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Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC) 世界最高の「広角」カメラ

Hasselblad SWC

スウェーデンのカメラメーカー、Hasselblad(ハッセルブラッド)
言わずと知れた、中判一眼レフの王者ともいうべき存在ですが、そんなハッセルブラッドが送り出したカメラのなかでも、特異な立ち位置を持っているのが、Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)です

ハッセルブラッドSWCの特徴。
それは、超広角レンズ「ビオゴン」を使うためだけに作られたカメラだということ。
カメラではなくレンズが主役。
ビオゴンあってこそのハッセルブラッドSWCなのです。

ビオゴンは、カール・ツァイスの対称型超広角レンズ
一眼レフ用のレトロフォーカスレンズでは不可能な、収差の少ない美しい画像を得ることが可能です。

他に並ぶもののない存在。
それがハッセルブラッドSWCの魅力。
今回はそんなハッセルブラッドSWCについて、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが解説します

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Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)

ビオゴンを使うためのカメラ、それがHasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)。
あまりに独特すぎるカメラであることから、中古も珍重されています。
いったいどんな特徴を備えているのでしょうか?

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)の性能とスペック

Hasselblad SWC

形式 中判超広角専用カメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/500秒
レンズシャッター
露出計 なし
AE なし
ファインダー 目測式
レンズ ビオゴン 38mm F4.5
使用フィルム 120フィルム・220フィルム
フィルム交換 フィルムバック交換式

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)とは

Hasselblad SWC

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)は、スウェーデンのカメラメーカー、ハッセルブラッドが製造してきた超広角撮影専用カメラのこと。

基本的には中判一眼レフである他のハッセルブラッドのフィルムカメラとは一風変わった存在となっています。

最大の特徴は、超広角レンズである、カール・ツァイスの「ビオゴン」がボディに固定されているということ。
そして、ピント合わせも目測式となります。

Biogon(ビオゴン)を使うためのカメラ

Hasselblad SWC

このカメラの特徴であり、存在意義でもあるのが、装着されているBiogon(ビオゴン)というレンズ。

ハッセルブラッドSWCにはいくつかのモデルが存在しますが、どのモデルにも共通して、ビオゴン38mm F4.5が取り付けられています

ビオゴンは超広角レンズ
35mmフィルムに換算すると画角は約20mm相当となります。

このビオゴンというレンズは、対称型レンズに分類されます。
対称型レンズとは、レンズを横から輪切りにしたときに、レンズの前側と後側が対称型になっているレンズのこと。
超広角レンズの設計において、画像が歪んでしまう「収差」を少なく抑えることができる優れた特性を持っています。

「収差が少ない」とはどんなことなのでしょうか。
それは、「直線が直線に写る」ということ。

まっすぐなものがまっすぐに写るのは、当然のことと思うかしれません。
しかしながら、球面であるレンズを通した光を平面であるフィルムに焼き付けようとするのは一筋縄ではいかないことなのです。

一眼レフに用いられる「レトロフォーカス型」の超広角レンズでは、多かれ少なかれ、どうしても、被写体の形が歪む「歪曲収差」が生じてしまいます。
レンズが広角になればなるほど、収差の補正は難しくなります。
その点、このビオゴンのような対称型は歪曲収差の補正が容易なため、「まっすぐなものがまっすぐに写る」画像を得ることが可能なのです。

また、対称型レンズはレンズの構成がシンプルなため、シャープな写真を得やすいこともメリットとなります。

ビオゴン専用設計

しかし、メリットばかりのように見える対称型超広角レンズにも弱点があるのでした。

それは、レンズの後端がカメラの中に大きく飛び出てしまうということ。

レンズの形が前後対称ということは、カメラの前に飛び出ているのと同じ分、カメラの中にもレンズが突き出てしまうということです。

Hasselblad SWC

そのため、カメラボディの内部にレフレックスミラーが存在する一眼レフカメラには、基本的に対称型超広角レンズを取り付けることはできません
(ミラーアップして装着するレンズという例外はあります)

ハッセルブラッドSWCが、他のハッセルブラッドと違って一眼レフではないのも、レンズが固定式となっているのも、ボディ内にレンズが大きく飛び出てしまうため。

逆にいえばビオゴンは、中判一眼レフの雄・ハッセルブラッドが、一眼レフであることを捨ててまで用いたかった超高性能レンズであるともいえるでしょう。

超広角だから目測式でもOK

ハッセルブラッドSWCは、ピント合わせは目測式となっています
一眼レフやレンジファインダーのように厳密なピント合わせはできず、被写体との距離を勘で測って合わせることになります。

というとピントの合っていない写真を量産してしまうのではと不安に思うかもしれませんが、その点についても問題はありません

ビオゴン38mm F4.5は、先にも書いたように35mm換算で20mm相当の超広角レンズ
超広角レンズということは、見かけの被写界深度の深さはかなりのものとなります

日中、屋外での撮影であれば、よほどのことがなければ被写体は被写界深度の中に収まるはず。
ピントが合わない心配はほとんどありません。

使用時にはカメラの傾きに注意

ただし、目測式かつ超広角レンズ搭載のため、ハッセルブラッドSWCの撮影時にはカメラの傾きに注意することが必要です。
超広角での撮影では、カメラが少し斜めになっているだけで非常に目立ってしまいます

そこでハッセルブラッドSWCには、あらかじめ水準器がボディに内蔵されています。
水準器を使って、しっかりと水平を出して撮影する。

それが使用時の鉄則です。

Hasselblad SWC

超広角で楽しむ「ましかく写真」

さて、ハッセルブラッドSWCは他のハッセルブラッドと同じく6×6判を採用しています。
ということは、もちろん画面は正方形の「ましかく写真」。

超広角レンズを使うというだけならば、他のカメラでも可能です。
デジタル一眼レフカメラでも、当然超広角レンズは用意されています。

でも、正方形の写真を撮ることができるのは、フィルムの中判カメラだけの特権なのです。

レンズの性能をすみずみまで活かした正方形の美麗な画面は、まさにハッセルブラッドSWCだけが実現できる世界にほかなりません。
まさに中古カメラならではの特権です。

しかもレンズは世界一のレンズメーカー、カール・ツァイス製。
中古のSWCこそ、ドイツが誇る銘レンズであるビオゴンを中判で楽しむ唯一の選択肢なのです。

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Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)を中古購入するなら

さて、ではハッセルブラッドSWCでビオゴンを楽しむなら、中古購入時にどんなことに気をつければよいのでしょうか。
時代ごとに複数モデルが存在しているハッセルブラッドSWCですが、カール・ツァイスの味はどのモデルも甲乙つけがたいもの。
見た目の好み、描写、そして価格で中古を選びましょう。

中古購入の参考に、それぞれのモデルを紹介します。

初期のモデル

ハッセルブラッドSWCシリーズへと繋がるカメラが生まれたのは1954年のこと。
1954年発売の、ハッセルブラッド スーパーワイドアングル(SWA)です。
ハッセルブラッドSWAは1956年にハッセルブラッド スーパーワイド(SW)へと小改良が行われます。

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)

Hasselblad SWC

1959年から販売されたモデルが、ハッセルブラッドSWC
同時代のハッセルブラッド製一眼レフカメラである、ハッセルブラッド500Cに相当するモデルです。

デザインは基本的にハッセルブラッド500Cを元としたもの

レンズは同時代のハッセルブラッド一眼レフ用レンズと同じく、1973年からT*コーティングが施されるようになります。

もっともメジャーなモデルなので中古でも入手しやすいでしょう。

Hasselblad SWC

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC/M)

Hasselblad SWC/M

1979年から販売されたハッセルブラッドSWC/MはSWCにポラロイドバックが取り付けられるように小改良が行われたモデルです。

現代となってはポラバックの出番はないといえるので、中古購入の際には通常のSWCと好みで選んで構わないといえるのではないでしょうか。

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Hasselblad 903SWCと903SWCE

Hasselblad 903SWC

1988年のモデルです。

それまでボディに組み込まれていた水準器がファインダーに移動するなど、各部が小改良されています。
SWCEはモータードライブを組み込んだ特注モデルとなります。

一眼レフのハッセルブラッドと同じく、これくらいの年式から中古価格も高めになってきます。

Hasselblad 905SWC(ハッセルブラッド905SWC)

2001年に発売された最新のハッセルブラッドSWC系カメラです。
デザインが同時代のハッセルブラッド一眼レフカメラであるCFi系と統一され、ガラスも時代を反映して無鉛ガラスに変更されています。
中古価格は高めです。

中古ハッセルブラッドならサンライズカメラ
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ハッセルブラッド関連記事

レンズ交換式の通常のハッセルブラッドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ハッセルの「作法」などについても紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。

ハッセルブラッド500C/Mの使い方 中古でHasselbladを手に入れてみませんか?

Hasselblad SWC(ハッセルブラッドSWC)中古購入のポイント

さて、そんなハッセルブラッドSWCを中古購入するにあたって気をつけたいこと。

すべてはレンズの状態に尽きます。

これからハッセルブラッドSWCを中古で手に入れるというのはビオゴンというレンズを手に入れるのと同義。
ということは、レンズがよいコンディションを保っていないとまったく意味がないのです。

もちろん、中古購入時にはシャッター、とくに低速をチェックするのが重要なのも言うまでもありません。
ただし、中古市場では高い価値が認められているカメラなので、中古カメラ店に並ぶときには、しっかりと修理・オーバーホールが行われていることがほとんどです。

また、その他の部分については、そもそも壊れるところがあまりありません。
もしもフィルムバックが調子が悪かったりしても、中古でフィルムバックだけ見つけてくればよいだけです。

おすすめの中判フィルム

中判カメラで使う120フィルムは、以下のものがおすすめです。 ポジフィルム(リバーサルフィルム)で撮影するなら、富士フイルムのPROVIA 100Fが定番です。
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対称型超広角レンズを味わえるのはフィルムカメラだけ

ビオゴンを使うためのカメラ。
それがハッセルブラッドSWCです。

対称型超広角レンズであるビオゴン。
実は、デジタルでは楽しみづらいレンズ形式でもあります。

フィルムカメラに比べてレンズ後端とカメラ内部が接触しやすいデジタルカメラでは、たとえミラーレスにマウントアダプターを装着したとしても、対称型超広角レンズは使用できないことが多いのです。

それでなくても、ハッセルブラッドSWCは中判でカール・ツァイスの超広角レンズを使うことができる唯一無二の選択肢。
ぜひ中古で手に入れてみませんか?
このカメラでしか味わうことができない描写は、フィルムカメラが好きならぜひ一度は体験してみたいものだといえるでしょう。

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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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