初心者におすすめの銀塩カメラ10選 中古カメラで撮影を始めてみませんか?
これから銀塩カメラを始めるなら、どんな機種がおすすめ?
今回は、ぜひ中古で手に入れて使ってみたい、初心者におすすめの銀塩カメラを10機種紹介します。
銀塩カメラとは、デジタルカメラが一般的になる前に使われていたカメラ。
いわゆる「フィルムカメラ」のことです。
銀塩カメラは、デジタルカメラには真似出来ない、雰囲気あふれる魅力的な写真が撮れることが魅力。
デジタルのデータで記録しているデジタルカメラと違って、銀塩カメラは「フィルムの化学反応」で物理的に写真を保存しています。
それが、銀塩カメラで味わいある写真が撮れる秘密なのです。
また、銀塩カメラは質感あふれる仕上げも魅力。
バネやゼンマイで動く機械式カメラなら、職人技あふれる精密感も楽しめますよ。
銀塩カメラを自分の手で操作して、フィルムに風景を焼き付ける。
ぜひあなたも、一枚一枚心を込めて、銀塩カメラで撮影してみませんか?
今回は初心者の方がこれから手に入れるのにおすすめの銀塩カメラについて、中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが解説します!
目次
おすすめの銀塩カメラ
デジタルカメラが使われるようになる前に一般的に使われていたカメラ。
それが銀塩カメラです。
銀塩カメラはいまでも中古で手に入れて、実際に写真を撮ることが可能。
デジタルカメラとは違う魅力を楽しむことができますよ。
まず、銀塩カメラとはどのようなものなのか解説します。
銀塩カメラ
銀塩カメラ。
フィルムカメラとも呼ばれています。
銀塩カメラは、デジタルカメラが登場する前に使われていた、写真用フィルムを使って撮影するカメラのことです。
写真用フィルムをカメラの中に入れて、フィルムに写真を記録します。
銀塩カメラとデジタルカメラの違い
銀塩カメラとデジタルカメラにはどのような違いがあるのでしょうか。
最大の違いは、「写真を記録する方法」です。
銀塩カメラは、フィルムの上に塗られた化学物質を変化させて、物理的に写真を記録します。
いっぽう、デジタルカメラは、SDカードなど電子メディアの中に、データとして写真を記録します(元のデータに実体はありません)。
物理的に写真が残る。
これが銀塩カメラのメカニズム上の特徴。
画像のように、フィルムの上には目に見える形で写真が記録されているのです。
記録の方法以外の原理は、銀塩カメラもデジタルカメラも同じ
ただし、銀塩カメラもデジタルカメラも、「化学変化で物理的に記録する」か「データとして電子的に記録する」のかということ以外は、基本的な原理は同じ。
たとえば、デジタルカメラを使っていて、「露出」や「ピント」といった単語を耳にしたことがあるかもしれません。
このような撮影に関する知識は銀塩カメラもデジタルカメラも同様。
そのため、これまでにデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラなどを使ったことがあれば、その経験を銀塩カメラでも活かすことができますよ。
さらに、銀塩カメラには各部を手動で操作して撮影する機種(マニュアル機)があり、そのようなカメラを使うことでカメラがどうやって動いているか知ることもできます。
すると、デジタルカメラでの撮影も上達することができるのです。
(実際、写真の専門学校では、写真やカメラの原理を知るためにいまでも銀塩カメラを使った撮影を学んでいます)
なぜ「銀塩カメラ」というの?
ところで、なぜフィルムカメラは「銀塩カメラ」と呼ばれるのでしょうか。
それには、フィルムが写真を化学変化で記録する原理が関係しています。
写真用のフィルムには、光が当たると化学変化を起こす「乳剤」と呼ばれる感光材料が塗られています。
その感光材料のなかでも主要な物質となるのが「ハロゲン化銀」。
ハロゲン化銀は別名「銀塩」とも呼ばれる物質で、それが由来して、フィルムカメラは「銀塩カメラ」とも呼ばれることとなったのです。
余談ですが、「フィルムカメラ」「銀塩カメラ」はともに、デジタルカメラの登場以前には存在しなかった単語。
そもそも当時はカメラといえば銀塩カメラしか存在しなかったので、銀塩カメラは単に「カメラ」と呼ばれていました。
「銀塩カメラ」や「フィルムカメラ」は、あえてデジタルカメラから区別する必要が生じたために生まれた名称(レトロニム)なのです。
銀塩カメラの選び方で迷ったらぜひおすすめしたい関連記事
当サイトでは以下の記事でも銀塩カメラ(フィルムカメラ)のおすすめ機種を紹介しています。
一眼レフカメラと二眼レフカメラ、レンジファインダーカメラ、どう違うの?
フィルムってどんなものなの?
そんな点についても解説しているので、詳しくは以下の記事も併せてご覧ください!
初心者におすすめの銀塩カメラ 10選
それではここから、これから銀塩カメラを手にしてみたいという方におすすめの銀塩カメラを解説します。
どれも個性に満ちあふれた銀塩カメラたち。
レンズの性能もどれもお墨付きなので、見た目の好みや、自動露出(AE)などの機能で選ぶとよいでしょう。
1.OLYMPUS OM-1
こんな人におすすめ
見た目が可愛い・スタイリッシュな一眼レフカメラが欲しい人
小さく軽い一眼レフカメラが欲しい人
オリンパスOM-1の解説
種類 | 一眼レフカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアル露出のみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1972年 |
オリンパスのOM-1は、いまでもデジタル一眼カメラを作っているオリンパスのフィルム一眼レフカメラ。
デジタル一眼カメラにも、OM-Dシリーズというものがありますが、実はこのOM-1をモデルとして作られたものです。
オリンパスOM-1は、銀塩カメラの一眼レフでは最も人気のあるもののひとつ。
その秘訣はなんといっても、オリンパスならではのスタイリッシュな外観。
日本製カメラの中でもとくに細部まで気が配られたボディラインに、野暮ったさは一切ありません。
これほどまでのスタイリッシュさが実現できたのは、OM-1は、カメラとしてのコンセプトが明確な製品として設計されたため。
OM-1のコンセプト。
それが「小型・軽量で使いやすい」というもの。
OM-1が発売された当時、銀塩一眼レフカメラはとても大きく、重く、シャッターを切ったときのショックも大きく手ブレしやすいものでした。
そこでOM-1を開発した光学技術者は、大幅な軽量化と、シャッターを切ったときのショックが少ない新設計を行い、老若男女が使いやすい一眼レフカメラを作り上げたのです。
なお、これはほかのオリンパス製銀塩一眼レフカメラにも共通することですが、シャッターや絞りといった操作部品の配置を他社のカメラと変えることで、直感的なダイヤル操作を実現しています。
カメラ女子にもとくに人気が高い銀塩カメラのひとつ、それがオリンパスOM-1。
イチオシの機種のひとつです。
OM-1におすすめのレンズ最初の1本
オリンパスOM-1はレンズ交換式のため、最初にレンズも一緒に買う必要があります。
OM-1に組み合わせる最初のレンズとしておすすめなのが、F.Zuiko 50mm F1.8。
OM-1にぴったりの、小型軽量の標準レンズです。
より明るいF1.4もありますが、こちらのほうがサイズも小さいので、OM-1とのバランスはより良好といえるのではないでしょうか。
OM-1については以下の記事でも解説しています。
2.Nikon F3
こんな人におすすめ
プロが使っていた銀塩カメラを使ってみたい!
頑丈なカメラが欲しい
AEで撮影したい
Nikon F3の解説
種類 | 一眼レフカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 電子式 |
AE(自動露出) | 絞り優先AE搭載 |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1980年 |
Nikon F3は、いまでも世界トップレベルのカメラメーカーであるニコンの銀塩一眼レフカメラ。
プロが使うことを前提に開発された、フラッグシップ機種です。
オリンピックなどのスポーツ撮影、新聞記者などの報道機材といった非常にハードな環境でも使えるように設計されているため、構造がとても堅牢。
手に持っただけで、カメラボディの剛性感を感じられると思います。
……というと質実剛健なだけのカメラだと感じるかもしれませんが、ボディデザインを20世紀後半を代表する世界的工業デザイナーの、ジョルジェット・ジウジアーロが手がけているため、頑丈なカメラながらスタイルも流麗。
実は、ニコンのカメラの象徴である赤のワンポイントは、この機種から取り入れられるようになったのです。
機能の面では、シャッターが電子式で、絞り優先AEを搭載。
露出が半自動化されているので、初めて銀塩カメラを手にするという方でも使用しやすいカメラに仕上がっています。
ニコンの最上級機種ながら、非常に多くの台数が製造されたため中古価格も安め。
次に紹介する、中級機種のNikon New FM2よりも安く手に入ることも多いです。
ニコンの銀塩カメラが欲しいならぜひおすすめしたい機種です。
Nikon F3におすすめのレンズ最初の1本
これからNikon F3を手に入れるなら、最初の1本は、Ai Nikkor 50mm F1.4Sがおすすめ。
このレンズは、さまざまな銀塩カメラ用レンズの中でもリファレンスともいえる存在。
描写力も、ニコンの「ニッコールレンズ」ならではの微細な解像力を持っているため、フィルムの性能を最大限に引き出してくれるでしょう。
Nikon F3については、以下の記事で使い方など詳細に解説しています。
3.Nikon New FM2
こんな人におすすめ
「カメラらしいカメラ」が欲しい!
バランスの取れたカメラが欲しい!
ニコンのカメラが好きだけど、F3は重すぎる
Nikon New FM2の解説
種類 | 一眼レフカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1984年 |
Nikon New FM2は、上記のNikon F3と並び、ニコンの中古カメラのなかでもとくに人気が高い機種のひとつ。
特徴は、「すべてにおいて標準的なカメラ」ということ。
画像を見ればわかるように、見た目も「銀塩カメラ」といわれてすぐにイメージするような形そのものです。
さらに、性能面や操作部品の配置など、すべての面において標準的な、いわば銀塩カメラのリファレンスともいえる存在なのです。
このカメラが使えれば、他の銀塩カメラも使えるようになれるといえるでしょう。
実際に、芸術大学の写真学科や、写真専門学校では、このNikon New FM2は、長い間指定教材として用いられてきたといいます。
ニコンのカメラだけあって信頼性も十分。
さらに、このカメラは、上位機種であるNikon F3の性能を部分的に上回っている部分さえあるのです。
それが最高シャッター速度1/4000秒と、スピードライト(ストロボ)の同調速度1/250秒。
とくに最高シャッター速度1/4000秒は、日中に「背景がボケた写真」を撮るときに心強い武器になってくれるでしょう。
New FM2におすすめのレンズ最初の1本
New FM2を買うときに組み合わせるレンズは、やはりNikon F3と同様、Ai Nikkor 50mm F1.4Sが鉄板でしょう。
ただし、New FM2のほうがボディが軽いため、バランスを取るという意味で、Ai Nikkor 50mm F1.8Sを選ぶのもおすすめです。
Nikon New FM2については以下の記事でも解説しています。
4.PENTAX MX
こんな人におすすめ
小型軽量のカメラが欲しいけれど、OM-1だと周りと被る
OM-1の操作性が苦手
ペンタックスのデジタル一眼レフカメラを使っている
PENTAX MXの解説
種類 | 一眼レフカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1977年 |
PENTAX MXは、機械式の銀塩一眼レフカメラ。
上で紹介した、オリンパスOM-1を強く意識して開発された機種です。
じつは、オリンパスOM-1が登場するまで、「小さく軽い銀塩一眼レフ」といえば、PENTAXの独擅場でした。
ところが、オリンパスがPENTAXよりも小さいOM-1を開発してしまったので、お株を奪われたPENTAXは、より小さな銀塩一眼レフカメラの開発に乗り出したのです。
中古カメラ愛好家の間で有名な話ですが、PENTAX MXの寸法は、上下・左右ともに、オリンパスOM-1よりも、きっかり0.5mm、小さく設計されています。
オリンパスOM-1のライバルともいえる機種、PENTAX MX。
カメラ女子にも人気が高いOM-1では周りと被ってしまう。
そんなときにはPENTAX MXを選ぶとよいでしょう。
もう一点OM-1との大きな違いとして、OM-1はダイヤル位置が特殊なのに対して、PENTAX MXは一般的な位置にある、ということも挙げられます。
PENTAX MXにおすすめのレンズ最初の1本
PENTAX MXに組み合わせるなら、SMC PENTAX M 50mm F1.4がイチオシ。
PENTAXのレンズはとくにポートレートを撮ったときの肌の描写に定評があり、みずみずしい写真を生み出すことができますよ。
さらに、PENTAXの銀塩一眼レフカメラ用のレンズは、PENTAXのデジタル一眼レフカメラでもそのまま使うことが可能。
その面でも、PENTAXのデジタル一眼レフカメラを持っているなら、PENTAX MXはとくにおすすめの機種だといえるでしょう。
PENTAX MXについては以下の記事でも解説しています。
5.OLYMPUS PEN FT
こんな人におすすめ
ハーフサイズカメラを使ってみたい
かわいい・スタイリッシュなカメラがほしい
小さくても本格派のカメラがほしい
OLYMPUS PEN FTの解説
種類 | 一眼レフカメラ(ハーフサイズ) |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1966年 |
オリンパス ペンFTは、オリンパスの「ハーフサイズカメラ」。
ハーフサイズカメラとは、35mmフィルムカメラの「半分の面積」で撮影する銀塩カメラのこと。
ハーフサイズカメラと35mmフルサイズの比較
なかでもこのペンFTは、ハーフサイズカメラのなかでも数少ない一眼レフカメラとして知られています。
いまでは、オリンパスのデジタル一眼カメラとして人気の「ペン」(PEN)。
じつは、デジタル一眼カメラのオリンパス ペンシリーズは、この銀塩カメラの「PEN」を元にデザインされています。
フィルムのペン
デジタルのペン
オリンパスのカメラの源流を感じる。
もしオリンパスのデジタル一眼カメラを使っているなら、ぜひおすすめの機種です。
オリンパス ペンFTは、「ペンFシリーズ」のなかのひとつ。
他の機種との違いは、露出計がついていること。
露出計のあるカメラは、初めて銀塩カメラを使う方でも使用が便利です。
関連記事
オリンパスペンFTなど、ペンFシリーズについて詳しくはこちらもご覧ください。
また、ハーフサイズカメラについてはこちらで解説しています。
オリンパス ペンFTにおすすめのレンズ最初の1本
オリンパス ペンFTの標準レンズ、F.Zuiko 38mm F1.8は最初の一本として定番。
中古での購入時にセットになっていることも多いです。
35mmフルサイズ換算で55mm相当と標準レンズ。
マウントアダプターを介してオリンパスのデジタル一眼カメラに取り付けた場合には約76mmと、ポートレートレンズにもなりますよ。
6.Rolleicord
こんな人におすすめ
二眼レフカメラが使いたい!
クラシックなカメラがほしい
海外製のカメラが使いたい
Rolleicordの解説
種類 | 二眼レフカメラ |
使用するフィルム | 120フィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 固定式 |
発売年 | 1933年〜 |
銀塩カメラのなかでも人気が高い、二眼レフカメラ。
独特のかわいい外観もあって、カメラ女子にもファンが多い機種です。
そんな二眼レフカメラをこれから手に入れるなら、断然おすすめなのが「ローライコード」(Rolleicord)。
ローライコードは、ドイツ製の二眼レフカメラ。
ドイツ製の銀塩カメラは、カメラの中でも最高級品として知られています。
このローライコードも、ドイツ製のカメラとしては定番のもののひとつ。
1950年代、ローライコードをもとに、日本でも数多くのコピー製品が作られたのですが、こちらがそのオリジナルとなるのです。
二眼レフカメラを買いたいというときに、日本製のものを買うか、ドイツ製のローライを選ぶのかは悩むところ。
ですが、いまなら「本家」ローライがとても安く中古で入手できるので、もし迷っていたら、最初から本物のローライを買うのがおすすめだといえます。
ローライコードにはさまざまな種類がありますが、途中で各種改良が行われているため、1952年発売の「IV型」か、1957年から製造された「V型」がおすすめ。
なかでもV型の最終版、Vb型は定評があります。
関連記事
ローライコードについては以下の記事で、バリエーションの紹介や使い方を詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてくださいね。
また二眼レフカメラについては、こちらでおすすめの機種を紹介しています。
7.CONTAX Aria
こんな人におすすめ
露出は自動がいい!
見た目が格好いいカメラが欲しい
最高のレンズが使いたい!
CONTAX Ariaの解説
種類 | 一眼レフカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 電子式 |
AE(自動露出) | プログラムAE・シャッター優先AE・絞り優先AE |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 固定式 |
発売年 | 1998年 |
CONTAX Aria(コンタックス アリア)は、日本のメーカー、京セラ(旧ヤシカ)がドイツの光学機器メーカー、カール・ツァイスと提携して作ったカメラのひとつ。
1990年代の銀塩カメラのなかでも、とくに人気のもののひとつです。
おすすめの理由はいくつもありますが、まず、ドイツのモダンデザインの流れを受け継いだ黒くスタイリッシュなボディ。
そして、自動露出で初心者でも簡単に撮影できるということ。
最後に、なんといってもカール・ツァイスが誇る、世界最高峰の味と描写を兼ね備えたレンズが使えることです。
機能面を見てみると、1998年と銀塩カメラとしては発売が比較的新しいため、AE(自動露出)の精度は十分。
フィルムの性能を存分に引き出してくれるでしょう。
ピントはマニュアルフォーカスです。
また、このCONTAX Ariaはとくに女性にも人気の機種。
その秘訣が、ボディがとても軽量で、扱いやすいということです。
いまでは日本を代表する写真家のひとりとなった、蜷川実花も愛用した銀塩カメラとして知られており、このAriaを使っているだけで、きっと一目置かれることでしょう。
CONTAX Ariaにおすすめのレンズ最初の1本
CONTAX Ariaにレンズを合わせるなら、最初の1本は、「Planar T* 50mm F1.4」がおすすめ。
カール・ツァイスが誇るT*コーティング(ティースターコーティング)が施されており描写力抜群。
世界最高峰と名高い銘レンズです。
CONTAX Ariaについては以下の記事でも解説しています。
8.Leica M6
こんな人におすすめ
ライカが使ってみたい
レンジファインダーカメラが使ってみたい
最高のカメラがほしい
Leica M6の解説
種類 | レンジファインダーカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 交換式 |
発売年 | 1984年 |
「ライカ」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
ライカとは、ドイツ製の高級カメラ。
銀塩カメラの最高峰として知られており、現在でも高級デジタルカメラとして販売が続いています。
そんなライカのなかでも、銀塩カメラ初心者の方におすすめなのが、このLeica M6(ライカM6)です。
ライカM6は、「M型ライカ」というシリーズのひとつ。
特徴は露出計を内蔵していること。
M型ライカの他の機種は、露出計をそもそも内蔵していなかったり、露出計があっても使いにくかったり、経年劣化で壊れていたりすることも多いですが、このライカM6は、露出計が問題なく実用的に使えます。
露出について知識があまりない初心者の方でも、ライカを扱うことができるでしょう。
ライカは、「レンジファインダーカメラ」という種類の銀塩カメラ。
ピントを合わせる方法が一眼レフカメラと異なりますが、スナップ撮影には最高の使いやすさを発揮します。
関連記事
レンジファインダーカメラについては以下の記事でどのようなものか解説しています。
ライカM6の詳細については、使い方も含め以下の記事で徹底解説しています。
ライカM6におすすめのレンズ最初の1本
ライカM6に取り付けるレンズを最初に買うなら、理想なのは、ライカ純正のレンズを選ぶこと。
具体的には、ズミクロン50mm F2、ズミクロン35mm F2、ズマロン35mm F2.8などがよいでしょう。
ライカのレンズについては以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
ただしライカのレンズは中古でも非常に高価。
そこで、廉価に対応レンズを買いたいときには、日本のカメラメーカー、コシナが販売している「フォクトレンダー」ブランドのレンズを選ぶのもおすすめです。
具体的には、カラースコパー35mm F2.5や、カラースコパー50mm F2.5がとくに廉価に手に入れやすいでしょう。
フォクトレンダーのレンズについては以下の記事で解説しています。
9.CONTAX T2
こんな人におすすめ
簡単に使えるカメラがほしい
高級感あるカメラがほしい
最高のレンズが使いたい!
CONTAX T2の解説
種類 | 高級コンパクトカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 電子式 |
AE(自動露出) | プログラムAE、絞り優先AE |
ピント合わせ | オートフォーカス |
レンズ | 固定式 |
発売年 | 1990年 |
CONTAX T2(コンタックスT2)は、「高級コンパクトカメラ」というジャンルに属する銀塩カメラ。
コンパクトカメラの特徴は、「押すだけで写せる」ということ。
ピントも、露出も、巻き上げも、巻き戻しも自動で行ってくれるので使用はとても簡単です。
それでいて、このコンタックスT2は高級カメラとして開発されたものなので質感は抜群。
外装はチタン製で、シャッターボタンは人造結晶サファイア。
ふんだんに手間がかかった仕上げが楽しめます。
そしてなによりも、搭載されたカール・ツァイス製のレンズの描写は絶品。
鮮やかな色乗りと、切れ味鋭い解像力。
搭載されたレンズ、Sonnar T* 38mm F2.8は、このようなコンパクトなカメラとしては最高峰のレンズだといえるでしょう。
写ルンですと同じくらいの小さなボディで世界を美しく切り取る。
CONTAX T2はそんなカメラです。
関連記事
以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
10.Rollei 35
こんな人におすすめ
小さくて精密なカメラが欲しい!
一生使えるカメラが欲しい!
最高のレンズが使いたい!
Rollei 35の解説
種類 | 高級コンパクトカメラ |
使用するフィルム | 35mmフィルム |
シャッター | 機械式 |
AE(自動露出) | なし(マニュアルのみ) |
ピント合わせ | マニュアルフォーカス |
レンズ | 固定式 |
発売年 | 1967年〜 |
Rollei 35(ローライ35)は、ドイツ製のコンパクトカメラ。
上で紹介したコンタックスT2と同じように、非常に小型かつ高性能のレンズを搭載した機種です。
ただし、大きく違うのが使い方。
基本的には「押すだけ」の操作で撮影できるコンタックスT2に対して、こちらのローライ35は、絞りやシャッター速度、ピントといった操作を手動で行う必要があります。
自動で手軽に撮るか、じっくりと手動でカメラの操作を楽しむか。
同じ高級レンズ搭載カメラですが、どちらの撮り方が自分に合っているかで選ぶとよいでしょう。
メーカーは上で紹介した「ローライコード」と同じ。
ドイツを代表するメーカーの銀塩カメラだけあって仕上げは抜群。
レンズはカール・ツァイスの流れを汲むもので、テッサー(Tessar)やゾナー(Sonnar)といった銘レンズが搭載されています。
こちらも描写力には定評があり、上記のコンタックスT2に負けず劣らずの空気感あふれる写真が撮れますよ。
機械式カメラなので、オーバーホールして一生使い続けられるのもポイント。
小型カメラとしては最高の選択肢のひとつです。
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ローライ35については、以下の記事で詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
初心者におすすめの銀塩フィルム
フィルムカメラ初心者の方が撮影するとき、最初に選ぶフィルムは「カラーネガフィルム」がおすすめです。
具体的には――
35mmフィルム
35mmフィルムカメラ(この記事で紹介している中では、Rolleicord以外、すべて35mmフィルムを使います)ではこちらのカラーネガフィルムがおすすめです。
中判の120フィルム
中判カメラ(この記事ではRolleicord)では、こちらのカラーネガフィルムがおすすめです。
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どこでも持ち歩ける相棒です。
銀塩カメラで味わい深い写真を撮ってみませんか?
このように、それぞれ個性豊かな銀塩カメラたち。
写ルンですでフィルムカメラの楽しさを知ったという方も、デジタル一眼カメラで撮影していて、フィルムに興味を持ったという方も、銀塩カメラに触れることでさらに写真の楽しみが広がりますよ。
ぜひあなたも、お気に入りの銀塩カメラを見つけてみませんか?
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