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「合体するカメラ」Canon New F-1 80年代を代表する一眼レフ

Canon New F-1

Canon New F-1
フィルム一眼レフが時代の最先端ですべての人のあこがれだった、1980年代を象徴するようなプロ用高級一眼レフカメラです。

1980年代、カメラマンは時代を彩る職業でした。
コマーシャルフォト、ファッションフォト、スポーツ写真、報道写真……。
「今」という時代を切り取るカメラマンに、すべての若者が羨望の眼差しを送ったのです。

そんなプロカメラマンが愛用した2つのカメラ。
それがこのCanon New F-1とNikon F3でした。
どちらも、いまでも中古で人気の高いフラッグシップです。

スタイリッシュなスタイリングと堅牢性。
プロのために作られたプロが使うためのカメラの座が、Canon(キヤノン)とNikon(ニコン)という2大メーカーの間で争われていたのです。

今回はそんな、Canonが生み出したプロ用カメラ、New F-1について中古カメラ専門店サンライズカメラのスタッフが紹介します。

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Canon New F-1

Canonがプロのために作ったカメラ、それがNew F-1です。

80年代の名機中の名機として、ぜひ中古で手に入れてみたいカメラ。
New F-1が生み出された背景とその性能について紐解いてみましょう。

Canon New F-1の性能・スペック

New F-1

形式 35mm一眼レフカメラ
シャッター速度 B、8秒〜1/2000秒
ハイブリッド式
1/90秒を境に、高速側とBは機械式、低速側は電子式
露出計 TTL開放測光
中央重点部分測光・中央重点平均測光・スポット測光がスクリーン交換で切り替え可
AE 絞り優先AE(AEプリズムファインダー装着時)
シャッター優先AE(AEプリズムファインダーとモータードライブ/ワインダー装着時)
ファインダー 視野率約97%
倍率約0.8倍
レンズマウント Canon FDマウント
電池 4LR44(Amazon)x1もしくは2CR-1/3Nリチウム電池
発売年 1981年

Canon New F-1(キヤノン ニューF1)は1981年にCanonがこの世に送り出したプロ用一眼レフカメラです。

最大の特長は堅牢性。
Nikonと覇を競うのにふさわしい、プロのハードな使用にも耐えうる信頼の機構を備えています。

性能はシャッターがB、8s〜1/2000。
ストロボ同調速度は1/90です。

シャッター幕は堅牢なチタン製
しかも電子式とメカニカルのハイブリッドシャッターで、信頼性が高く中古でも状態が良いものが多いです。

レンズマウントはFDマウントで、FDレンズとNew FDレンズが使えます。

合体するカメラ New F-1

露出モードはマニュアルと絞り優先、シャッター速度優先です。
じつはこの露出モード切替が、このF-1が独自性を発揮した部分にもなっています。

このCanon F-1は通常のアイレベルファインダーでは、マニュアルのみのプリミティブなカメラになっています。
ですが、ファインダーやモータードライブを装着することで多彩な機能を引き出すことが可能となるのです。

まず、AEプリズムファインダー
AEプリズムファインダーはNew F-1でAEを使用するために必要なファインダーで、装着により絞り優先AEが使用可能となります。

Canon New F-1のAEプリズムファインダー

そして、シャッター優先AEを使用するために装着するのがAEパワーワインダーFN、もしくはAEモータードライブFN
ワインダーやモータードライブからシャッター優先AE用の動力を供給し、これによりNew F-1が絞り優先・シャッター優先の両優先カメラへと大きく変化するのです。

当時はプロ用カメラにAEが搭載されることに賛否両論あった時代。
そんな時代状況の中でCanonが取った選択が、アクセサリーの着脱で必要な機能だけを実現するということでした。

そして現在では、アクセサリーで機能が七変化するということが、Canon New F-1というカメラを使う大きな魅力となっています。

プロ用システムカメラだけあって、ファインダースクリーンなどその他のアクセサリーも百花繚乱。
カメラを自分でカスタマイズする喜びを感じることができますよ。

中古で探す際には、基本的にファインダー単体だと割高になってしまうので、求める機能に合わせて個体を選ぶとよいでしょう。
ワインダー・モータードライブですが、中古での単体入手も容易です。

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初代F-1とNewF-1 Canon F-1の血脈

プロのためのカメラ・New F-1。
Canonが作り続けてきたプロ用カメラの血脈が流れ続けています。

Nikon Fの牙城を崩した初代F-1

Canon 初代F-1

プロのカメラマンがカメラに求めること。
信頼性、堅牢性、システム性、レスポンス性……。

じつは、そんな条件をすべて満たすことができるカメラは多くありません。

とくに1960年代以前、プロが使うカメラは特定の機種に限られていました。
その代表格がNikon F

伝説の名機Nikon F(ニコンF)の特徴・おすすめモデルを一挙紹介!

新聞記者をはじめとする報道カメラマン、命がけでベトナム戦争を伝えた報道カメラマン、スタジオで緻密な世界を構築するコマーシャルやファッションのカメラマンまで、35mmカメラといえばNikon F
Nikon Fの優位性は確固として揺るぎないものだったのです。

そんなNikon一強の状況へ殴り込みをかけたのが、1971年に発売されたCanon 初代F-1(旧F-1)
そう、New F-1の先代となるカメラです。
Canon 旧F-1はNikonから徐々にシェアを奪い、とくにスポーツやコマーシャルの現場では大きな支持を得るようになりました。

途中でマイナーチェンジを行いながらプロの仕事を支えていった旧F-1。
じつはこのカメラにはとあるキャッチフレーズがありました。

それが「向こう10年間は不変です」という宣言でした。

プロのためのカメラには、レンズをはじめとするシステムが不変で買い替えを強いられないことが求められます。
Canonのこの宣言は、プロのカメラマンにとって心強く、安心できるものでした。

旧F-1について詳しくはこちら

Canon 旧F-1 公約通り10年戦い抜いた機械式フィルム一眼レフカメラ

旧F-1のライバル ニコンF2

旧F-1の時代にシェアを争ったのがニコンF2。
こちらも1970年代を代表する名機です。

Nikon F2(ニコンF2)の性能・選び方!機械式ニコンの決定版を楽しもう

そして10年後……New F-1登場

Canon NewF-1 マウント部分

1971年の初代F-1登場から10年経った1981年。
Canonの約束通り、初代F-1は10年にわたって不変のままでした。

そしてこの1981年、ついにCanonは新しいF-1を世に送り出すのです。
New F-1の誕生です。

このNew F-1は、10年間の進歩を取り入れつつ、誰が見ても初代F-1の後継であることがわかるカメラへと仕上がっていました。

プロのカメラマンにとって最もうれしいこだわりが、シャッターダイヤルや巻き上げレバーといった各操作部品の配置がまったく同じであるということ。
使い慣れた初代F-1からNew F-1へ、違和感なくシームレスに移行することを可能としたのです。

ハイブリッドシャッターの信頼性

さらに、プロの道具として重要な信頼性・確実性も完璧です。
初代F-1は機械式のカメラで電池切れの心配は皆無でした。

それに対し、New F-1のシャッターは基本的には精度が高くAE可能な電子シャッター
ですが、プロの道具としては電池切れでシャッターが切れなくなるのでは片手落ちです。

そこでCanon New F-1ではなんと、電池が抜かれていてもストロボ同調速度の1/90以上の高速シャッターが自動的に機械式へと切り替わる機構を組み込んでいるのです。

1/90から最高速の1/2000まで、プロの撮影環境にいつでも対応。
プロのために作られた道具として、完全な信頼性を実現したのです。

初代F-1を受け継ぎプロに受け入れられたNew F-1。
その後CanonがEOSシステムに移行した後も生産・販売は続きました。

生産は1992年に、販売は1996年に終了。
足かけ10年以上にわたり、プロの道具を提供する責任を果たしたのです。

もし中古を手に入れるなら、年式が新しいものを探してみるのもおすすめです。
また、旧F-1とNew F-1の両方を中古店で探して、使い比べてみるのも楽しいですよ。

中古Canonカメラならサンライズカメラ
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New F-1のライバル ニコンF3

New F-1の手強いライバルとなったのがニコンF3。
こちらも1980年代を代表する名機です。

ロングセラーになったこともNew F-1と似通っています。

名機Nikon F3(ニコンF3)完全ガイド! バリエーション・使い方を徹底解説

中古レンズが手軽に手に入るのも魅力

そんなCanon New F-1が採用しているのはFDマウント
このFDマウントの高性能レンズが、中古なら安価に手に入るのも魅力です。

Canonはその後、AF化に伴いEOSシリーズのEFマウントに移行。
そのためFDレンズとは互換性がなく中古は安めです。
いまでは逆に、中古フィルムカメラを楽しむときに、古いFDマウントの中古レンズは安価に手に入るというメリットとなるのです。

中古のニッコールレンズなどに比べると、FDレンズには似たスペックでもとても安価なものがいくつもあります。
もし中古レンズを探す場合、時代を合わせたNew FDレンズが一番似合うと思います。

詳しくはこちらをご覧ください。

Canonのオールドレンズ16選 FDマウント・Lマウントの中古レンズを味わいませんか?

また、ボディそのものの価格も、ニコンF一桁の中古に比べると、安価に手に入る個体も多いようです。

Canon New F-1の作例

Canon New F-1 + New FD 85mm F1.2Lの作例

こちらの2記事で、Canon New F-1とNew FDレンズの作例を紹介しています。

ぜひご覧ください!

[オールドレンズ撮り比べ14] Canon New F-1 / New FD 50mm F1.4の実力をまだあなたは知らない(作例あり)

[オールドレンズ撮り比べ15] Canon New FD 85mm F1.2 Lはポートレートにかなり相性の良いボケ感を持った有能レンズ(作例あり)

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合体するプロ用カメラ New F-1を使ってみませんか?

プロ用の堅牢なカメラには、実際に使った人にしかわからないメカの魅力が溢れています。
とくにこのNew F-1は合体することで機能が増していくという、メカが好きなあなたにとってたまらないギミックを備えたカメラ。
他にはない機構を備えた1台です。

80年代の中古カメラには、カメラが人々のあこがれの的だったスタイリッシュな魅力があるもの。
ぜひ中古でNew F-1を手に入れて、あなた好みのカスタマイズでCanon最高のカメラを使うという喜びを感じてみませんか?

はじめての中古カメラとしても。
ライバルのニコンF3や、前機種のNew F-1を中古で手に入れて比較してみるのも。

初心者から中古フィルムカメラファンまで楽しめるカメラです。

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1.SONY α7 IV ILCE-7M4
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2.Nikon Z6II
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3.SONY α7C ILCE-7CL
小さく軽いフルサイズミラーレス一眼カメラがほしいならこちら!
どこでも持ち歩ける相棒です。
著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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