッフの意見としては、初心者の方が使うなら、富士フイルムやコダックの定番品のほうが無難かと思います。
理由は、そういった新商品フィルムには、単なる富士フイルムやコダックOEM製品でしかないものや、さらには富士フイルムやコダックの製品を詰め替えたものも多いため。

とくに理由がなければ、名称だけ異なるOEM品よりも富士フイルムやコダックの元の製品を使うほうが、値段も安く性能も安定していておすすめです。

「エフェクトがかかったフィルム」ってどうなの?

エフェクトがかかったフィルム

近年登場したフィルムの新製品には「さまざまなエフェクトがかかっているフィルム」というものが存在します。
こちらも同様にあまりおすすめできません。

エフェクトといっても、「色が変わる」フィルムは単に経年劣化で色が変化してしまっているだけだったりします。
色を変えたり、エフェクトを写真に写り込ませるのは、フィルムをデータ化したあとにスマホでもできます。

せっかくフィルムカメラを使うなら、定番で品質が安定したフィルムを使ったほうがフィルムカメラの魅力をより引き出すことができますよ。

「期限切れフィルム」ってどうなの?

フィルムの期限
↑フィルムの箱には使用期限が書いてある

こちらも近年商品として出回ることが多い期限切れフィルム
期限切れフィルムについては、場合によります

カラーネガフィルムは期限が過ぎてから時間が経てば経つほど性能の劣化が目立つようになります。
10年も経ってしまうと、もうまともな色は期待できないといえるでしょう。

具体的に何年前のフィルムなら大丈夫、ということはできませんが、1~2年過ぎたくらいのフィルムを自己責任で使うぶんには、わかって使うぶんにはOK、といえるかもしれません。

ただし、フィルムは生鮮食品と同じく、新鮮なら新鮮なほど価値がある、という本来の前提だけは覚えておきましょう。

おすすめのポジフィルム(リバーサルフィルム)

リバーサルフィルムとは、撮影したときに色が反転しない状態で写るフィルムのこと。

おすすめのポジフィルムについてはこちらの記事で解説しています。
ぜひご覧ください!

【2021年版】おすすめポジフィルム(リバーサルフィルム)まとめ!宝石のような描写を味わおう

おすすめのモノクロフィルム

モノクロフィルム(白黒フィルム、黒白フィルム)とは、白と黒とのトーンだけで表現をするフィルムのこと。
現像や引き伸ばしプリントが自分でできるのが大きな魅力です※。

モノクロフィルムはさまざまなメーカーの製品がよりどりみどり。
こちらの記事でおすすめの製品を紹介しているのでぜひご覧ください。

【2021年版】おすすめモノクロフィルムまとめ! 白黒写真の特徴と魅力とは?

※カラー暗室も個人レベルで可能ではありますが、スタッフの主観としてモノクロフィルムのほうが敷居が低いです。

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フィルムについてさらに詳しく知る フィルムの種類

ここからは、さらにフィルムについて詳しく知るための内容です。

フィルムにはどんな種類があるのか見ていきましょう。

フィルムの種類:サイズ編

フィルムカメラで使うフィルムの種類は、フィルムの「サイズ」と「色」(カラー・モノクロ)でざっくりと分類することができます。

まずサイズについてですが、初心者が使うことの多い、代表的なものは2つ。
「35mmフィルム」「120フィルム」です。

35mmフィルム

35mmフィルム

特徴購入しやすい
金属の缶(パトローネ)に入っている
1本あたりの撮影枚数24枚もしくは36枚
48枚もしくは72枚(ハーフサイズカメラ)
代表的な対応カメラコンパクトカメラ
多くの日本製一眼レフカメラ
ライカ

フィルムの両側に穴が並んでいる、横幅が35mm(3.5cm)のフィルムです。
遮光性のある缶(「パトローネ」と呼ばれます)に入っています。

35mmフィルム

デジタルカメラが一般的になる前にもっとも広く使われていたフィルムで、対応しているフィルムカメラが非常に多いので、初心者の方が最初に買うフィルムカメラは、この35mmフィルムを使っている可能性がいちばん高いでしょう。

さまざまなフィルムのなかで、購入するのもいちばん簡単です。
カメラ屋さんなら確実に売っています。
撮影枚数は、1本あたり24枚もしくは36枚。

35mmフィルムを使うカメラは、いわゆるコンパクトカメラやフィルム一眼レフカメラ、高級カメラの「ライカ」など非常に多いです。
(ただし、とくにコンパクトカメラには形が似ていても「APSフィルム」用のものもあるので気をつけましょう。購入時にお店の人に確認するのがおすすめです)

ちなみに写ルンですに入っているフィルムもこの35mmフィルムです。

35mmフィルムの例

120フィルム(ブローニーフィルム)

35mmフィルムと120フィルム

特徴遮光性のある紙で巻かれている
35mmフィルムよりも1枚あたりの面積が大きい
使用済みの軸(スプール)を次回の撮影で巻取りに使う
1本あたりの撮影枚数8~16枚(例外あり)
代表的な対応カメラ多くの二眼レフ
多くのスプリングカメラ
中判一眼レフ

上で解説した「35mmフィルム」の次に入手しやすいフィルムです。
横幅は約60mm(6cm)で、穴はあいていません。
横幅が大きいことからもわかるように、画面のサイズが大きく、そのぶん画質がよくなります

35mmフィルムのように缶に入っておらず、「裏紙」という遮光性のある紙で巻かれた構造になっています。

120フィルムと裏紙
↑フィルムを入れるときの様子。「裏紙」が見えている。

120フィルムを使うカメラは、いわゆる「中判カメラ」という種類です。
多くの「二眼レフカメラ」や、蛇腹を使った「スプリングカメラ」、ハッセルブラッドやゼンザブロニカなどの「中判一眼レフ」が代表的。

35mmフィルムに比べると購入できるお店は少ないですが、ヨドバシカメラやビックカメラ、カメラのキタムラといった専門店には置いてあることが多いです。
もちろんネット通販での購入も可能です。

(厳密には違うのですが)120フィルムは「ブローニーフィルム」と呼ばれることも多いです)

もうひとつ特徴があり、120フィルムは使い終わったフィルムの軸(「スプール」と呼ばれます)を、次の撮影に使う作りになっています。
35mmフィルムとは違い「巻き戻す」ということがなく、撮影し終わるとフィルムが巻かれていた軸だけが残ります。
次に撮影するときは軸を反対側に移して、その軸にフィルムを巻き取っていくのです。

120フィルムの例

関連記事

中判のフィルムについてはこの記事で詳しく解説しています。

中判フィルムとは? 120フィルム・ブローニーフィルム徹底解説

ほかにもあるフィルムの規格

使用するカメラが多いフィルムは35mmフィルムと120フィルムでしたが、ほかにもフィルムには数多くのサイズ(規格)があります。
すべてを紹介することはできませんが、比較的、中古カメラ店で出会うことの多いものを紹介します。

APSフィルム

APSフィルムの例

特徴プラスチックのカートリッジに入っている
1本あたりの撮影枚数25枚もしくは40枚
代表的な対応カメラAPSカメラ(コンパクトカメラと一眼レフが存在)

APSフィルムは1996年に登場した、フィルムとしては新しい規格。

構造としてはプラスチックのカートリッジに入っていて、現像したあとはカートリッジに巻き戻して保管する構造になっています。
フィルム自体に磁気で撮影データを記録するなど当時は先進的だったのですが、デジタルカメラが普及したことで2011年に製造が終了してしまっています。

最初にこのAPSフィルムを紹介したのは、「コンパクトカメラ」には、APSフィルムを使うものが混ざっているため。

2021年現在人気の高い「コンパクトカメラ」の多くは35mmフィルムを使っています。
ですが、1996年以降に販売された機種のなかには、見た目が似ていても35mmフィルムではなくAPSフィルムを使うものがあるのです。
APSフィルムは期限の切れたものが販売されているので、まったく使えないことはないのですが、期限切れフィルムではカメラ本来の性能を引き出すことはできませんし、フィルムを購入するのも大変です。

APSカメラにはカメラ本体にマークが印刷されているので、これで見分けることができます。
これからフィルムコンパクトカメラを購入する場合、APSカメラは実用が難しいので気をつけましょう。

220フィルム

特徴120フィルムの姉妹規格
裏紙がフィルムの始まりと終わりにしかない
1本あたりの撮影枚数16~32枚
代表的な対応カメラ1960年代中盤以降の
中判一眼レフ
二眼レフ
フォールディングカメラ

220フィルム120フィルムから派生した規格です。

120フィルムはフィルムの全体が裏紙で巻かれているため、軸に巻かれているときにそのぶん厚みが無駄になっていました。
(ただし裏紙にも意味があります。詳しくはブローニーフィルムについての記事をご覧ください)

そこで220フィルムでは、裏紙のついた場所を、フィルムの装填と取り出しのときに必要な先端と終わりの部分だけにしました。
全体の厚みが減ったことでフィルムをより長く巻くことができ、撮影可能な枚数は120フィルムの2倍になりました。

220フィルムは一度、製品としては完全に消えた規格になっていたのですが、2020年に中国の「上海」ブランドでモノクロフィルムが発売され、個人輸入することで再び使うことができるようになりました。

ペンタックス645のフィルムバック
220フィルムを使えるカメラは、切り替えやフィルムバック交換で120フィルムと両対応がほとんど(画像はペンタックス645用バック)

対応しているカメラは、1960年代中盤以降に発売された中判カメラの一部です。
PENTAX 6×7シリーズや、GW690やGS645、GA645など富士フイルムの中判カメラ、New Mamiya 6やMamiya 7、プラウベルマキナなどが代表的。
ハッセルブラッドやマミヤなどの中判一眼レフでは220フィルム用のバックを使うことで使用できます。

110フィルム

特徴とても小さい
1本あたりの撮影枚数主に24枚
代表的な対応カメラ110カメラ(ポケットカメラ)

110フィルムは1970年代の中盤から普及した小型のフィルム。
「ポケットフィルム」ともいい、110フィルムを使うカメラは「ポケットカメラ」とも呼ばれました。

ローライ110
110カメラ(ポケットカメラ)

画面サイズがとても小さいため、画質は低めです。
構造的には、フィルムの巻かれる前・巻かれた後が両方ともカートリッジに入っている構造になっています。

雑貨店などで販売されている簡易カメラ(トイカメラ)が代表的な機種です。
過去には本格的な一眼レフもありました。

まだ雑貨店などでフィルムの購入が可能です。

127フィルム(ベストフィルム)

特徴裏紙つき
120フィルムより小型
1本あたりの撮影枚数8~16枚(主なもの)
代表的な対応カメラ戦前のベスト判カメラ
戦後の4×4判二眼レフ

127フィルムは、120フィルム同様の裏紙つきフィルムです。
幅は46mm。

戦前に一斉を風靡したヴェスト・ポケット・コダック(通称ベス単)に使用するフィルムであることから、日本では通称「ベストフィルム」とも呼ばれます。
(ベストはbestではなく、洋服のベスト”vest”のこと)

ヴェスト・ポケット・コダック
ヴェスト・ポケット・コダック

戦前には120フィルムに比べ小型、かつフィルムが安価であることから広く普及した規格でした。
また戦後1950年代にはアメリカでスライドプロジェクターで鑑賞するためにも用いられ、ベビーローライやヤシカ44、Primo Jr.などの4×4判二眼レフが製造されました。

ヤシカ44
ヤシカ44

大手メーカーの製品がなくなって久しいですが、東欧メーカー製のものや、120フィルムをもとに切り出したものなど、ネット通販等で購入が可能です。

他の裏紙つきロールフィルムにもいえることですが、愛好家の間ではカットや巻き直ししてフィルムを自作することも行われています。

シートフィルム

4x5
4×5シートフィルム(奥)

特徴1回の撮影につき1枚使う
撮影枚数1枚
代表的な対応カメラ大判カメラ

シートフィルムとは、大判カメラという種類のフィルムカメラで使う、シート状のフィルムのこと。

ここまで紹介してきたフィルムは、ロール状に巻かれていて、1本のフィルムに何枚も撮影することができましたが、シートフィルムは、1回の撮影につき1枚ずつ使用する構造になっています。

2021年現在、ヨドバシカメラやビックカメラなどの店頭で入手できるサイズとして代表的なものは、

  • 4×5インチ(通称シノゴ)
  • 8×10インチ(通称バイテン、エイトバイテン)

の2種類。
次いで5×7インチのものも個人輸入などで比較的入手は容易です。

ほかにも大小多数の規格があり、海外の専門店で購入できたり、暗室で自分でカットして使ったりと、工夫して撮影する愛好家の方もいます。

フィルムの種類:「色」編

フィルムの種類はもうひとつ、「色」でも分類できます。

カラーのほかにモノクロフィルムがあるのは有名ですが、じつはカラーは「カラーネガフィルム」と「カラーポジフィルム」という2つの種類があるのです。

カラーネガフィルム

カラーネガフィルムとは、フィルムを現像した時点では色が反転しているフィルムのこと。
紙にプリントしたり、データ化すると、色がもう一度反転して正しい色になります。

色が反転している
↑現像した時点ではこのように色が反転している

色を再反転
↑紙にプリントしたりデータ化するときに色を再反転することで写真を鑑賞できるようになる

「ネガ」とはネガティブの略。
つまり反転した「陰画」を得るためのフィルムを意味しています。

この記事の一番最初で紹介したように、フィルムカメラ初心者の方が使うのにおすすめの、もっとも広く普及したフィルムです。

現像はカメラ店で行います。
2021年の時点では、当日仕上げ(最短で2時間くらいから)を行っているお店も多数存在しています。

カラーネガフィルムの例

ポジフィルム(リバーサルフィルム)

ポジフィルム

ポジフィルムとは、フィルムを現像した時点で、色が反転していない、本来の色になるフィルムです。
「ポジ」とはポジティブの略、つまり反転していない「陽画」を得るためのフィルムという意味です。

もともとは、スライドプロジェクターで投影したり、書籍などの印刷原稿に用いられていました。

値段はカラーネガフィルムに比べて高め。
現像はお店に依頼することになりますが、2021年時点では現像所(現像を行う工場)に送ることがほとんどで、受け取りまでに日数がかかります。

ポジフィルムはカラーネガフィルムに比べて、撮影時の露出(光をフィルムにあてる量)の難易度が高く上級者向きとされてきました。
ですが、初心者の方でも露出が自動のフィルムカメラなら簡単に適正露出の写真が撮れるので、(値段の高さを除けば)案外気軽に撮影することができますよ。
ぜひ一度は体験してみるのがおすすめです!

ポジフィルムについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

【2021年版】おすすめポジフィルム(リバーサルフィルム)まとめ!宝石のような描写を味わおう

ポジフィルムの例

モノクロフィルム

モノクロフィルム

モノクロフィルム(白黒フィルム、黒白フィルム)は、色がついておらず白から黒への階調だけで表現されるフィルムのこと。
昔の写真は白黒ですが、そういった写真に使われていたのがまさにモノクロフィルムです。

モノクロフィルムは一般にネガフィルム(白黒が反転している)で、印画紙へ焼き付けたり、データ化するときに色を反転させることで鑑賞できる状態になります。
※モノクロポジフィルムも存在していますがマイナーです。

モノクロフィルムはカラーフィルムに比べて、現像やプリントを自分で行うことが比較的容易なことも大きな魅力です。

現像用品

モノクロフィルムについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。

【2021年版】おすすめモノクロフィルムまとめ! 白黒写真の特徴と魅力とは?

モノクロフィルムの例

フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!

あなたにぴったりのフィルムを使ってみませんか?

初心者の方が使うなら、まずはカラーネガフィルムがおすすめ。

慣れてきたら、ポジフィルムを使ってみたり、モノクロフィルムの自家現像に挑戦してみるのも楽しいですよ!

ぜひさまざまなフィルムを使って、よりフィルムカメラを楽しんでみてくださいね。

著者紹介: サンライズカメラ スタッフ

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