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M型ライカ各機種名鑑!世界最高の中古フィルムカメラ徹底解説

ライカM3

今回は、フィルムカメラのM型ライカについて紹介します。

いま人気のフィルムカメラ。
フィルムならではのあたたかみあふれる写真が撮れることや、デジタルカメラにはない、工芸品のように精密な質感を味わえることが魅力です。

なかでも、ぜひ手にしてみたいのがM型ライカ。
ライカとは、ドイツ製の高級フィルムカメラ。
すべてのカメラの王様とも呼べる存在です。

昔ならM型ライカでフィルムカメラを始めるのは難しかったのですが、いまなら、以前に比べ手頃な値段で中古が手に入るようになっています。
初心者の方がM型ライカでフィルムカメラに入門するのも現実的な選択になったといえるでしょう。

それでは、数多く存在するM型ライカには、どんな機種が存在するのでしょうか?
そして、とくにおすすめの機種は?

フィルムカメラのM型ライカとはどのようなものか。
中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが解説します!

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いまおすすめのフィルムM型ライカ

まず最初に、これからM型ライカを中古で手に入れるときに、とくにおすすめの機種を紹介します!

1.ライカM3

ライカM3

まず最もおすすめなのがライカM3

ライカM3は最初のM型ライカにして、それ以降の機種にはない特徴を持ったフィルムカメラ。
のちの機種に比べファインダーがコスト度外視の設計となっており、他のM型ライカとは次元が異なるクリアなファインダーを味わえます。

ライカ製品としてもっとも仕上げのよい時期のもののため、歴史上最高の品質を存分に味わえますよ。

ただし、広角35mmレンズの使用にはあまり向いていないので、広角が好きな方は次におすすめするライカM2を選ぶとよいでしょう。

2.ライカM2

ライカM2

ライカM2(Leica M2)は、ライカM3の機構を簡略化し、ファインダーを広角レンズに対応させた機種。

標準では50mmレンズまでしか対応していなかったライカM3に対して、ライカM2では35mmレンズの使用が可能です。

仕上げの面でもライカM3に匹敵し、ドイツ製カメラのもっともよい時代の質を楽しめるのもおすすめポイントです。

3.ライカM6

ライカM6

露出計が内蔵されたM型ライカ
それがライカM6

上で紹介したライカM3やM2は、光の明るさを測る露出計が内蔵されておらず、単体露出計や露出系アプリといった道具を使う必要があります。
その点、このライカM6なら特別な道具なしに、ファインダー内の表示を見ながら露出を合わせて撮影することができるのです。

精密感ではそれ以前のM型ライカに譲る部分もありますが、さすがドイツ製だけあって使い心地はハイレベル。

便利な実用ライカとしておすすめできる機種です。

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世界最高のフィルムカメラ・M型ライカ

世界最高峰のフィルムカメラ、それがM型ライカ。

まず、M型ライカとはどのようなカメラなのか、簡単に解説します。

M型ライカとは

M型ライカとは

M型ライカとは、ドイツで製造された/されているフィルムカメラ。

フィルムカメラのなかでも、その高級感と質感、撮影できる写真のクオリティ、ステータス性に至るまで、すべてを兼ね備えた最高峰と呼べる存在です。

現在、M型ライカにはデジタルカメラの機種も存在し、同時にフィルムカメラも並行して販売されていますが、実際に手に入れるなら中古で購入するのがおすすめ。

M型ライカは、長い歴史を経てなおその価値を増していく、工芸品のような存在。
現代のライカもいいですが、1950年代、60年代に製造されたM型ライカを中古で手にすることで、その時代にしか実現できなかった、ドイツの職人による仕上げを堪能することができますよ。

また、非常に高額になってしまった現代のライカに比べ、中古のM型ライカは機種によっては比較的安価なのもポイントです。

M型ライカはレンジファインダーカメラ

ライカM3

M型ライカは、フィルムカメラのなかでも、「レンジファインダーカメラ」という形態に分類されます。

レンジファインダーカメラとは、「連動距離計」を搭載しているフィルムカメラのこと。

レンジファインダー(連動距離計)とは、光学的に距離を計測する機構。

ライカM3のファインダー

プリズムや鏡を組み合わせることで被写体とカメラの距離を測り、ピントをあわせることを可能としています。
余談ですが、この連動距離計という機構は、大型のものが戦艦大和を始めとする軍艦にも搭載されていたことで知られており、戦後、日本のカメラメーカーが隆盛する下地にもなりました。

M型ライカは、このレンジファインダーカメラという種類のなかでももちろん最高級。
というよりも、M型ライカはレンジファインダーカメラのスタンダードと呼べる存在です。

すべてのレンジファインダーカメラは、ライカの影響下にあると言って間違いありません。
中古フィルムカメラのなかでもレンジファインダーカメラに興味を持った場合、とくに、M型ライカは避けて通れない存在になるともいえます。

M型ライカ小史

そんなフィルムカメラのM型ライカが登場したのは1954年のこと。

ドイツの写真関係の見本市「フォトキナ」で、最初のM型ライカ、ライカM3が鮮烈なデビューを飾ったのです。

ライカM3

いまではクラシックな中古カメラに見えてしまうM型ライカですが、当時はカメラの世界に革新を起こした存在でした。

M型ライカの登場

ライカの製造元、エルンスト・ライツ(Ernst Leitz)はそれ以前、「バルナックライカ」と呼ばれるカメラを製造・販売していました。

バルナックライカとは、35mmフィルム(戦後〜現在にかけてもっとも一般的なフィルム)を用いたカメラの元祖とも呼べる存在。
バルナックライカは当時の高級カメラのデファクト・スタンダードに近い立ち位置を占めていました。

バルナックライカについては以下の記事で紹介しています。

バルナックライカ徹底解説!中古の見分け方から使い方まで

そんなバルナックライカは(第二次大戦の敗戦でドイツ国内の特許が公開されたこともあり)日本や旧ソ連などのメーカーに模倣され、コピー製品も盛んに作られていました。

なかでも日本のメーカーが、バルナックライカを模範に、追いつき、追い越そうとしていたのが1950年代前半の状況。
最初のM型ライカ、ライカM3の登場直前、日本メーカーのフィルムカメラは、バルナックライカに匹敵する水準まで性能・品質を向上させていたのです。

ところがライカM3は、そんな日本製レンジファインダーカメラを一挙に突き放しました。

あくまで模倣の域を出なかった日本製フィルムカメラにはない独創的な機構。

具体的には後述しますが、「採光式ブライトフレームファインダー」「パララックス自動補正」「バヨネットマウント」「レバー巻き上げ」「クランク巻き戻し」「フィルム装填の簡便化」など、それまでのレンジファインダーカメラにはなかった機構を新規に実現。

ライカM3

M型ライカは他のメーカーには真似することのできない至高の存在となったのです。

1954年に登場したライカM3ですが、その後廉価版かつ広角レンズ対応ファインダーに改良されたM2(1958)も登場。

1950年代〜1960年代初頭は、ライカのもっとも良き時代だといえるでしょう。
この時代のライカは、古きよき時代の最高の仕上げもあいまって、いまでも中古でとても人気が高い存在です。

M型ライカの斜陽

ライカM3 ダブルストローク

ところが。
1960年代に入るとM型ライカの優位性に陰りがでてきます。

要因は日本製の一眼レフカメラの登場。

それまで他のフィルムカメラに対して絶対的優位を持っていたM型ライカでしたが、1960年代に入ると日本製のフィルム一眼レフカメラが普及していきます。
それまで小型の高級カメラはドイツ製の独壇場でしたが、望遠レンズやマクロ撮影が容易に可能といった機構上の優位性により日本製がプロの世界を席巻。

じつは、このような事態を招いたのはM型ライカの存在そのものが原因でした。

1954年、ライカM3は日本製のフィルムカメラを大きく引き離しました。

それにより、レンジファインダーカメラではライカに対抗することが不可能だと悟った日本のメーカーは、当時、次世代のカメラとして注目されていた一眼レフカメラの開発・改良に注力します。

それが実を結び、日本製カメラは一眼レフでついにライカを追い越すこととなったのです。

そんななかでもライカはM型ライカの改良を進め、1967年には改良版のライカM4が、1971年にはライカM5が登場。
また並行して一眼レフカメラのライカフレックスも販売し、日本メーカーへの巻き返しを図ります。

なりふり構わず、日本のミノルタ(Minolta)との提携でライカCL(ライツミノルタCL)を発売するということも行いました。

ライツミノルタCL

しかし力及ばず、1975年には、一旦、すべてのM型ライカの製造が終了することに。

それからの数年間は、フィルムカメラ愛好家の間で「ライカ冬の時代」と呼ばれる厳しい時期となりました。

M型ライカの復活

しかしM型ライカはそれで終わるものではありませんでした。

M4-2、M4-Pといった、ライカM4の小改良を行った機種から少しずつ再始動。

Leica M4-2(ライカM4-2)

そして1984年、大ヒット機種を送り出します。
ライカM6の登場です。

ライカM6

伝統的なM型ライカのスタイリングのまま露出計を内蔵したライカM6は、1980〜1990年代を通じて、高級カメラとして愛好家のあこがれの的となります。

さらに、これくらいの時期からM型ライカはステータス性の高いカメラとして、一種のブランド価値が認められるようにもなっていきます。

世界最高峰の精密機械から、ステータス性の高い高級カメラへの転換。
この戦略が成功したことでM型ライカの血筋が、その後も脈々と受け継がれることとなります。

2002年の、実質的に最後の新規機構を持ったフィルムカメラ、ライカM7を経て、デジタルカメラのM型ライカへ。
デジタルライカもまた、孤高の「デジタルレンジファインダーカメラ」として、いまも高い人気を誇っています。

中古ライカカメラならサンライズカメラ
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M型ライカの特徴と魅力

さて、それでは、そんなM型ライカにはどんな魅力があるのでしょうか?

いまでも中古でM型ライカを探し求める人が多いのは、M型ライカが、比類するもののない存在であるため。

世界にはいくつかの「本物」のフィルムカメラが存在しますが、M型ライカもまた、そんな存在であるといえるでしょう。

精密感・最高の仕上げ

ライカM3 シングルストローク

まず、M型ライカが工業製品として他のフィルムカメラと決定的に異なること。

それが、他のカメラには不可能な精密感

M型ライカはドイツ製のカメラですが、他のドイツ製品でさえも、1950〜60年代のM型ライカに敵うものはありません。
いわんや日本製をや。

ライカM3やM2を一度でも触ってみれば、その感触が他のどんなカメラとも違うことがすぐにわかるでしょう。

ガタひとつなく、それでいて抵抗なくスムースに動く巻き上げレバー。
するすると音もなく回る巻き戻しクランク。
肉眼さながらの視野に視野に撮影範囲を示す枠が浮かぶファインダー。

手にしただけで快感さえ覚える精密感。
これこそが、M型ライカの「モノ」としての最大の魅力です。

ライカM3

もちろん、1980年代以降のM型ライカも同時代の日本製カメラにはない仕上げと感触を持っていますよ!

ライカレンズの豊かな描写

ズミクロン50/2 1st

そして、M型ライカはただ精密であるだけではありません。

写真機に求められる機能、それは当然、写真を撮ること。

M型ライカで撮影できる写真もまた最高のものです。

M型ライカで撮影した写真のクオリティを実現しているのが、専用のライカレンズ
ズミクロン、ズミルックス、エルマーといった、ライカ独自のレンズは、味わい深くみずみずしい描写をしてくれると同時に、解像力など描写の精密感でも世界トップクラス。

ズミクロン50/2 1st

ライカレンズを組み合わせることで、最高の機械で、最高の写真を撮ることができるのです。

おすすめのライカレンズについては以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

「本物」のレンジファインダーカメラ

ライカM3 シングルストローク

ライカをおすすめするもうひとつの理由。

それが、ライカは「本物」「オリジナル」の存在であること。

世の中には、本物と模倣品が存在します。

道具やモノにこだわるなら、もちろんオリジナルのものを使いたいですよね。

フィルムカメラ、なかでもレンジファインダーカメラに関していえば、本家本元、本物中の本物のカメラはM型ライカに間違いありません。
とくに、戦後に作られたレンジファインダーカメラは、そのほぼすべてがM型ライカの影響下にあり、多かれ少なかれ模倣しています。

これから中古カメラを手に入れるなら、ぜひ手にしてみたいオリジナルの存在。
それがM型ライカなのです。

中古ライカカメラならサンライズカメラ
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M型ライカの使い方

さて、それではM型ライカはどうやって使うのでしょうか。

具体的な使い方について、写真や動画を交えて以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください!

ライカM3の使い方

フィルムカメラの頂点・ライカM3 使い方、中古の選び方徹底ガイド

ライカM6の使い方

ライカM6 高いステータス性と実用性を兼ね備えたM型ライカ

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M型ライカ機種名鑑

ここからはM型ライカの代表的機種について解説します。

ライカM3にはじまり、フィルム・デジタルの現行機種に至るまで続いているライカの血筋。

ぜひ中古でM型ライカを購入する参考にしてくださいね!

1.ライカM3

ライカM3

ファインダー倍率 0.91倍
ファインダー枠 50mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 1954年
中古相場 10万円前後
備考

1954年に登場した最初のライカ。
それがライカM3

歴史上すべてのカメラの中でも最高峰とも呼ぶべき存在。
フィルムカメラのオールタイムベストを決めたとしたら間違いなくNo.1。

それくらいの至高の存在です。

ライカM3

特徴はコストをふんだんにかけたファインダー
M3のファインダーは、光の向きがすべて「直角」になっているという、他のM型ライカにはない特徴があります。
他のM型ライカと異なり50mmレンズの使用を前提にしたファインダーは、肉眼と見まごうばかりの透明感。
もちろん仕上げの精密感も最高です。

ライカM3

大きく分けて前期型のダブルストローク(2回巻き上げ)と後期型のシングルストローク(1回巻き上げ)が存在しています。

ライカM3について、詳しくは以下の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてくださいね。

フィルムカメラの頂点・ライカM3 使い方、中古の選び方徹底ガイド

2.ライカMP

noimage

ファインダー倍率 0.91倍
ファインダー枠 50mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 1956年
中古相場 300万円以上
備考 希少機種

1956〜1957年にかけて450台だけが製造された希少機種。
それがライカMPです。

後年、ライカ自身が同名のカメラを発売したため、旧ライカMP、初代ライカMP、元祖ライカMPなどと呼び分ける必要がありますが、一定していません。

この最初のライカMPは、ライカM3をプロ用にカスタマイズした機種。

・底蓋にライカビットMP(巻き上げトリガー)を装着
・フィルムカウンターがライカM2同様の手動復元式に
・セルフタイマーの省略

といった特徴をもっています。

また、
・巻き上げレバーはダブルストローク(2回巻き上げ)
です。

ライカMPを元にさらに改良を行ったのが次のライカM2となります。
M2同様の手動復元カウンターながら、各部意匠はライカM3を踏襲しているのが珍しいところ。

特に希少な機種で、中古では数百万円はくだりませんが、M3からM2への架け橋となった歴史的に重要な存在でもあります。

3.ライカM2

ライカM2

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm 50mm 90mm
露出計 なし
発売年 1958年
中古相場 10万円前後
備考

ライカM3をもとにファインダーを広角レンズに対応させ、さらに各部を省略したものがライカM2

ライカM3のファインダーは倍率が0.91倍で、基本的には50mmレンズ以上の使用を前提としていました。
いっぽうライカM2はファインダー倍率が0.72倍となり、広角35mmレンズがそのままで使用可能となりました。

ライカM2 外ギザ

ファインダー自体の構造はライカM3に比べかなり簡略化されてしまいましたが、レンジファインダーカメラとの相性がよい35mmレンズに向いていることから、以降のM型ライカのファインダーは、このライカM2のものをベースに改良されていくこととなります。

また、上で紹介したライカMP同様、フィルムカウンターは手動復元式。
フィルム巻き上げはシングルストローク(1回巻き上げ)で、同時期のM3も同様のものに変更されています。

単なる廉価機種ではなく、ライカM3とは異なる機能を持つカメラ。
1960年代、写真家・写真愛好家の間では、ライカM3を使うか、ライカM2を使うかが大きなテーマになったとさえ言われています。
フィルムカメラの中でもライカM3と並び立つ存在、それがライカM2だといえるでしょう。

ライカM2

ライカM2について詳しくは以下の記事もご覧ください。

Leica M2(ライカM2)の特徴・性能・選び方 シンプルなM型ライカの美とは?

4.ライカM1

noimage

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm 50mm
露出計 なし
発売年 1959年
中古相場 9万円前後
備考 距離計なし

ライカM1は、ライカM2から距離計を省略した機種。

距離計を取り除き、距離計窓は「M1」と刻印された蓋で塞がれています。

公式にライカM1からM2への純正改造が受け付けられていたと言われていますが、実際に行われた例は未だ見つかっていないようです。

5.ライカMD

noimage

ファインダー倍率 なし
ファインダー枠 なし
露出計 なし
発売年 1965年
中古相場 6万円前後
備考 ファインダーなし

ライカMDは、ライカM1からさらにファインダー自体を取り除いた機種。

具体的には、ビゾフレックス(レンジファインダーカメラのライカを一眼レフ化するアクセサリー)での使用や、「ポストライカ」と呼ばれる郵便記録用など、特殊用途に用いられました。

中古で手に入れた場合、外付けファインダーを取り付けて、超広角レンズでの目測撮影にうってつけだといえるでしょう。

5.ライカM4

ライカM4

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm 50mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 1967年
中古相場 15万円前後
備考

1967年登場のライカM4は、ライカM3とライカM2を統合し、各部を改良した機種。

ライカM3とM2に搭載されたファインダー枠をすべて搭載し、35mmから135mmまで対応。
改良点としては、巻き戻しがそれまでのノブからクランクとなり迅速になったこと。
フィルム装填が簡便になったことが挙げられます。

デザイン上は「エプロン」と呼ばれる、レンズマウント周囲の銀色の部分がなくなったことが特徴です。
また巻き上げレバーにもプラスチックの指当てがついています。

ライカM4

仕上げと実用性のバランスがとてもよく、M型ライカのなかでもとくに人気の高い機種のひとつです。
これ以降のM型ライカは、基本的にはこのM4をベースに改良を重ねていくこととなります。

ライカM4

ライカM4については以下の記事で詳しく紹介しています。

Leica M4(ライカM4)は使いやすいクラシックライカの完成形

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6.ライカMDa

noimage

ファインダー倍率 なし
ファインダー枠 なし
露出計 なし
発売年 1967年
中古相場 6万円前後
備考 ファインダーなし

上で紹介したライカMDの各部仕様をライカM4に合わせたモデルです。

製造台数はMDよりこのMDaのほうがずっと多く、中古でもよく見かけます。

7.ライカM5

ライカM5

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm 50mm 90mm 135mm
露出計 TTL測光 CdS受光素子
発売年 1971年
中古相場 6〜7万円前後から
備考 他機種と外観が大きく異なる

ライカM5は、露出計を内蔵した初めてのライカ
そして、外観が大きく異なる機種でもあります。

日本製のカメラは露出計の内蔵が当然となっていた1971年、ライカはまったくの新設計機種、ライカM5により巻き返しを図ります。

ライカM5

しかし、それまでと違う外観、そして(いうほど大きくないのですが)ボディの大型化がユーザーに受け入れられず、ライカM5は一代限りのものとなってしまいました。

しかし、フィルムカメラ愛好家の間で後年再評価され、その使い心地や仕上げが見直されています。

ライカM5

ライカM5について詳しくは以下の記事もご覧ください。

悲運のLeica M5(ライカM5)はM型ライカ最高の操作感を味わえるカメラ

8.ライカCL/ライツミノルタCL

ライツミノルタCL

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 40mm 50mm 90mm
露出計 TTL測光 CdS受光素子
発売年 1973年
中古相場 5万円前後
備考 ミノルタ製

厳密にはM型ライカに含まれませんが、M型ライカと同じ「ライカMマウント」を持つ機種。

それがライカCL/ライツミノルタCLです。

ライカCLは、日本製メーカーに追い上げられていたライカをより安価に提供するために、日本のミノルタと提携して送り出したカメラ。
設計はライカですが、製造はミノルタが担当しました。

その影響で、ライカCLは、日本国内向けモデルのみ「ライツミノルタCL」(Leitz Minolta CL)として出荷されることに。
名前は異なりますが、それ以外は完全に同一のカメラです。

ライカM5と同様の機構の露出計を装備。

ライツミノルタCL

ファインダー枠は、このライカCL独自の40mmフレームを内蔵したものとなりました。
(40mmフレームは、ミノルタCLEにも受け継がれます)

詳しくはこちら

ライツミノルタCL(ライカCL) 日独の血が入り混じったコンパクト・ライカ

9.ライカM4-2

ライカM4-2

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm 50mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 1977年
中古相場 15万円前後
備考

1975年、すべてのM型ライカの製造が一旦終了。

そのあと、再び製造を再開した際の機種がライカM4-2です。

内容としては、ライカM4からセルフタイマーを省略し、モーターワインダーに対応。
アクセサリーシューがこれ以降ホットシューとなりました。

ボディ上面のロゴが、それ以前にはなかった大型の「Leitz」刻印になっています。

ライカM4-2

いわゆる「ライカ冬の時代」のカメラのため、発売当時はその品質に問題がある個体が多かったとも言われています。
中古で購入する際には、よく調整されたものを探すようにしましょう。

10.ライカM4-P

ライカM4-P

ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 28mm 35mm 50mm 75mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 1981年
中古相場 15万円前後
備考

ライカM4-2を更に改良したモデル。

具体的には、内蔵ファインダーに28mmと75mmが加わったことが最も大きな違いとなります。
広角に強いレンジファインダーカメラで、28mmレンズは当たり前に使う焦点距離。

視野が広すぎてメガネを掛けていると見づらい欠点はありますが、利便性が向上しました。

この機種をもとに露出計を搭載したのが、次に紹介するM6。
M4-Pの使用感は、(順序が逆ですが)露出計のないM6ともいえるものです。

ライカM4-P

11.ライカM6

ライカM6

ファインダー倍率 0.72倍(0.85倍モデルも存在)
ファインダー枠 28mm 35mm 50mm 75mm 90mm 135mm
露出計 TTL測光 SPD受光素子
発売年 1984年
中古相場 17〜18万円前後
備考

M型ライカの外観そのままに、TTL露出計を内蔵。

唯一機能面で不足していた露出計を搭載したのがライカM6です。

伝統的スタイルを保った効果は絶大。
ユーザーに受け入れられなかったライカM5とは異なり全世界で好評を博します。

ライカM6

外観はそれまでの金属プレスからダイカストに。
ファインダー周りのデザインが平面的なものに変わり、それ以降の機種にも受け継がれていきます。

ライカM6は大ヒットモデルとなり、限定モデルも多数発売。
1980年代・1990年代を代表する、ステータス性あふれるフィルムカメラとなりました。

ライカM6

製造数が多いため中古での入手も容易。
実用性もとても高いです。

ライカM6の機種や使い方について、以下の記事で詳しく解説しています。

ライカM6 高いステータス性と実用性を兼ね備えたM型ライカ

12.ライカM7

ライカM7

ファインダー倍率 0.72倍(0.58倍、0.85倍にカスタマイズ可能)
ファインダー枠 28mm 35mm 50mm 75mm 90mm 135mm
露出計 TTL測光 SPD受光素子
発売年 2002年
中古相場 22万円前後
備考 電子式シャッター 絞り優先AE

実質的に最後のM型ライカのフィルムカメラ。

それがライカM7です。

それまでのM型ライカは、すべて機械式のフォーカルプレーンシャッター。
露出系内蔵のM4やM5を含め、マニュアル露出オンリーでした。

ライカM7では、ついにシャッターを電子化
そして絞り優先AEを搭載します。

ライカM7

日本製のフィルムカメラでは既に当然となっていた機構ではありますが、M型ライカにとっては大きな革新。
スナップ撮影に大きな威力を発揮します。

現行品。

ライカM7については以下の記事でも詳しく紹介しています。

Leica M7(ライカM7)フィルムライカの最終進化系は最強のスナップシューター

13.ライカMP

ライカMP

ファインダー倍率 0.72倍(0.58倍、0.85倍にカスタマイズ可能)
ファインダー枠 28mm 35mm 50mm 75mm 90mm 135mm
露出計 TTL測光 SPD受光素子
発売年 2003年
中古相場 40万円前後
備考 機械式シャッター

ライカM7以降の発売ですが、機械式シャッターを搭載したモデル。
現行品。

露出計を内蔵し基本的にはライカM6ですが、外装部品がライカM3を意識したものに

トップカバーは真鍮プレス。
巻き上げレバーがライカM4以降のプラ指当てつきからM3・M2型の全金属製に。
さらに、M4以降のクランク巻き戻しも捨てて、ノブ巻き戻しに回帰しています。

ライカMP

ただしファインダー周りのデザインはM6同様で、折衷的な外観です。

名称は上で紹介したライカMPと同一ですが、まったくの無関係な機種です。

ライカMPについて詳しくは以下の記事もご覧ください。

クラシカルな機械式M型ライカ・ライカMPの魅力・特徴・性能とは?

14.ライカM-A

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ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 28mm 35mm 50mm 75mm 90mm 135mm
露出計 なし
発売年 2015年
中古相場 40万円前後
備考 機械式シャッター

ライカMPから、さらに露出計まで省略したモデルです。
現行品。

非常に趣味性の高いステータスアイテムです。

中古ライカカメラならサンライズカメラ
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デジタルのM型ライカたち

簡単にですが、その後デジタル化したM型ライカについても紹介します。

ライカには他社のOEM製品のデジタルカメラも存在しますが、本流はやはりこのデジタルM型ライカ。
デジタルになっても、フィルムカメラ同様、ライカはカメラ愛好家のあこがれです。

ライカM8

ライカM8

2006年発売。
唯一のAPSサイズ機種です。

デジタルのレンジファインダーカメラとしては、エプソンR-D1に続き世界で二例目となります。

ライカM9

ライカM9

2009年発売。
これ以降センサーがフルサイズとなります。

1800万画素。

ライカMモノクローム

2012年発売。
ライカM9をベースに、モノクロ撮影専用とした機種です。

ライカM-E

2012年発売。
ライカM9の廉価版です。

ライカM

ライカM Type 240

2013年発売。
フルサイズ、センサーは2400万画素。

名称が単に「M」となり、バリエーションモデルはモデルナンバーで識別されます。

ライカM10

noimage

2017年発売。
再びナンバリングが復活しました。
2400万画素。

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M型ライカでぜひ使いたいレンズ

ズミクロン35mm F2(初代/1st/8枚玉)

いまではとても入手性がよくなったM型ライカ。

ライカM3やライカM2は、その仕上げの良さに比して安すぎるくらい手頃な価格に。

また実用性の高いライカM6も、以前に比べればとてもリーズナブルになっています。

そんなM型ライカのフィルムカメラで大切なのがレンズ選び。
フィルムカメラではボディよりもレンズのほうが重要とはよくいわれるところ。

M型ライカでフィルムカメラを楽しむとき、最初の1本はどんなレンズがよいのでしょうか?

最初の1本は50mmか35mm

おすすめの焦点距離が50mmか35mm。

50mmはライカが決めた元祖標準レンズ。
とくにライカM3で使うなら50mmできまりです。

いっぽう35mmはレンジファインダーととても相性が良い、もうひとつの標準レンズとも呼べる存在。

この2つのどちらかを選べば間違いないでしょう。

M型ライカのおすすめレンズ徹底解説

具体的なおすすめライカレンズについては以下の記事で紹介しています。

ぜひ参考にしてくださいね。

入門におすすめのライカレンズ10選 初心者の最初の1本に最適なL39・Mマウントレンズとは?

M型ライカで使いたい撮影用品

M型ライカで撮影を楽しむなら、こちらのグッズがおすすめです。

露出計

M型ライカのうち、M4系以前の機種には露出計がありません

もちろん体感露出で撮影するのも粋なものですが、慣れないうちはアクセサリーシューに露出計を取り付けて撮影するのがよいでしょう。

おすすめの露出計

露出計のないフィルムカメラの使用にあたっては、アクセサリーシューに取り付けられる露出計を使用するのがおすすめです。 中国製の小型クリップオン露出計としては以下のものが。 日本のセコニックの定番露出計としては以下のものが。 それぞれおすすめです。

L-Mリング(マウントアダプター)

M型ライカはマウントアダプターでL39マウントのリングが使用可能です。
純正品もありますが、格安な互換品も販売されています。

※L-Mアダプターは使用するレンズの焦点距離に対応したものを購入してください。リンク先で選択が可能です。

M型ライカでフィルムカメラの真髄を味わおう!

M型カメラはフィルムカメラの頂点とも呼ぶべき存在。

質感、操作感、そして撮影できる写真の美しさ。
中古フィルムカメラを味わうなら、ぜひ一度は体験したい至高の工芸品です。

ぜひあなたも、M型ライカを手に入れて、撮影を楽しんでくださいね!

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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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