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CONTAX TVS(コンタックスTVS)高性能ズームレンズ搭載の高級コンパクト

CONTAX TVS

CONTAX TVS(コンタックスTVS)は1993年に発売された高級コンパクトカメラ。
いまなお中古で人気が非常に高いカメラだといえます。

CONTAX TVS(コンタックスTVS)の特徴は1990年代の高級コンパクトカメラブームの中で送り出された、CONTAXらしいチタン外装を備えているということ。
フィルムカメラでは初代TVSからTVS IIIまで展開、ほかにコンパクトデジタルカメラのTVSデジタルがあります。

スペック面からみると、CONTAX TVSシリーズの最大の特徴はズームレンズ「バリオゾナー」(Vario-Sonnar)を搭載していることだといえます。
CONTAX T2やT3をはじめ、世の中には高級コンパクトカメラと呼ばれるカメラは多くありますが、ズームレンズを備えた機種としては、入手性と実用性の面でこのTVSシリーズが唯一無二の存在といえます

しかも、CONTAXならではのツァイスレンズの描写は一級品。
ズームレンズらしからぬ上質な写真を作り出すことができるのです。

ズームが使える便利な高級コンパクト。
さまざまな中古カメラのなかでも、CONTAX TVSの独自性が際立ちます。

そのため当時は非常によく売れ、いまも中古で手に入れるのは簡単。
中古高級コンパクトの中でも、もっとも手軽に手に入る機種だといえるでしょう。

ズームのツァイスという他にない価値を持ったカメラ、それがCONTAX TVS。
中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフがこのカメラの特長について紹介します。

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2021年から見たCONTAX TVSのおすすめポイント

この記事を最初に書いた2017年にくらべて、このCONTAX TVSのようなズームレンズつきコンパクトカメラの人気はぐっと高まりました。

いまコンパクトカメラが人気の理由。
それが、ストロボを使った写真が「新しい」と再評価されていることではないでしょうか。

そんな古くて新しいローファイな写真を撮るなら、このコンタックスTVSは最高の選択肢ですよ!

CONTAX TVS(コンタックスTVS)

今なお中古で探し求める人も多いCONTAXの高級コンパクトカメラ、CONTAX TVS(コンタックスTVS)。

まず最初に性能とスペック、特長について見てみましょう。

CONTAX TVSの性能・スペック

CONTAX TVS

形式 35mm高級コンパクトカメラ
シャッター 電子式のレンズシャッター
プログラムAE時:16秒〜1/700秒
絞り優先AE時:16秒~1/500秒
レンズ バリオゾナー28-56mm F3.5-6.5(6群6枚)
露出計 外部測光
SPD受光素子使用
AE プログラムAE
絞り優先AE
ファインダー 実像式ズームファインダー
AF 外光式パッシブ式オートフォーカス
マニュアルフォーカス可能
電池 CR123A リチウム電池(Amazon)x1
発売年 1993年(初代TVS)

※参考文献:CONTAX TVS 取扱説明書 p.49-50

それでは、ズームコンパクトながら中古で今なお人気が高いTVSについて特徴を見ていきましょう。

1993年発売の高級コンパクトカメラ、CONTAX TVS

基本的にはCONTAX T2(コンタックスT2)をズームレンズ付きにしたようなカメラ。
ですが各部には多くの改良が施されています。

CONTAX T2(コンタックスT2)高級コンパクトの時代を築いた名機を中古で楽しみませんか?

最大の特徴は28mm〜56mmのズームレンズを搭載していること。
搭載レンズはバリオゾナー 28mm F3.5〜56mm F6.5

CONTAX TVSのレンズ

一般にコンパクトカメラのズームというと望遠側がとても暗いことが多いですが、このバリオゾナーでは開放でF6.5という、日中なら差し支えなく使用できる明るさを実現しているのです。
(それでもかなり暗いことには変わりありませんが……)

ボディはCONTAX高級コンパクトカメラ共通のチタン外装。
90年代という時代ならではの仕上げはいまでは中古でしか味わえません。

機能的にはパッシブ式AFとMFの切り替えが可能です。
こちらはT2のアクティブ式AFから改良されています。

露出はプログラムAEと絞り優先AE
表現意図に応じて絞りを変えることができる、高級コンパクトカメラならではの仕様です。

絞りの操作が割り当てられているのはレンズ基部のダイヤル部分。
伝統的な絞り環と同じ部分で操作可能なため、とても直感的に扱うことが可能だといえるでしょう。

CONTAX TVS 軍艦部

このカメラの前に発売されたCONTAX T2(1990年)では、一部のカメラファンからAF性能の改善を求める声が上がりました。
その経験をフィードバックして開発されたCONTAX TVSでは、より正確で、撮影者の思った通りのピント位置に合うAFを実現。
ズームレンズ・絞り優先AEと併せて、思い通りにさまざまなシーンに対応することができますよ。

CONTAX TVS2

CONTAX TVS2

CONTAX TVS2(コンタックスTVS2)は1997年に発売された後継機。

1993年の初代TVSではズームはズームレバーで行っていましたが、その操作部がズームリングに変更となりました。

初代TVSで暗いという意見のあったファインダーが明るくなったのも大きな改善点です。

CONTAX TVS3

CONTAX TVS3

CONTAX TVS3(コンタックスTVS3)は1999年発売。
ボディ形状が大きく変わり、レンズにCONTAX Tを彷彿とさせるカバーがつきました。

大きな変更点として、それまでの1点測距のAFが5点測距に変更され、より正確なAFが可能となりました。

中古コンタックスカメラならサンライズカメラ
中古コンタックスならサンライズカメラ

これら3機種は中古価格の面では、新しい機種のほうが評価が高いようです。

ただ、TVSシリーズはTシリーズに比べると全体的に中古は安め。
また非常によく売れたカメラのため、中古の玉数も多く、中古のT2と同じくらいかそれ以上に見かける印象です。

まずは中古の個体の状態を考慮して選ぶとよいでしょう。

バリオゾナー ズームでもツァイスの切れ味は健在

CONTAX TVS 側面

CONTAX TVSを特徴づけるレンズ、バリオゾナー。

コンパクトカメラのズームレンズというと画質・性能面で懐疑的になってしまう方もいるかもしれませんが、そこは天下のツァイス。
ツァイスならではの切れ味は十二分に味わうことができますよ。
ジャンク籠に入っているそこらのズームコンパクトとは格が違います。

CONTAX TVSのレンズの特徴は、独特の「味」がにじみ出た写真を撮れること。

ツァイスのレンズだけあって、普通に撮影しただけでも被写体の持つ空気感と質感を引き出す画像を得ることができます。
さらに、このレンズ独自の周辺光量落ちの癖により、撮影者の心情までも描写するような写真を作り出すことができるのです。

空気感、質感、量感、そして情感。
CONTAX TVSのレンズ、バリオゾナー28mmF3.5〜56mmF6.5は、「感じる」写真を生成するレンズなのです。

ぜひあなたも中古でTVSを手に入れて、その「味」を楽しんでみませんか?

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高級ズームコンパクトという選択

CONTAX TVSシリーズは高級コンパクトにズームを搭載するという、ほかにないコンセプトを持ったカメラ。
このようなカメラは中古カメラ店をいくら探しても他にはありません。

一度でも使うと、コンパクトカメラのズームに対する先入観が一気に変わることでしょう。

ズームコンパクトカメラのブーム

1990年代、普及価格帯のコンパクトカメラにズームを搭載することが流行しました。
運動会で子供の写真を撮影できる、という謳い文句とともに発売されたそれらのカメラは、最初は広角側35mm・望遠側70mm程度の2倍程度のズーム比でしたが、徐々にメーカー間のスペック競争が激化。
最後には望遠側200mmという恐竜的進化を遂げてしまったのです。
沈胴レンズがボディから大きく飛び出す姿は、カメラファンから「竹の子ズーム」とも揶揄されてしまいました。

それらの安価なズームコンパクトには大きな問題点がありました。
それは、望遠側のF値がとても暗いということ。

普及価格帯のズームコンパクトでは、望遠側のF値がF8やF11くらいになることもざらにありました。
ただでさえ手ブレしやすい望遠レンズなのに、こんなに暗くては失敗写真を量産しないはずがありません。

さらに、それまでの単焦点コンパクトカメラが3群4枚のテッサータイプなど画質に優れたレンズを搭載していたのに対し、無理なレンズ構成の高倍率ズームを搭載したカメラでは、それまでに比べて画質も大きく低下してしまいました。

これらのカメラはカメラファンからの評価が非常に低く、中古品は100円でも買い手がつかないことがざらです。

2021年3月追記:この認識は、この記事が書かれた2017年以降大きく変化しました。フィルム写真を古くて新しい存在として認識している世代の間で、このようなコンパクトカメラが高い人気を集めています。中古コンパクトフィルムカメラの価格も上昇しています。

TVSはズームコンパクトの問題点を解消

CONTAX TVS

そのような諸問題のため、一般にカメラファンからのズームコンパクトの評価は芳しくありません。

このCONTAX TVSを除いては。

CONTAX TVSでは、スペックの項で述べた通り、望遠側でも十分に実用に耐えうるレンズを搭載しています。
しかも、6群6枚の無理のないレンズ設計、ツァイス伝統のT*コーティング、ズーム比を2倍に抑え実用的焦点距離をカバーしたことで、とても使いやすく、質のよい写真を撮れるカメラを実現したのです。

CONTAX TVSは他のズームレンズ搭載コンパクトカメラとはまったく異なります。

ズームレンズに対する印象が原因でCONTAX TVSはT2やT3よりも中古が安価に取引されていることがありますが、逆にいえば、安価にツァイスのレンズと、高級感あふれるボディを楽しむことができるお得なカメラであるともいうことができるでしょう。

T2やT3と同じチタン外装を安価に楽しむ。
高級感を手軽に味わえる中古カメラでもあるのです。

CONTAX TVS 背面

コンタックスの高級コンパクトカメラはどれも名機

ズーム搭載という特色のあるコンタックスTVS。
もちろん、コンタックスの他の高級コンパクトカメラもおすすめです。
ズームレンズにするか、単焦点レンズにするか。

ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。

フィルム高級コンパクトカメラ大全集 ぜひ中古で入手したいチタンボディの魅力とは

CONTAX TVSの関連商品

CONTAX TVSではCR123Aリチウム電池を使用します。

35mmフィルムはこちらがおすすめです。

CONTAX TVSのレビュー記事

CONTAX TVSの作例

プロフォトグラファーで旅好きないくた りかさんによる連載企画「旅×フィルムカメラ」の第7弾です。
CONTAX TVSを持って東海道五十三次の16番目、由比の宿場町やそこからほど近い、薩埵峠を撮影してきてくれました。

どれも素敵な写真ばかりなので、ぜひご覧ください。

CONTAX(コンタックス)TVSは上質な撮影体験が叶えられるエモいカメラだった【旅×フィルムカメラ第7弾】

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ズーム搭載コンパクトカメラという貴重な選択肢

ズームレンズを搭載したCONTAX TVSは、まさに独自のコンセプトを持ったカメラ。
確かにT2やT3とは異なるコンセプトのカメラではありますが、その高級感を目にすると、人気の理由がよくわかります。

他の高級コンパクトカメラでは不可能な、画角を自由自在に操る、シーンに縛られない撮影を味わえますよ。

ぜひ中古でTVSを手に入れて、ツァイスの味と高級感を味わってみてくださいね。

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更新履歴

2021年3月29日

  • 「高級コンパクトカメラでズームレンズを備えたものはほかにない」という記述を修正(ライカ製品などに存在するため)
  • 「2021年から見たCONTAX TVSのおすすめポイント」を追記
  • 「コンパクトカメラの中古品は100円でも買い手がつかない」という記述について2021年の視点から追記
  • TVSデジタルに言及

2022年4月15日

取扱説明書をもとにスペック表を修正

著者紹介: サンライズカメラ

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