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【コラム】 つげ義春 「無能の人」 カメラ漫画紹介Part2

無能の人

こんにちは。
サンライズカメラ SNS担当スタッフです。

カメラや写真について取り上げた、重要な役割を持つ漫画や小説を紹介するシリーズのPart2。
今回は、日本漫画史上に名を残す名作中の名作、つげ義春の『無能の人』について書きたいと思います。

前回の記事はこちら↓

【コラム】 ひぐちアサ 「ヤサシイワタシ」 カメラ漫画紹介Part1

つげ義春といえば今更語るまでもない、独自の地位を築いた漫画家。
さらに『無能の人』といえば、つげ義春の代表作のひとつ。

この作品、一章を割いてカメラが大きく取り上げられているのです。

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『無能の人』

つげ義春の代表作のひとつ、『無能の人』とカメラについて。

つげ義春とカメラ

あまり多くを語ると、つげ義春フリークは星の数ほど存在するのでボロが出てしまうので簡単に。

つげ義春(1937〜)は貸本漫画家に始まり、『ガロ』誌上で発表した作品で高い評価を受けた漫画家。
戦後日本のサブカルチャーを語る上で最重要人物のひとりともいえる存在です。

「ねじ式」や「李さん一家」といった作品の一コマは、いまでも広くパロディに用いられているので、元ネタを知らなくとも、きっとどこかで見たことがあることでしょう。

そんなつげ義春は1980年代初頭から、漫画家の仕事を辞め、他の仕事を探すわけですが、そこで選んだのが、カメラを扱う古物商だったのでした。

そんな時期の自分自身、「石」のように無価値なものを売るしかない無能の人を描いた漫画。
それが『無能の人』。

『無能の人』の作中では、作者自身の体験を基に、カメラを売る日々についても克明に描き出されています。

『カメラを売る』

『無能の人』の一連の作品の中で、カメラを扱っているのは、そのものずばり『カメラを売る』という一章。

作品の流れは……

とある古物商で壊れたカメラを発見した主人公。
もともと手先が器用だったこともあり、修理して売ったところ、思いもかけない収入を得ることができました。

そこで一念発起した主人公は、壊れたカメラを修理して売ることで生計を立てようと試みるのです。

ところが……

一時は飛ぶように売れたカメラですが、すぐにその勢いはしぼんでしまいます。

壊れたカメラを仕入れようにも、すぐに仕入れルートが尽きてしまいます。
せっかく古物商の資格も取ったのに、結局、壊れたカメラを不良在庫として抱えたまま、その商売は終わりを告げた……という内容です。

と、文章で解説するととりとめがない話に見えるかもしれませんが、そこに得体の知れない叙情性があるのがつげ義春の力量の凄さ。

他の話も含め漫画史上に残る傑作として、ぜひ一度は読むことをおすすめする作品です。

愛好家目線で見た『カメラを売る』

さて、カメラ愛好家の目線で『カメラを売る』の内容を見たときに興味深いのが、つげ義春が売っていたカメラ。

作中では仕入れたカメラが簡潔ながら機種が判別できる絵柄で描かれています。
そこで扱われている内容が、現在人気のフィルムカメラとは全く異なるのです。
(書いてあるカメラをつげ義春が売ったかは定かでないですが)

たとえば、1950年代の目測式35mm小型カメラ
1950年代前半の、セルフコッキングも多重露光防止機構もない35mmカメラが、当時のカメラ蒐集家に大きな需要があったことがわかります。

よくよく考えると、(これはWikipediaの記述を参考にしたものですが)つげ義春がカメラを売っていたのは1981〜1982年頃とのこと。
つまり、当時からみて30年くらい前の製品ということになります。

そう考えると、いま、2010年代に人気の高いフィルムカメラと、じつは似通っているフィルムカメラだということがわかるのです。
近年にわかに人気を集めているフィルムカメラは、オートフォーカスのコンパクトカメラや写ルンです。
つまり、「現代」から見て、やはり同じく30年くらい前の機種。

2010年代後半になり、ファッションや音楽の面でも30年くらい前、1980年代の文化が見直され、最ブームになっています。
ファッションの周期性というのはよく論じられることですが、もしかすると、古いカメラについても同様なのかもしれないですね。

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つげ義春を読んでみませんか?

今回はつげ義春とカメラについて簡単に紹介しましたが、スタッフの私にとっても本作は想い出深い作品。
私ももともと、フィルムカメラを愛好しはじめたのは、ひょんなことから手に入れたジャンクのカメラを、自分で直してみたのがきっかけでした。

あくまで個人的な趣味としてですが、壊れたカメラを分解して直すことはいまでも行っています。
(※当然ですが、当店の商品は専門修理業者に修理を依頼しています。念のため……)

カメラという「精密機械」の楽しみ。
『無能の人』作中ではあくまでも商売としての描かれ方でしたが、当時のつげ義春の写真を見ると、かずかずのカメラに囲まれて幸せそうにも見えます。

カメラを愛した先人の作品を、ぜひ読んでみませんか?

この記事の使用画像は 新潮社 新潮文庫 つげ義春 「無能の人・日の戯れ」 1998年初版 から引用しました。

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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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