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ミノルタSR-T101 手頃な価格のおすすめ一眼レフは世界初の分割測光

SR-T101

今回は、1960年代のフィルム一眼レフカメラを代表する名機。ミノルタSR-T101について解説します。

ミノルタ(minolta)。
かつてペンタックスとともに、大衆機(プロ向けではないカメラ)でシェアを争ったカメラメーカーです。

SR-T101は、そんなミノルタの中古フィルムカメラのなかでも、もっとも有名な機種。
1960年代のフィルム一眼レフとしては他社に一歩先んじる機能・性能を持ち、操作性も良好。
そして、売れに売れた機種なので中古価格が安価、状態のよい個体もまだまだ多いので、はじめての中古フィルムカメラとしてもおすすめです。

そんなミノルタSR-T101には特筆できる機能があります。
それが世界初の分割測光、CLC。
いったい、ミノルタSR-T101とはどんなフィルムカメラなのでしょうか?

中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが解説します。

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ミノルタSR-T101

まずはミノルタSR-T101の特徴やスペックについて見ていきましょう。

ミノルタSR-T101の性能・スペック

SR-T101

形式 35mmフィルム一眼レフカメラ
シャッター B、1秒~1/1000秒
機械式
横走り布幕フォーカルプレーンシャッター
ストロボ同調速度1/60秒
露出計 TTL開放測光
CdS受光素子
追針式、上下二分割のCLC測光
露出 マニュアルのみ
ファインダー アイレベル固定式
レンズマウント ミノルタSRマウント(MCマウント)
対応レンズ ミノルタMCロッコール、MDロッコール
電池 MR-9水銀電池 x1
※販売終了品のため、代替電池PX-625(Amazon)
もしくはボタン電池用アダプター(Amazon)にて代替
発売年 1966年

ミノルタSR-T101は、1966年にミノルタ(minolta)が送り出したフィルム一眼レフカメラ。

1960年代は、一眼レフカメラが一般にどんどん普及していく時代でした。
1959年のニコンFはプロのためのカメラとして。
また、1964年のペンタックスSPはアマチュアのためのカメラとして。

当のミノルタも、すでにSR-1(露出計なし)やSR-7(外光式露出計内蔵)といった機種で、一定のシェアを得ていました。
そんなミノルタが、満を持して生み出したのがSR-T101。

ミノルタが初めて作る、TTL露出計を内蔵したカメラでした。

レンズを通った光を測るTTL露出計

ミノルタSR-T101は、1960年代の最先端技術、TTL露出計を内蔵したカメラ。
TTL露出計とは、「撮影に使うレンズを通った光」の明るさを計測して、撮影時の適正な明るさ(露出)を表示する機構のこと。
デジタルカメラの時代である現代、ほとんどすべてのカメラに内蔵されている機構です。

カメラは「絞り」や「シャッター速度」といった設定を変えないと、明るいところでは真っ白の写真に、暗いところでは真っ黒の写真になってしまいます。
そこで、カメラに露出計を内蔵することで、絞りとシャッター速度をどれくらいの数値に設定すればよいかをユーザーに伝えられるようになったのです。

露出計の受光素子(センサー)をレンズの外に置くと、どうしても撮影用レンズを実際に通る光と誤差が生じます。
TTL露出計では、そのような誤差をなくし、どんなときも適切な値を得られるようになる機構を実現しました。

「開放測光」の露出計

SR-T101

このミノルタSR-T101が内蔵した露出計は、こちらも当時の最先端技術、「開放測光」を採用しています。

開放測光とは、露出を計測するときに、レンズの中の「絞り」が「実際に撮影するときの絞り」になっていなくても、露出を測ることができる機構のこと。
これは、一眼レフの構造上、どうしても必要になる機構です。

一眼レフカメラでは、ファインダーを覗いたとき、撮影用のレンズを通った光を見ています。
いっぽう、レンズを通った光を計測する(TTL)とき、「絞り」で変化する光の量を、そのまま絞りを動かして(絞り込んで)測ろうとすると、ファインダーに入る光も減って、暗くなってしまいます。

そこで、ファインダーが暗くならない状態で、絞りがどれくらいの値なのかをカメラの露出計に伝達するために、レンズの絞りリングと、カメラ本体を連動させる機構が必要となったのです。

ミノルタSR-T101では、レンズとカメラのマウント部にそれぞれ爪を設けて、アナログ的に絞りの値を伝達しています。
この機構に対応したレンズが、ミノルタ MCロッコール。
1970年代後半まで使われたシリーズで、のちの絞り優先AEにもそのまま対応しました。

なお、ファインダーが暗くなる方法(絞り込み測光)を採用したカメラもありました。
代表的な中古カメラが、同じく1960年代に一斉を風靡したペンタックスSPです。

PENTAX SP 60年代フィルム一眼レフカメラのスタンダード

初の分割測光「CLC」

SR-T101

そして、ミノルタSR-T101は、初の「分割測光」採用カメラでもあります。
その名もCLC
CLCとは、「Contrast Light Compensator」の略です。

分割測光とは、ファインダーで見える範囲を分割して光を計測する方式。
現代のデジタルカメラでは、ほぼすべての機種が採用しています。

最初期の機構ということもあり、ミノルタSR-T101の露出計は「上下二分割」です。
CdS受光素子を縦に2つ並べることで、上下分割をシンプルな手法で実現しています。

ミノルタSRT101 CLC

たった2つに分けただけ、と思うかもしれませんが、これはとても有効な手法でした。

ミノルタSR-T101がCLCを採用したのは「空」が画面に入った写真対策のため。
空は、地面や人物といったメインの被写体よりもずっと明るいものです。
そのため、例えば観光地での記念写真で空が大きく画面に入っているような場合、空の明るさに引きずられて露出計の指し示す値に大きな誤差が出てしまうことが多かったのです。
カメラが「明るすぎる」と間違って判断し、撮影した写真が暗くなってしまうのはよくあることでした。

1980年代以降、分割測光はカメラに当たり前に搭載されるようになり、露出計の精度は飛躍的に上昇していくこととなります。
ミノルタSR-Tは、それに先んじること十数年、非常に先進的なコンセプトをもっていたといえるでしょう。

ちなみに、カメラを横に構えたときに上下二分割なので、縦に構えたときはどうなるのか気になりますが、実用上はとくに問題ない値を示すようです。

操作・機構上はとてもオーソドックスなカメラ

SR-T101

ミノルタSR-T101のそれ以外の部分は、とても堅実な設計です。

ボディ上面のシャッターダイヤルは、マニュアル露出のフィルムカメラのスタンダードといえる位置。
シャッターダイヤルの中にあるフィルム感度設定部分も、至って普通の形式です。

レバー巻き上げ、クランク巻き戻し。
シャッターボタンが巻き上げレバーと同軸にあるのが、ミノルタならではのヨーロピアンな雰囲気を演出しているといえるでしょう。

同時代の、同クラス、同価格帯の一眼レフとしては他にペンタックスSPやニコマートFTNがありますが、ミノルタSR-T101は、それらに比べてレンズの脱着に特別な部分がないのもポイント。
ペンタックスSPはM42スクリューマウントで、ねじ込むのに少し時間がかかります。
またニコマートFTNは、露出計を使うためには「ニコンのガチャガチャ」という儀式が必要です。

いっぽうミノルタSR-T101は、1966年という時点ですでに、現代のデジタル一眼カメラ同様、レンズを噛み合わせて回転させるだけで装着が可能なのです。

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広いファインダーにはシャッター速度も表示

ミノルタSR-T101のファインダーは、倍率が等倍のとても広いファインダー。
現代のデジタルカメラでは味わえない、広々とした画面が楽しめます。

また、ファインダー下部にはシャッター速度が表示されており、ファインダーから目を離さずに確認可能です。
まだ絞り値をファインダーで確認することはできませんが、そちらについても、上位機種のSR-T Super(後述)で実現することとなりました。

露出計のファインダー内表示は追針式です。
ファインダー右側の2つの指針が1つに重なるようにすると適正露出となります。

地味にミラーアップ搭載

ミノルタSR-T101には、ミラーアップ(撮影前に内部のミラーを跳ね上げた状態にできる機構)も搭載されています。

ミラーアップは、撮影時のカメラのブレを減らすことができるので、三脚に取り付けてスローシャッターを切る場合などに有効です。
操作は、正面から見てレンズ左側にあるツマミを回すことで可能。

SR-T101
丸の中に横線の入ったツマミを回す

ミラーアップを搭載したのは、SR-T101登場以前に発売していた、ミラーアップして取り付ける広角レンズ、ロッコール21mm F4に対応するという意味も大きかったといえるでしょう。
(露出計の受光部はファインダー内にあるため、ミラーアップすると露出計は使えません)

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ミノルタSR-T101ははじめての中古フィルムカメラにもおすすめ

そんなミノルタSR-T101は、クラシカルなフィルム一眼レフカメラを初めて中古で買う方にもおすすめ
その理由は……

使いやすい

上でも解説したように、ミノルタSR-T101の操作方法は、マニュアル操作の中古一眼カメラとしては非常にオーソドックスなもの。
このカメラが使えれば、どんなフィルムカメラも、だいたいのものは使えるようになりますよ。

もちろん絞りとシャッター速度の最低限の知識は必要ですが、使い方が基本的なので、どんな入門書や解説を読んでも、戸惑うようなことはないでしょう。

中古の数が多く、値段が安い

ミノルタSR-T101は、ペンタックスSPと並ぶ1960年代のベストセラー。
中古で見つけるのは簡単です。

同じく数が多く安価なペンタックスSPは、絞り込み測光でいまとなっては使い方にクセがあるので、ミノルタSR-T101のほうがずっと使いやすいでしょう。

中古ミノルタカメラならサンライズカメラ
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豊富なMCロッコールレンズ

SR-T101

ミノルタのMCロッコールレンズは、値段も安く性能も良好。
当時のミノルタ製レンズはコーティングが緑色に輝いており、その美しさはいまでも健在。

ロッコールレンズについてはこちらの記事もご覧ください。

ミノルタおすすめ中古レンズ13選!緑のロッコールレンズを使ってみませんか?

ミノルタSR-T101の兄弟たち

ミノルタSR-T101の兄弟機種について簡単に解説します。

ミノルタSR-T Super

ミノルタSR-T Super

1973年発売。
基本的にはミノルタSR-T101同様ですが、ファインダーに絞り値表示機能が追加されました。
またアクセサリーシューもホットシューになっています。

どこにでもあるSR-T101ほどではないですが、中古でもそれなりに見かけます。

ミノルタSR505

ミノルタSR505

1975年発売。
上記、SR-T Superのマイナーチェンジ機種。

ボディ背面に、フィルムが問題なく巻き上げられていることを示すインジケーターと、メモホルダーが追加されました。

ミノルタSR101

SR-T101のマイナーチェンジ機種。
変更点はSR505同様です。

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ミノルタSR-T101 中古購入のポイント

では、ミノルタSR-T101を中古で探す場合、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

ファインダーの汚れとモルト

これはどんな中古フィルムカメラにも共通しますが、ファインダーの汚れと、モルトの劣化には気をつけましょう。

SR-T101はスクリーンが固定式なので、ファインダー内部の清掃には分解が必要です。
モルトについては、マウント内や裏蓋のものが劣化していないか、きちんと交換されているか確認しましょう。

内部プラ製ギアの割れ

ミノルタSR-T101には、ボディ内部の機構にプラスチックのギアが使われている箇所があります。
このプラ製のギアが割れてしまうと、動作がスタックして使えなくなってしまいます。

これは、万一大きな力がかかったときに、そのギアが壊れるようにして、他の部分に致命的な故障が生じないようにした設計のようです。

ただ、いまとなっては専門業者での整備が必要なので、保証なしのジャンク品を探す場合には、巻き上げやシャッターがスタックしているものは避けたほうがよいでしょう。

なおSR-T101含め、ミノルタの布幕シャッターは経年劣化はあまりしない印象があるので、基本的には機械部分のチェックだけでOKといえるかもしれません。

ミノルタSR-T101は修理も容易なカメラ

ミノルタSR-T101は非常にオーソドックスな機械式フィルムカメラなので、専門の修理店に依頼して修理も可能です。

家族や親戚が持っていたSR-T101が壊れていた、という場合には、中古カメラの専門修理業者に依頼するのもおすすめです。

ミノルタSR-T101の関連商品

ミノルタSR-T101は整備して使い続けられるフィルムカメラですが、唯一、電池については水銀電池を使用していたため製造が終了しています。

代替品として「PX625」アルカリ電池を使用するか

関東カメラサービスほか各社から販売されている、ボタン電池を変換するアダプターを使用することで露出計を問題なく作動させることができます。

同時期のライバル大衆機関連記事

ミノルタSR-T101と同時代の、同価格帯のライバル機種関連記事です。

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初めての中古フィルムカメラにミノルタSR-T101はいかが?

このように、ミノルタSR-T101は、オーソドックスかつ、当時としては先進的な機構を持ったカメラ。

初めてのマニュアル操作のカメラとしてもおすすめの一台です。

ぜひミノルタSR-T101を中古で手に入れて、フィルムならではの味を楽しんでみませんか?

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更新履歴

2022年8月5日

SR-T Super、SR505の画像を追加

著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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