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マミヤプレス 実用的な6×9判中判中古カメラとして貴重な選択肢

マミヤユニバーサルプレス
マミヤユニバーサルプレス

今回は中判フィルムカメラ、マミヤプレスについて紹介します。

マミヤプレス。
中古カメラファンの方でも、使ったことがある方のほうが少ないかもしれません。

他のどの中古フィルムカメラとも似ていない独特な外観。
そして、レンズはもちろんのこと、フィルムバックを交換することができる高度なシステム性
最大で6×9判、フィルムバックを交換することで6×7判での撮影も可能です。

さらにモデルによってはアオリまで可能

いっぽうで、シャッターのセルフコッキングや、二重写し防止機構なども存在しないため、1枚1枚を手間ひまかけて撮影することになります。
撮影時の手順は大判カメラにも似ているため、大判にも興味があるが、中判のロールフィルムで撮影したい!
という方にもおすすめ。

一風変わった中古フィルムカメラ、マミヤプレスシリーズを手に入れて、大面積の6×9判を楽しんでみませんか?

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マミヤプレス(Mamiya Press)

中古フィルムカメラのなかでも、独特の立ち位置を占める機種。
それがマミヤプレス(Mamiya Press)です。

いったいどんなカメラなのでしょうか?

マミヤプレスの性能・スペック

マミヤユニバーサルプレス
マミヤユニバーサルプレス

形式 中判カメラ(プレスカメラ)
シャッター速度 B、1秒〜1/500秒
機械式 レンズシャッター
露出計 なし
露出 マニュアルのみ
ファインダー 一眼式レンジファインダー
レンズマウント マミヤプレス専用スピゴットマウント
対応レンズ マミヤプレス専用レンズ
撮影フォーマット 主に6×9、6×7
電池 不要
発売年 1960年〜

マミヤプレスとは

マミヤユニバーサルプレス

マミヤプレス(Mamiya Press)は、中判カメラに強みを持つ日本のカメラメーカー、マミヤが販売した中判カメラ。

「プレス」という名前からわかるとおり、本来は新聞などの報道用に開発されたものです。

昔の映画などで、新聞記者が蛇腹のついた大型のカメラで撮影しているシーンを見たことがあるのでは。
マミヤプレスも、まさにそのような用途のために作られたカメラなのです。

ただし、マミヤプレスの登場した1960年は、ニコンFも登場し、すでに報道用カメラの主力が小型の35mmに移行しつつあった頃。

それもあり、マミヤプレスは報道用というよりも、大面積の6×9フィルムを活かして、写真館でのポートレート撮影や、学校行事の集合写真といった用途で用いられることが多くなったのでした。

では、マミヤプレスは、機構面ではどんな特徴を持っているのでしょうか?

レンズはレンズシャッター・交換式

マミヤユニバーサルプレス

マミヤプレスは、広角50mm(35mm換算約22mm)から望遠250mm(換算108mm)までを取り揃えたシステムカメラ。

レンズマウントは専用のスピゴット式。

マミヤ伝統のセコールレンズが、大画面に世界を焼き付けます。

なお6×9判の場合標準レンズは100mm(換算43mm)か127mm(換算55mm)が相当します。
75mm(換算33mm)もよく使われていたようです。

フィルムホルダー交換式

マミヤユニバーサルプレス

マミヤプレスの特徴が、フィルムホルダーが交換式であるということ。

横方向にフィルムを送るフィルムホルダーは、ボディと連動していない非常に単純な構造
引き蓋を差し込むことで、撮影中のフィルム交換も可能です。

フィルムホルダーには6×9、6×7のもの(ロールフィルムホルダーI型〜III型)のほか、6×6や6×4.5に対応したもの(ロールフィルムホルダーK型)も存在。

マミヤプレス K型フィルムホルダー
645・66対応のK型フィルムホルダー

中古で探す場合には、6×9と6×7が手に入りやすいと思われます。

フィルムホルダー自体は120フィルムのほか、220フィルムに対応したものもありますが、220専用のフィルムホルダーというものはなく切り替え式なので、中古購入時には気にしなくてもOK。

なおポラバックもありました。

連動機構がなく「フィルムを巻き上げるだけ」という非常に単純な機能を活かして、マミヤプレス用ロールフィルムバックは、カメラの改造や自作を行うマニアや、ピンホールカメラの作成などにも重宝されたといいます

レンジファインダー(連動距離計)装備

マミヤプレスはボディ上部にレンジファインダー(連動距離計)を装備しています。

この部分だけは交換レンズと連動するので、ピント合わせは簡単です。

後部でアオリが可能

またマミヤプレスは、一部機種を除き、ボディ後部に蛇腹アオリ機能を装備しています。

シフトやライズはできませんが、フィルム面を傾ける操作が可能です。

中古マミヤならサンライズカメラ
中古マミヤならサンライズカメラ

これ以上ないシンプルなカメラ

マミヤユニバーサルプレス
マミヤユニバーサルプレス

マミヤプレスは、非常にプリミティブな構造を持った、単純なカメラです。

「カメラ」という言葉は、ラテン語の「カメラ・オブスクラ」(camera obscura)に由来しています。
これは「暗い部屋」という意味。

そう、カメラの本質は暗い部屋、すなわち完全に暗黒を作り出すことができる箱
暗箱です。

マミヤプレスの構造は、この暗箱以上でも以下でもありません。

シャッターはレンズについている。
フィルムは後部に取り付けるフィルムホルダーに入れる。

そして、それぞれは動作が連動していない
ボディ自体は、レンジファインダーを除けば、単なる暗箱という機能しか持っていないのです。

の特徴から思い浮かぶのが大判カメラ。
そう、マミヤプレスでの撮影方法は、大判カメラでの撮影と非常に似通っているといえるでしょう。

1枚撮影するごとにフィルムを巻き上げ、シャッターをチャージし、撮影する。

さらになんと、アオリ機構がある都合上、大判同様フォーカシングスクリーンでのピント合わせも可能です。

マミヤプレス用フォーカシングスクリーン

マミヤプレス用フォーカシングスクリーン

手作業感あふれる、1回1回を大切にする撮影。

手間ひまかけて写真を作り出す体験は、他の中古フィルムカメラではなかなか味わえないものだといえるのではないでしょうか。

(大判カメラについてはこちらで解説しています)

おすすめの大判フィールドカメラ6選 今こそ中古で大判を楽しもう!

中古マミヤならサンライズカメラ
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マミヤプレスの魅力

では、マミヤプレスをこれから選ぶときに、いったいどんなことが魅力となるのでしょうか。

6×9判カメラの数少ない選択肢

中判の120フィルムは、6×4.5、6×6、6×7、6×8、6×9と、さまざまなフォーマットで撮影可能です。

なかでもこのマミヤプレスの特徴が、6×9判で撮れるということ。

実は、120フィルムを最初にフィルムメーカーのコダックが発売したとき、基本となるフォーマットは6×9判でした。
6×6や6×7は、同じサイズのフィルムを流用して、後年追加された画面サイズなのです。

しかし元祖ともいえる6×9判は、比較的新しい設計の中判フィルムカメラではあまり採用されなくなってしまいました。

撮影の道具として現実的な選択肢は、このマミヤプレスか、富士フイルムのGW690シリーズだけ。

GW690III

6×9判は縦横比が3:2で35mmフィルムと同一なので、実は使いやすいフォーマット。
そのため、これから写真で作品を作りたいというときに、マミヤプレスは貴重な道具となってくれるでしょう。

マミヤプレスとGW690を比較

では、同じ6×9判のマミヤプレスとGW690は、それぞれどんなメリット・デメリットを持っているのでしょうか。

まずマミヤプレスの強みは、レンズ交換が可能なこと。
そして中古価格がとても安価だということです。

いっぽうGW690は35mmフィルムカメラとほぼ同様の操作が可能
ただしレンズが固定式で、値段も高いです。

連続して何枚も撮影するような撮影では明らかにGW690に分がありますが、そもそも6×9判は1本のフィルムにつき8枚撮り。

いまとなっては、マミヤプレスもうまく使えばけっしてGW690に負けるカメラではありません。

GW690について詳しくはこちら

FUJIFILM(富士フイルム)GW690シリーズは6×9判を味わう最高の選択肢

中判カメラの購入で迷ったら、ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。

中判カメラ入門 初めての中判におすすめの中古フィルムカメラ10選

筆者とマミヤプレス

筆者も実は、以前マミヤプレスを使用していたことがありました。

使用していたのはマミヤプレススーパー23。
レンズは100mmを装着していました。

マミヤプレスを選んだ理由、それはやはり6×9判というフィルムフォーマットのため。

筆者は当時、フィルムで写真作品を制作しており、最初は35mmフィルムで撮影していたのですが、途中で中判カメラに機材を変えようと思ったのです。

しかし、ペンタックス67のような6×7判では、ノートリミングでプリントすると画面の縦横比が異なるので作品に一貫性を持たせることができません。

そこで6×9判を選ぼうとしたのですが、同様に6×9判のフジGW690シリーズは高価。
また、イコンタなどの古い蛇腹カメラは信頼性に難があります。

ということで白羽の矢が立ったのがマミヤプレス。
安価で、壊れにくく、よく写る。

三脚を据えて6×9判で撮るという場合、まさにこれ以上ない最高の選択肢でした。

中古マミヤならサンライズカメラ
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マミヤプレス各機種解説

では以下に、マミヤプレスの各機種を解説します。

基本的にはマミヤプレスは、ボディデザインによって前期モデルと後期モデルに大別できます。

(前期・後期とは筆者が便宜的につけたもので、カメラ愛好家の間で公に認められているものではありません)

前期のマミヤプレス

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機種名 発売年 特徴
マミヤプレス 1960年 初代モデル
アオリ有
マミヤプレスG 1962年 フィルムバック規格が他モデルと異なる
(グラフレックス規格)
アオリ有
マミヤプレスS 1963年 アオリを省略
レンズが固定式(セコール100mm F3.5)
マミヤプレススタンダード 1964年 アオリ省略。レンズ交換式。

後期のマミヤプレス

マミヤユニバーサルプレス
マミヤユニバーサルプレス

機種名 発売年 特徴
マミヤプレススーパー23 1966年 デザインが大幅に変更
アオリ有
マミヤユニバーサルプレス 1969年 アオリ省略
ポラバック装着可能に

マミヤプレスのおすすめモデル

さて、マミヤプレスをこれから中古購入するならどのモデルがおすすめなのでしょうか?

実用として考えるなら、おすすめはマミヤプレススーパー23、もしくはマミヤユニバーサルプレス

ただし、基本的にはボディ自体は暗箱にすぎないので、前期モデルでも実用上は実はそこまで変わりません

さらに一言付け加えるなら、マミヤユニバーサルプレスのようにアオリがない機種のほうが、劣化しやすい蛇腹部品がないため、光漏れの心配が減るといえるでしょう。

マミヤプレスのレンズ 中古購入のポイント

いっぽうレンズについては、明確に前期型より後期型のほうがよいです。

前期型はクラシカルな銀鏡筒。

65mm F6.3 マミヤプレス用
前期型のレンズ

いっぽう後期型はモダンな黒鏡筒で、絞りやシャッタースピードの操作性が、明らかに良好になっています。

127mm F4.7 マミヤプレス用
後期型のレンズ

レンズマウント自体はボディ・レンズともに前期・後期の互換性があるので、前期型のボディに後期型のレンズもおすすめです。

具体的には後期型のセコール100mm F3.5かセコール127mm F4.7が入手しやすいのではないでしょうか。

中古マミヤならサンライズカメラ
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マミヤプレス中古購入時にぜひ用意したいアクセサリー

さて最後に、マミヤプレスを中古で購入するときに揃えたいアクセサリについて解説します。

グリップ

マミヤユニバーサルプレス

マミヤプレスは、そのままだと手持ち撮影は困難。
購入時にはぜひ専用グリップを用意しましょう。

グリップはボディ側面にネジで固定することが可能です。

またグリップにはレリーズボタンも内蔵されていて、レンズにつなぐことで手元でのレリーズが可能となります。

なお同様のレリーズ機能は、フィルムバックIII型にも内蔵されています。

Mアダプター(マミヤユニバーサルプレス用部品)

マミヤユニバーサルプレスを購入するときにだけ、注意が必要な部品があります。

それが「Mアダプター」

マミヤユニバーサルプレスはポラバックやグラフレックス規格バックの装着が可能なのですが、そのために、通常の「マミヤプレス規格フィルムホルダー」を取り付けるときにもアダプターが必要となります。

それがこのMアダプター。
基本的にはボディとセットで販売されているものですが、万一ついていないと単体入手は難しいので、マミヤユニバーサルプレスを中古購入するときには気をつけましょう。

簡単な見分け方としては、そもそもマミヤプレス規格のフィルムホルダーが最初からボディとくっついていれば、絶対に間にMアダプターが挟まっているはずなので問題ありません。

マミヤプレスの関連商品

中判カメラで使う120フィルムは、以下のものがおすすめです。 ポジフィルム(リバーサルフィルム)で撮影するなら、富士フイルムのPROVIA 100Fが定番です。
フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!

マミヤプレスで6×9判を楽しもう!

このようにマミヤプレスは貴重な6×9判の選択肢のひとつ。

1枚1枚に手間と愛情をかけた撮影が味わえます。

ぜひあなたもセコールレンズの切れ味を楽しんでみませんか?

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1.SONY α7 IV ILCE-7M4
SONYのミラーレス一眼カメラの王道!
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2.Nikon Z6II
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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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