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悲運のLeica M5(ライカM5)はM型ライカ最高の操作感を味わえるカメラ

ライカM5

今回はLeica M5(ライカM5)について紹介します。

過去から現在に至るまでカメラの王様であり続けているM型ライカ。
そのなかで、外観、機構ともに他のM型ライカと大きく異なるカメラがあります。

それがLeica M5(ライカM5)
写真を見ればわかるように、外観からして他のM型ライカとはまったく異なるカメラです。

生産台数も約3万台と少ないことから、一時は失敗作と思われていたカメラですが、いまでは意欲作として、またその質の高さから中古カメラファンの間で再評価されています。

日本製一眼レフが世界を席巻しようとする1970年代、ライカが打って出ようとしたカメラ、それがライカM5。
他のM型ライカではけっして味わえない感触を、ライカM5を中古で手に入れて体験してみませんか?

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Leica M5(ライカM5)とは

ライカM5は、1971年から1975年にかけて製造されたM型ライカの1機種。
初めて露出計を内蔵したライカでもあります。

今回はそんなライカM5の魅力を、中古カメラ専門店サンライズカメラのスタッフが紹介します。

Leica M5(ライカM5)のスペック

ライカM5

形式 機械式レンジファインダーカメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/1000秒
機械式
横走り布幕フォーカルプレーンシャッター
露出計 TTL スポット測光
ファインダー倍率 0.72倍
ファインダー枠 35mm、50mm、90mm、135mm
レンズマウント ライカMマウント
巻き上げ レバー式、1ストローク
巻き戻し クランク式
電池 MR-9水銀電池 x1
※販売終了品のため、代替電池PX-625(Amazon)
もしくはボタン電池用アダプター(Amazon)にて代替
製造年 1971〜1975年

Leica M5(ライカM5)の特徴

ライカM5

Leica M5(ライカM5)は、1971年から1975年にかけて製造されたM型ライカの1機種。

写真を見れば一目瞭然なように、他のM型ライカとはスタイリングの面で異彩を放っています。
シャッターダイヤルの位置も巻き上げレバーと同軸となっており、操作感も他機種とは異なるものとなっています。

機構的に最大の特徴が、露出計を内蔵しているということ。
そう、ライカM5は露出計を内蔵した最初のライカなのです。

1971年、すでに世界のカメラ業界は日本のカメラメーカーが席巻していました。
一眼レフが主流となり、TTL測光の露出計搭載も当たり前になっています。

1954年にLeica M3(ライカM3)が登場したときは、最先端のカメラとして日本メーカーを突き放していたライカですが、いつの間にか、そんなM型ライカも、ともすれば時代遅れのカメラとみなされるようになりつつありました。
またLeica M4(ライカM4)は一定の評価を得ていたものの、すでに非常に保守的なカメラと受け止められるようになってしまっていました。

Leica M4(ライカM4)は使いやすいクラシックライカの完成形

そこでLeica M5(ライカM5)では、遅ればせながら露出計を内蔵し、スタイリングの面でもそれまでのM型ライカから革新を図りました。

フィルム面の前に受光素子アームが延びる独特の機構

ライカM5の露出計は、CdS受光素子が配されたアームがフィルム面の前に延びるという独特のもの。

ミラーで反射した光を測光できる一眼レフカメラと異なり、レンジファインダーカメラでは、どのようにして受光素子に光を導くのかが問題となりました。

そこでライカM5では、CdS受光素子そのものを物理的にフィルムの前に持ってくるという、独創的な機構でこの問題を解決したのです。

露出計の特性は、測光範囲が狭い、スポット測光に近いもの。
撮影者の意図を反映しやすく、さまざまな表現に応用することが可能です。

この露出計機構は、ミノルタとの合作で送り出されたLeitz minolta CL(ライツミノルタCL)にも応用されました。

大型化したボディ

Leica M5(ライカM5)は他のM型ライカとは大きく異なる、「弁当箱」とも形容される大型のボディを持っています。

露出計を内蔵し、これまでとまったく異なるライカを生み出そうとする。
その際にデザインの面でも革新を図ろうとしたことは間違いありません。

大型化に伴って、ストラップを吊るアイレット部分も、それまでの横吊り用から縦吊り用となりました
ただしこの部分については、ユーザーのフィードバックを受け製造途中から横吊りが可能なように変更されています。

いっぽう、フィルム装填の方法はそれまでのM型ライカを踏襲しています。

Leica M5 50周年

不遇のライカから再評価へ

ライカM5

このように、意欲的な機構を採用し、見た目の面でもリニューアルを図ったLeica M5(ライカM5)。

しかしながら当時の反応は、必ずしも好意的とは言い難いものでした。
ライカM5の販売数は低迷し、製造数は1971年から1975年にかけて、わずか約3万台。

しかも、ライカM5の製造終了後に販売された、ライカM4-2やM4-P、そしてLeica M6(ライカM6)といったモデルは、M4以前のデザインに立ち返ってしまったのです。

このように、ともすれば失敗作として顧みられなくなってしまうかに思われたライカM5。
しかし、1990年代以降、逆に中古カメラファンの間で評価が高まっていったのでした。

M型ライカ随一の操作性

ライカM5

ライカM5の名声が高まった理由。
それは単に、不遇で生産台数が少なかったため、中古カメラマニアの間で人気が高まった、というものではありません。

ライカM5が再評価されたのは操作性の良さ。
とくに注目されたのは、シャッターダイヤルが巻き上げレバーと同軸に配されているということです。

大型かつ、ボディ前面よりもわずかに飛び出たシャッターダイヤルは、指掛かりが非常によく、回しやすさも抜群。
レリーズボタンから指を移動させることで、簡単にシャッター速度を変更することが可能です。

さらに、他のM型ライカよりもダイヤルが大きいこともプラスに作用して、ダイヤルは非常に軽く回すことが可能。
他のM型ライカをはじめ通常のシャッターダイヤルでは、素早く絞りを変更したい場合はシャッター速度よりもむしろ絞りを変更することが多いですが、ライカM5ならば、シャッターと絞りの双方を、いつでも自由自在に操ることができるのです。

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Leica M5(ライカM5)の選び方・中古購入のポイント

それでは、ライカM5を中古で選ぶときにはどんな点に気をつければよいのでしょうか。

Leica M3(ライカM3)カメラファンならぜひ手に入れたいライカの真髄

縦吊りと横吊り

Leica M5(ライカM5)には、「縦吊り」モデルと「横吊り」モデルが存在します。

縦吊りとはカメラの側面にストラップアイレットが存在し、縦向きに吊るモデル。
横吊りとは、他のカメラのように横向きにカメラを吊るモデルのことです。

初期のモデルは縦吊り専用となっており、途中から横吊りにも対応するようになりました。

ライカM5 縦吊りモデル
↑縦吊りモデル……ボディ右側面にストラップアイレットがない

ライカM5横吊りモデル
↑横吊りモデル……ボディ右側面にもストラップアイレットが追加されている。

縦吊りと横吊りのモデルには、性能上の差はありません。
中古で選ぶ際にどちらを選ぶかについてですが、ライカM5本来の設計意図に従って使いたい場合は縦吊りを、他のレンジファインダーカメラ同様に使いたい場合は横吊りを中古で探すとよいでしょう。

50周年モデル

Leica M5 50周年

1975年には、ライカ発売から50年を記念したモデルが販売されました。
クローム(銀色)とブラックの双方が存在します。

ブラック塗装の色あせ

ブラック塗装のライカM5を中古で選ぶ際には、塗装の色あせにも気をつけると良いでしょう。

ライカM5では、M4以前のブラックボディの塗装がすぐに剥げてしまったことの反省から、新開発の焼付け塗装が施されました。

この焼付け塗装は、塗装そのものは非常に剥げにくいのですが、使用にともなって徐々に色があせていってしまいます。

カメラとしての機構の調子はオーバーホールや修理の有無で決定するため、実用上は関係のない箇所ですが、見た目の状態がよいライカM5を中古購入したい際には、この点にも気をつけるとよいでしょう。

とはいえ、使い込まれた年月もライカの魅力をより高めてくれるもの。
美しい塗装を保ったライカM5も、愛好家の手によく馴染んだライカM5も、どちらを使うのも素晴らしい体験であることは間違いありません。

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露出計の動作は度外視してもOK

さて、中古でM5を購入するとき、正直なところ露出計の動作・精度はあまり気にしなくてもよいかもしれません。

初めての露出計内蔵M型ライカとはいえ、今の目で実用として考えるとM6以降とは雲泥の差があります。
また中古では、CdSの経年劣化も気になります。

他のM型ライカと同様、単体露出計か体感露出での撮影を前提として、露出計は動けばラッキー程度に思っておくのがおすすめです。

修理自体はまだまだ可能なので、もし可能なら整備してもらうのもおすすめです。

露出計の電池について

電池は本来はMR9水銀電池を使用しますが環境問題で製造が完了しています。

代替品として「PX625」アルカリ電池を使用するか

関東カメラサービスほか各社から販売されている、ボタン電池を変換するアダプターを使用することで露出計を問題なく作動させることができます。

ただしアダプターについては電池ボックスの形状と相性があるようです。

中古価格は安め

さて、中古カメラファンの間で再評価されたといっても、それでも他のM型ライカに比べると、中古の販売価格は安めです。

10万円台以下で手に入る中古ボディも普通に見かけます。

※2022年追記:この記事を書いたときよりも少々値上がりしています。

初めてのM型ライカを中古で手に入れるとき、安価に始めたい場合はM5は有力な選択肢となることでしょう。

他のM型ライカと比較してみよう

孤高のライカ、M5。
最初の一台としてもおすすめできますが、もし迷ったら、こちらの記事を参考に他機種と比較してみませんか?

M型ライカ各機種名鑑!世界最高の中古フィルムカメラ徹底解説

露出計付きにこだわるなら、M6もおすすめです。

ライカM6 高いステータス性と実用性を兼ね備えたM型ライカ

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よく手に馴染む、操作性良好なM型ライカ・M5

このように、ライカM5は見た目も、機構も、操作感もそれまでのM型ライカと大きく異る、M型ライカの異端児。
実用性が非常に高く、操作感もとても良好なため、快適にレンジファインダーでの撮影を楽しむことが可能です。

もちろんマウントはライカMマウントなので、歴史に残るさまざまなライカレンズの性能を、思う存分楽しむこともできますよ。
ボディの中古価格が安めなので、その分をライカレンズに回しましょう!

するりとすべるように回るシャッターダイヤルを操作する快感は、ライカM5でしか味わえないもの。
ぜひあなたもライカM5を中古で手に入れて、街を、人を、自然を、自由自在に切り取ってみませんか?

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更新履歴

2022年8月4日

画像を数点追加
電池と中古価格について追記

著者紹介: サンライズカメラ

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