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フジカGS645 クラシカルな蛇腹カメラを復活させたモダンな中判カメラ

Fujica GS645

今回は富士フイルムの蛇腹中判カメラ、フジカGS645について解説します。

富士フイルムは、実は中判カメラを長く作り続けているメーカー。
このフジカGS645もまた、フジが1980年代に送り出した、蛇腹の中判カメラのひとつとなります。

蛇腹を採用した、ともすればクラシカルな外観ながら、高性能のフジノンレンズと使いやすいレンジファインダーにより、軽快なスナップカメラとして高い完成度を実現しました。

蛇腹を採用した645判、いわゆるセミ判のカメラというと、どうしても戦前〜戦後すぐのフォールディングカメラを連想しますが、このフジカGS645は、その末裔にして、大きくブラッシュアップした存在でもあるといえるでしょう。

外観の完成度の高さも相まって、フジノ中判カメラとして中古での人気もなかなかのもの。

645判の中判カメラを中古で探している方にとっては、実用的かつ貴重な選択肢だといえるでしょう。

今回は、そんなフジカGS645について、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが、その魅力と特徴を解説します!

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フジカGS645

フジの中判蛇腹カメラ、フジカGS645。
いったいどんなカメラなのでしょうか?

フジカGS645の性能・スペック

Fujica GS645

形式 645判蛇腹フォールディングカメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/500秒
機械式 レンズシャッター
露出計 内蔵
露出 マニュアルのみ
ファインダー 一眼式レンジファインダー
レンズ EBC Fujinon S 75mm F3.4
撮影フォーマット 645判
電池 LR44(Amazon)x2またはSR44(Amazon)x2
発売年 1983年

フジカGS645の特徴とは

Fujica GS645

フジカGS645(Fujica GS645)は、富士写真フイルム(現・富士フイルム)が1983年に送り出した、蛇腹を採用した中判カメラ。

中判の中でももっとも小さい645判を採用した機種となります。

なんといっても蛇腹を採用した外観が目を惹きますが、それ以外にも、1980年代前半という時期を反映し、適度にモダンで実用的な仕様多く取り入れられています。

なお、「フジカ」(Fujica)とは、富士フイルムが1980年代初頭まで用いていたカメラブランド。
その名の通り、フジ(Fuji)のカメラ(Camera)なのでフジカという名前となりました。

このフジカGS645は、実は同ブランドの最後の機種。
次の機種からは、「富士フイルム◯◯」という名称になってしまいました。

露出計の内蔵

フジカGS645は露出計を内蔵。

TTL測光でこそありませんが、LED表示で露出を確認することが可能です。

露出計を内蔵した中判カメラというと、どうしても機種が限られてしまうもの。
プラウベル・マキナやニューマミヤ6、マミヤ7など、どの機種も非常に中古が珍重されていますが、このフジカGS645もまた、645判としては数少ない実用的な露出計を内蔵している選択肢

現代の目から見ても、中古フィルムカメラとしては標準的な使用感で露出を求めることができるので、露出計のない古い中古中判カメラに比べ、ずっと迅速に撮影を楽しむことができますよ。

蛇腹で折りたたみが可能

Fujica GS645

Fujica GS645

外観上の最大の特徴が、蛇腹を採用していること。

蛇腹を使ったカメラというと、戦前〜1950年代に世界を席巻した、いわゆるフォールディングカメラを連想するのではないでしょうか。

イコンタを始めとした蛇腹フォールディングカメラの名機は、たしかに描写はとてもよく、中古でもけっして人気がないわけではありません。
しかし、写真作品を作る道具としては、使用が少し不便だったり、クラシックな機種すぎて信頼性に疑問があるのは仕方がないところ。

その点、このフジカGS645は、蛇腹を採用している・機械式シャッターである・中判カメラである、ということ以外は徹底的にブラッシュアップ。

蛇腹フォールディングカメラの特徴、薄く折りたたんで持ち運ぶことができることはそのままに、描写力や使いやすさが、マニュアルフォーカスのフィルムカメラが爛熟期に達していた1980年代ならではのとてもハイレベルなものとなっていますよ。

一眼式レンジファインダー

フジカGS645の中古人気の秘訣。
そのひとつが、一眼式のレンジファインダーを搭載していることだといえるでしょう。

少しでもカメラについて知っている人なら一目でそれとわかる、大きく見やすいファインダー窓。
レンジファインダーカメラならではの、軽快かつ迅速な撮影を行うことが可能です。

中判のレンジファインダーカメラといえばプロの写真作家の愛用する道具として知られていますが、このGS645もまた、鋭く景色を切り取る道具として、縦横無尽に活躍してくれることでしょう。

高性能EBCフジノンレンズ

Fujica GS645

さて、このフジGS645が搭載しているレンズもまた逸品です。

搭載レンズはEBC Fujinon S 75mm F3.4

ポイントは、レンズ名に付けられた「EBC」。
EBCとは、「Electric Beam Coating」の略で、富士フイルムが開発した定評ある高性能コーティングのこと。

ツァイスのT*コーティングをはじめ、世界にはいくつもの名コーティングが存在しますが、フジのEBCコーティングは、おそらく日本メーカーのなかではもっとも実力あるものと言って間違いないでしょう

逆光耐性が非常に高く、ヌケの良さも抜群。
常に明瞭な画像を切り取ります。

35mmの約3倍に相当する645判の大面積とあいまって、非常に緻密な写真を残すことができますよ。

なおGS645はレンズにフィルター枠ネジが切られておらず、フードを使いたいときには専用品が必要
逆光耐性は高いので、仮に中古でフードが手に入らなかったというときにも、EBCコーティングの実力が大きな強みになってくれることでしょう。

標準レンズの画角が好きならGS645

後述しますが、このフジカGS645には、より画角が広いレンズを搭載したバリエーションが存在します。

レンジファインダーカメラの常用レンズというと、標準レンズを使うか広角レンズを使うか、好みが大きく二分されるところですが、標準レンズが好きなら、断然こちらのGS645がおすすめ!

搭載レンズの75mmという焦点距離は、35mmフルサイズ換算で約47mmとなるため、ほぼ50mmと変わらない感覚で撮影を楽しむことができますよ。

軽量なプラボディ・80年代デザイン

Fujica GS645

GS645の外装は基本的にプラスチック製。

以前は中古カメラといえば金属製のものばかりが取り沙汰されてしまっていたきらいがありますが、実は現在、プラスチック外装のカメラが見直されつつあります。

フジカGS645のデザインは、見れば見るほどに魅力的な80年代ならではの直線的デザイン
90年代に曲面が多用されるようになる以前のモダンな仕上げは、セミレトロなデザインの真骨頂。

若い世代の間で見直されつつある80年代文化の香りを、存分に味わうことが可能です。

さらに、プラスチックボディのため、中判カメラとしては非常に軽量
折りたたむことで、いつでも、どこでも持ち歩くことができますよ。

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645判ならGS645とGA645どちらがおすすめ?

さて、富士フイルムが製造した645判のフィルムカメラには、このGS645のほか、AF機のGA645も存在します。

これから中古で中判カメラを手に入れたいというときに、どのように選んだら良いのでしょうか?

結論からいえば、両者はコンセプトが全く異なるため、用途によって選ぶのがおすすめです。

手作業で撮影を楽しみたいならGS645

Fujica GS645

この記事で紹介しているフジカGS645は、レンジファインダーのマニュアルフォーカス、かつマニュアル露出の機種。
それだけに、ピントを自分で合わせ、露出を自分で決めて撮るなら、GS645に利があることは言うまでもありません。

中判カメラの大画面は、撮影者の意図を反映してこそフルに活かすことができるもの。

ハイアマチュアやプロの使用を前提として作られたGS645は、使えば使うほどにポテンシャルを引き出すことができる中古カメラだといえるでしょう。

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気軽に中判を楽しむならGA645

GA645i

いっぽう、オートフォーカス、プログラムAE、さらに、巻き上げまで自動化されたGA645は、GS645とは対極のコンセプトのカメラだといえるでしょう。

プロ・ハイアマチュア向けのGS645に対し、GA645は中判カメラを初めて手にする人向け。
露出やピントはカメラに任せて、中判の高画質を堪能したい。
そんな方にはGA645が最適です。

GA645については、以下の記事でも紹介しています。

FUJIFILM GA645シリーズ 最も簡単に使える中判カメラ

GS645のバリエーション

さて、そんなフジカGS645にはバリエーション機種が存在しています。

特徴はどちらも広角レンズを搭載した機種ということ。
広角レンズ搭載の中判カメラということもあり、中古での人気もなかなか。

いっぽうで、どちらも蛇腹はオミットされてしまいました。

富士フイルムGS645W(1983年)

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GS645に広角レンズを搭載した機種です。

搭載レンズはEBC Fujinon W 45mm F5.6

35mmフルサイズ換算で28mmに相当する画角となります。

基本的にボディは同一ですが、大きな違いとして、シリーズ中この機種のみ、距離計がなく目測式ということが挙げられます。

実際問題として28mmの広角ではレンジファインダーでのそこまで厳密な距離合わせは必要ないかもしれませんが、中古を入手する際には、ギミックとしての距離計の有無をどこまで重視するかがポイントとなるのではないでしょうか。

また鏡筒は固定式。
外観上の大きな特徴として、レンズ周囲に太い保護バーが取り付けられています。

富士フイルムGS645S(1984年)

Fujica GS645S

準広角レンズを搭載した機種です。

レンズはEBC Fujinon W 60mm F4
35mmフルサイズ換算では約37mm相当と、かなり「使いでのある」焦点距離だといえます。

スナップ用のカメラとしては、ベストに近い焦点距離なのではないでしょうか。

こちらもボディの機構面では基本的にGS645と同様。
GS645Wとは異なり、距離計も内蔵されています。

いっぽう、こちらも蛇腹はなく固定鏡筒です。

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フジカGS645 中古購入のポイント

最後に、フジカGS645の中古購入時に注意したい点を解説します。

中古で気をつけるのは、蛇腹の状態。
これに尽きます。

フジカGS645は蛇腹の劣化に注意

フジカGS645には大きなウィークポイントがあります。

それが、蛇腹の素材が非常に劣化しやすいということ。
昔のクラシカルな革素材の蛇腹と異なり、ビニール系の素材を使っているため、多くの個体が経年劣化してしまっています。

蛇腹を使った見た目も、折りたたみ機構も非常に魅力的ですが、穴が空いて光漏れしてしまっては全く意味がありません。

幸いフジカGS645は修理業者で蛇腹を直すことが可能。

これから中古で購入する際には、蛇腹が修理・交換された個体か、オリジナルのものでも蛇腹の状態がとても良いものを選ぶのが鉄則です。

なお当然ながら、蛇腹がないGS645SとGS645Wにはこの問題はありません。

おすすめの120フィルム(中判フィルム)

中判カメラで使う120フィルムは、以下のものがおすすめです。 ポジフィルム(リバーサルフィルム)で撮影するなら、富士フイルムのPROVIA 100Fが定番です。
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フジカGS645で軽快な中判撮影を楽しみませんか?

中古フィルムカメラの中でも、中判カメラはデジタルとはまた異なる、丁寧な撮影が楽しめるカメラ。

GS645なら、クラシカルさとモダンさをあわせ持った、80年代らしいセミクラシックな魅力も味わうことができますよ。

ぜひGS645で、中判カメラの楽しみを満喫してみませんか?

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3.SONY α7C ILCE-7CL
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著者紹介: サンライズカメラ

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