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ノクチルックス50mm いつかは使いたい世界最速のライカレンズ

Noctilux 50mm F1.0 2nd

今回はライカの中古レンズの中から、ノクチルックスについて紹介します。

ノクチルックス(Noctilux)50mmは、ライカのレンズのなかでもとくに「明るい」特殊なレンズに用いられる名前。
50mm F1.2、50mm F1.0。
そして現行品の50mm F0.95。

写真用のレンズとしてもっとも明るい存在として、今も昔も、ライカの愛好家にとって憧れの存在でした。

とくに50mm F1.0と50mm F0.95は、同様のスペックのものが片手で数えられるほどしか存在しない貴重な存在。
ここまでの明るさともなると、開放ではとろけるようなボケ味を楽しむことが可能です。

「オールドレンズの味」という領域をはるかに超えて、他のレンズでは絶対に体験することができない描写を味わえるノクチルックス。
伝説のライカレンズのひとつとして、いつかは使ってみたい名玉中の名玉。

今回は中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが、ノクチルックスとはどんなレンズなのか、どのような種類が存在するのか、解説しようと思います。

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ノクチルックス(Noctilux)50mm

Noctilux 2nd

ライカレンズの中でももっとも明るいのがノクチルックス(Noctilux)。

いつかは中古で手に入れてみたいレンズについて解説します。

ノクチルックスとは

ノクチルックス(Noctilux)とは、ライカ(旧エルンスト・ライツ/現ライカカメラ社)が製造したレンズ。

ノクチルックス50mm F1.2(1966年)
ノクチルックス50mm F1.0(1976年)
ノクチルックス50mm F0.95 ASPH(2008年)

が存在。

それぞれ、ライカの純正レンズとして「最も明るい」ものとして珍重されています。

明るい、すなわちF値が小さく大口径のレンズは製造がとても難しいもの。
とくに第2世代以降の、F1.0やF0.95は、同等スペックのレンズがほとんど存在しない伝説の存在となっています。

Noctilux 50mm F1.0 2nd

さらに、現行品として販売されていた当時から、特殊なレンズとして高価で製造数も少なかったため、いまでは中古では珍重されているのです。

それでもなおノクチルックスに魅せられる人が後をたたないのは、このレンズにしか実現できない描写があるため。
紙一枚のようなピントの先にある、とろけるようなボケ。
F1.0というスペックだけに被写界深度の浅さは伊達ではありません。

Noctilux 50mm F1.0 2nd

ノクチルックスという名称

Noctilux 50mm F1.0 2nd

ライカのレンズは、エルマー(Elmar)やズミクロン(Summicron)といったように、レンズの明るさによって名前が付けられます。

ノクチルックス(Noctilux)という名称は、この記事で紹介するレンズだけに使われているもの。

名称に含まれる「Noct」とは、「夜」という意味
開放値が明るければ明るいほど、夜の撮影に強くなる写真レンズ。

感度が低かったフィルム時代に、夜でも世界を切り取ることができる特殊なレンズとして名付けられた特別なネーミング。
それがノクチルックスの由来なのです。

余談ですが、同様に「Noct」(Nokt)という単語が付けられたレンズは名玉と呼ばれるものばかり。
フォクトレンダーの高性能レンズ、ノクトン(Nokton)や、星を撮影するために収差を高度に補正したニコンの名レンズ、ノクトニッコール(Noct-Nikkor)など、中古で手にしてみたい伝説のレンズが数多く存在します。

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ノクチルックス(Noctilux)各モデル紹介

2018年現在、全部で4つの世代が存在するノクチルックス(Noctilux)。

具体的に、それぞれどんな特徴があるのか解説します。

ノクチルックス50mm F1.2

noimage

レンズ構成 4群6枚
フィルター径 シリーズ8
最短撮影距離 1m
レンズマウント Mマウント
年代 1966年
中古相場 200万円〜300万円以上

1966年。
ライカMマウントのレンズとして、最も明るい製品、ノクチルックス50mm F1.2が登場します。

当時すでに、他社からはより明るいレンズが登場していた時代。
日本製では1953年、すでにズノー(Zunow)50mm F1.1が登場し、1950年代には各社とも、F1.4よりも明るいクラスのハイスピードレンズを開発しています。
1961年には、すでに超ハイスピードレンズの金字塔、伝説のCanon 50mm F0.95が世に送り出されているのです。

さて、そんな中、ライカがいたずらに開放値を追い求めなかったのは、描写力を重視したためだといえるでしょう。
M型ライカの標準レンズであるズミクロン(Summicron)50mm F2は、スペックだけ見れば控えめなもの。
同時代、たとえばCanonのレンジファインダーカメラ用で一般的だった50mm F1.8に比べると、数値上は少し暗いものとなります。

しかし、実用の上では、現実的に考えてF2とF1.8の差はわずか。
ほんの少しの明るさのために描写力を犠牲にするくらいなら、多少のカタログスペックの差は無視することをライカは選んだのです。
これにより、いまなお中古で珍重されるズミクロン35mm F2のような名レンズも生を受けることとなりました。

さて、そんなライカが本格的に大口径のハイスピードレンズの開発に乗り出す。

単にカタログスペックだけのレンズでは満足できないライカは、最新技術を取り入れた逸品を生み出しました。

初めての「非球面レンズ」

1966年の初代ノクチルックスの特徴。

それが、「非球面レンズ」を採用したことです。

いまでは廉価なズームレンズにも使われている非球面レンズですが、1960年代にはまさに夢の新技術。
そう簡単に量産に使えるものではなく、最高級レンズだけに許される贅沢な仕様でした。
具体的には、前玉の最前面と、後玉の後面が非球面となっています。

このノクチルックス50mm F1.2は、非球面レンズを採用した「世界初」の存在でした。
それゆえ製造には困難が伴い、一品物に近い職人技的な製品になっています。

初期の製品は職人が手磨きで仕上げたもの。
途中から、現在も非球面レンズの製造に使われるのと同じガラスモールド製法になりました。

中古カメラ愛好家には初期の手磨きのものが人気ですが、後期のものも希少なことには変わりありません。

描写については、このように職人による手仕事が加わっていることから、一本一本違う、とさえ言われるばらつきの多いものとなっています。
量産された工業製品というよりも、唯一無二の独自性を楽しむレンズ。
それもまた、この初代ノクチルックス50mm F1.2の魅力を高めてくれるのです。

そもそも特殊レンズとして当時から高価だったことと、製造自体が困難だったこともあり、製造数はたったの約2000本程度といわれています。

そのため中古はとても高価。
200万円〜300万円はくだりません。

非常に趣味性の高い描写

50mm F1.2というレンズ自体は、NikonやCanonをはじめ日本メーカーにも存在します。

しかし、ノクチルックス50mm F1.2の描写は、そのような他社製品とは異なる、どんな写真用レンズとも似ていないもの。

開放ではボケが自由自在にとろける。
もちろん光源を入れれば盛大に光がにじむ。

それでいて、たしかにピントのあった箇所には線があることに、やはりこれがライカレンズであるということを気付かされるのです。

当然ながら絞れば描写はかっちりとしたものになりますが、そもそも絞って使うならこのレンズを選ぶ意味がありません。

開放で使う。
とくに、「夜」を名乗ったレンズらしく夜景を撮るときにこそ、そのポテンシャルを最大限発揮するレンズだといえるのではないでしょうか。

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ノクチルックス50mm F1.0

Noctilux 1st

レンズ構成 6群7枚
フィルター径 58mmねじ込み/60mmねじ込み
最短撮影距離 1m
レンズマウント Mマウント
年代 1976年〜
中古相場 70〜90万円程度

1976年に発売したモデルは、開放値が明るくなり、50mm F1.0となりました。

特徴は、50mm F1.2で使われていた非球面レンズをやめ、通常の球面レンズのみでこの開放値を実現したこと。

描写については、開放でもライカレンズらしくしっかり線を結び、良質な描写力を楽しむことが可能です。

Noctilux 50mm F1.0 2nd

開放F1.0と大口径で非常に明るいため、ボケ味は絶品。
開放で使うと、まさに世界がとろけたようなボケを味わうことができるでしょう。

周辺光量落ちを楽しむ

このノクチルックス50mm F1.0は、極端に四隅が光量落ちすることでも知られています。

開放ではもちろん、少し絞ったくらいでは現れてしまうほどの極端な光量落ちのため、むしろ積極的に作画に取り入れるのもおすすめ

筆者はかつて暗室でモノクロを焼いていたときに印画紙の四隅を焼きこんでいたものですが、なにもしなくても同様の印象的な絵が得られます。
トイカメラ愛好家の間では周辺光量落ちが「トンネル効果」として好まれているのも連想されますね。

Noctilux 50mm F1.0 2nd

ノクチルックス50mm F1.0のバリエーション

ノクチルックス50mm F1.0は、途中何度もマイナーチェンジが行われたことでも知られています。

おおむね、フードの装着方法とフィルター径で4つに分かれます。

1:フィルター枠58mmねじ込み、フードはバヨネット式固定
→1st。1976年〜。シリアルナンバー2749631〜2919656

Noctilux 1st

2:フィルター枠60mmねじ込み、フードはバヨネット式固定
→2nd。1978年〜。シリアルナンバー2919657〜3220708

Noctilux 2nd

3:フィルター枠60mmねじ込み、フードは爪で固定
→3rd。1983年〜。シリアルナンバー3220709〜3603669

noimage

4:フィルター枠60mmねじ込み。フード内蔵
→4th。1993年〜。シリアルナンバー3617898〜

Noctilux 4th

バリエーション豊富ですが、ノクチルックス50mm F1.0は、F1.2に比べれば安価とはいえ決して安くないレンズ。
光学系の状態や外観のスレを考慮のうえ、一期一会だと思って中古を探すのがおすすめです。

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ノクチルックス50mm F0.95 ASPH

ノクチルックス50mm F0.95 ASPH

レンズ構成 5群8枚
フィルター径 60mmねじ込み
最短撮影距離 1m
レンズマウント Mマウント
年代 2008年〜
中古相場 100万円程度

21世紀になりいまや当たり前になった非球面レンズ。
ノクチルックス50mm F0.95は、2008年に登場した、再び非球面レンズを採用したノクチルックスです。

開放値F0.95と、さらに大口径を実現。

ノクチルックス50mm F0.95 ASPH

F0.95というと有名なCanon 50mm F0.95を連想しますが、Canonのレンズは実は実測値だとF0.99程度(JIS規格の公差内には収まっている)。
それに対し、こちらのノクチルックス50mm F1.0 ASPHは正真正銘、計測値でもF0.95を達成しています。
空前絶後のものといえるでしょう。

Canonの50mm F0.95については以下の記事で紹介しています。

Canon PとCanon 7 廉価で実用的な国産レンジファインダーカメラの決定版

現行品。
定価140万4000円(2018年4月現在)。

ノクチルックス50mm F0.95 ASPH

Noctiluxを使うためのマウントアダプター

Noctiluxを各社のミラーレス一眼カメラで使うなら、以下のマウントアダプターがおすすめです。

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あこがれの超大口径レンズ、ノクチルックス

ライカが誇る最高峰の大口径レンズ、ノクチルックス。
最初の非球面レンズ、開放値F1.0クラスの異次元の明るさと、多大な魅力をたたえる偉大な存在です。

描写については非常に個性的で、このレンズでしか味わうことができない世界が体感できるでしょう。

中古でも非常に高価なレンズですが、ライカを使うならぜひいつかは手に入れたいですね!

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3.SONY α7C ILCE-7CL
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著者紹介: サンライズカメラ

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